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最近の物件探しの状況はいかがでしょうか。私は今、物件探しの真っ最中ですが、これは不動産業界を取り巻く外部環境の変化を感じているからです。

最近は金融機関の融資が厳しく、購入できる人が限られてきています。今までは金融機関の後ろ盾があり、売手の交渉力の方が強かったですが、今後は買手の交渉力が強くなりそうです。これにより、市場機会が生まれます。

あとは、各人の内部環境により、購入できる物件を選んでいくことになります。自分の強み・弱みを理解しながら、どの分野(中古なのか新築なのか、一棟なのか戸建てなのか、など)、どのエリアに参入するのかを見極めることが重要です。

私の弱みは、サラリーマンのような安定収入がなくなってしまったこと、再生系はあまり得意ではないこと。中古一棟マンションから始めているので多少のリフォーム・修繕の実績はありますが、最低限のものだと思っています。

一方の強みは、不動産参入時期の早さもあり、売却等による潤沢な流動資産を有していること。法人はようやく3期決算を迎えたという状況です。

このような市場機会と私の状況を踏まえて、今年を一つの勝負時期と決めました。ということで、6月くらいから本気モードに入ってきたのですが、直近で気になる物件が出てきました。その際に複数の金融機関に直接ヒアリングしたので、今日はその情報を中心にシェアしようと思います。

<物件情報>

構造:新築木造

立地:池袋駅徒歩12分、椎名町駅徒歩8分、旗竿地

価格:土地1億500万円(坪単価140万円)、建物約8500万円

利回り:8~9%になるか?

「どうやって物件を探すのか」と聞かれることが多いので、まずはこの物件をどう見つけたのかについてお伝えします。

今回は「日経新聞の折込チラシ」でした。このようなケースは初めてでしたが、物件の探し方に正解はないなと思った瞬間でもありました。物件探しは運の要素もかなりありますので、手広く情報を仕入れることが重要です

ということで、今回は日経新聞のチラシでご縁ができた業者に早速電話。思った以上に反応は薄いが、月末に中国人経営者が現地に来て、現金買いの可能性もありとのこと。

スピード勝負の要素もありそうなので、まずは以下のようなストーリーを考えました。

(1)既に取引がある金融機関で融資内諾をもらう

(2)並行して他金融機関にも融資を依頼

(3)(1)のローン内諾が出た時点でローン特約付きで売買契約

(4)契約~決済までの間に、最も良い条件の金融機関から融資を受ける

まず金融機関の新規開拓方法についてですが、 紹介(仲介業者or大家仲間)が効くなら、それを優先しています。紹介が効きそうもないなら、自宅or物件の近くの金融機関・支店を選んでいます。

アポの取り方は、物件概要や私の資産背景(借入・流動資産など)を簡単に説明したあと、それでも融資の可能性がありそうなら、面談するようにしています。アピールは、経歴書・個人/法人合わせたバランスシートを使って、いわば「真面目に生きてきたこと」をアピールしています。

では、今回打診した各金融機関の反応を紹介します。

(1)信金A:去年まで比較的イケイケの信用金庫

取引実績:あり

私の動き:「2週間程度で審査をしてほしい」「自己資金1割に抑えてくれれば、多少金利は高くなっても構わない」と依頼

結果:担当者の感触は「自己資金2割は必要」。結果的にも、「やはり自己資金2割必要だが、融資期間は伸ばすことはできる」

(2)地銀B:首都圏の大きめの地銀

取引実績:あり

私の動き:担当者がコロコロ変わり、2年で3人の担当替え。最新の担当者とはメールでしかやり取りできていなかったが、今回の物件の融資の感触を聞くために面接。「できるだけ頭金を少なくして、現行とほぼ同等条件(金利1.0%弱)で融資をしてほしい」と依頼

結果:担当者は「土地の積算評価がかなり高く、もしかしたら自己資金は1割程度で済むかもしれない」ということでしたが、結局は期待よりも融資が伸びず、自己資金は2割程度必要とのこと

(3)地銀C:首都圏以外の某地銀。新築の融資に積極的と言われている地銀

取引実績:なし

私の動き:電話でヒアリング

結果:サラリーマンで年収1000万円以上の人にしか融資をしていない(不動産賃貸業が中心の事業主には貸出しない)

→直接訪問する前に、電話だけでダメと分かって良かったです。自分の有限な時間をどうやってアウトプット最大化につなげるかを考えると移動時間もコストなので、電話で済むものは済ませたいところです。

(4)信金D:私の住まいの最寄り駅から1駅の信金。Aほどではないが、比較的融資に積極的

取引実績:なし

私の動き:電話でアポを取り、状況を説明。初めての取引なので、資料一式(個人確定申告3期。法人3期分。所有物件の返済予定表・謄本。自分で手作りしている個人・法人を合わせた連結バランスシート)持参

結果:最初の感触は、頭金2割が基本だが物件により1割でも融資してくれそう。しかも、初めての取引にも関わらず、支店内の方向性を1週間で出してくれるとのこと。しかし、最終的には残念ながら「頭金2割必要」。ただ、担当者の熱意から、今後の可能性を感じました!(直感です)

(5)メガバンクE

取引実績:なし

私の動き:私が通学しているビジネススクールのクラスメイト(メガバンクEの旧支店長)経由で、強いコネクションに期待して打診

結果:頭金2~3割必要。結局は積算評価が出やすい地方RCに融資が偏ってしまっているとのことで、都内木造はほとんど融資できない

→今まで、いくつかの支店で融資を打診していましたが、人当たりは今までの中で一番良かったです。何か対象物件が出てきたら、まずはこのご担当者に持ち込もうと思いました! コネだけではさすがにダメでした。

収穫はあった

今回の物件では、頭金1割の条件で融資を実行してくれる見込みの金融機関を開拓できず、購入は見送りました。ただ、物件購入に向けて動いたことで収穫もありました。

・サラリーマンリタイア後も頭金を入れれば物件を拡大できる見込みがたった(3期の法人決算書がとても綺麗な状態とは思えませんが、それでも頭金を出せば、ある一定規模の物件を拡大できる見込みがたった)

・既存の取引がある金融機関の融資方針が確認できた

・新規の信用金庫とのコネクション

特に信金Aについてです。原則は頭金2割と言われていましたが、少し前までは「1割でも大丈夫な物件はあるので、持ち込んできてください」と積極的でした。しかし、今回の物件はほとんど審査した感じもなく、2割必要という感じでした。頭金を2割も出せば、金利2%で借りている意味はなくなってしまうので、信金Aとの取引継続を考え直すきっかけになりました。

サラリーマン時代は時間がなく自分で金融機関を開拓できませんでしたが、自分で開拓してみると思わぬ発見がありますね。信金Dは、今まで話に聞いたことはありましたが、実際に行ってみると、もしかしたら信金Aよりも現時点では融資を出してくれそうな見込みです。

運は自分で引き寄せる

今回の物件を見つけたのは「運」の要素がありましたが、「運」も待っているだけでは訪れません。行動して自分で引き寄せにいっています。

物件に巡り合うために、取引がある仲介業者には、情報を待っているのではなく1カ月に1回は直接訪問しています。また、新規の仲介業者も月に1~2社ぐらい開拓し、金融機関も知人の紹介/自分で開拓などでコネクションを増やしています。

不動産は「物件」と「融資」の組み合わせなので、この組み合わせを最大化できることが理想です。というわけで、現在は買い急いでいるわけではありませんが、直近2~3カ月は物件探しにアンテナを張りながら、適切な物件を適切な金融機関に当てて、スピード感を持って物件を購入したいと思っています。

(溝口晴康)