前回に引き続き、シミュレーションの重要性を再考していく本連載。
今回は、不動産業者から提示されたシミュレーションをうのみにして失敗、あるいは直前で購入を回避したという5人の投資家を取材した。

「いま振り返ってみれば買うべきではなかった」という物件を、彼らはなぜ購入してしまったのか? 不動産会社がはじき出した数字をなぜ疑わなかったのか?投資初心者による失敗が繰り返される背景を、船井総研土地活用コンサルタントの川崎将太郎氏、投資家の石原博光氏の分析とともに紹介する。

シミュレーションの罠1:家賃相場の調査を怠った結果…

木造アパートを新築した葛西聡一さん(仮名)は、「周辺の家賃相場の調査が不十分だった」と悔やむ。不動産会社が提示してきたレントロールの数字は実は1年前の家賃で、現在の周辺相場とはかけ離れたものだった。

葛西さんは昨年、単身者向けの木造アパートを横浜市内に新築した。「建築会社が提示してきた想定レントロールの数字をうのみにしていた」という葛西さんは購入時、周辺相場などを自ら調べることはしなかったという。

建物の引き渡し後、建築会社の提示した数字通りの家賃で入居者を募集した。ところが、管理会社を選定しようと査定を頼むと、どの会社の見積もりも現状の募集家賃より1割ほど安い。そこでようやく、「想定家賃が高かったのではないか」と気付いた。

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