モニタリングする物件(クリックで拡大)

気になる物件に問い合せると、不動産会社からこのような資料が送られてくるだろう。そして実際に現地へ行って「買ってよい物件か」を見極めるのが通常だ。しかし、いざ物件に行ってみると、どこをどうチェックしてよいか迷う方も多いのではないだろうか。

そこで、ホームインスペクターの資格を持つ不動産投資家、内田陽一さんにご登場いただき、物件見学の様子をモニタリングさせてもらった。今回初見でチェックいただいたのは資料の物件、販売価格4950万円・利回り9%のRCマンションだ。

ベテラン投資家はどのように物件見学をしているのか、「覗き見」しているような感覚で映像をご覧いただきたい

 

※映像でご覧になりたい方は上記を
記事でご覧になりたい方は下記をご覧ください(同じ内容をまとめています)

物件資料チェック1:18~

【覗き見】内田さんの動き


レントロールを見る
(入居中の部屋・家賃を確認)

 

物件を確認する前に、レントロールに目を通した内田さん。「入居中の家賃が相場より高く設定されていないか事前に確認します。また、特に現地に行った時に『本当に入居しているか』を確認します」

外から窓を見た時にカーテンが付いていること、また電気メーターが回っていることが入居のサインとなるので現地で確認しよう。

室内チェック3:01~

【覗き見】内田さんの動き(チェック時間:20分)

室内を見渡す
(資料と現況の間取りが異ならないかを確認)

トイレやお風呂、窓や勝手口などの扉を開ける
(建具の建て付けが悪くないかを確認)

 キッチンとリビングを隔てる間仕切り壁を叩く
(間取り変更が可能かを確認)

クロスの状態を見る
(破れ・裂けがないか、雨染みがないかを確認)

クローゼットの中と、勝手口付近を見る
(カビが発生していないかを確認)

窓のサッシやカーテンレールを見る
(設備が破損していないかを確認)

キッチンの下の扉を開ける
(排水溝の隙間がパテで埋められているかを確認)

お風呂の天井にある点検口から配管を見る
(つなぎ目が外れていないかを確認)

トイレを見る
(便座や便器が割れていないかを確認)

クローゼットの大きさをメジャーで計測
(資料と現況の大きさが異ならないかを確認)
※物件資料に寸法が記載されている場合のみ

部屋の各所に水平器を置く
(建物が傾いていないかを確認)

全ての建具や扉を閉める
(退室の準備)

 

「建物そのものが傾いていたらその時点でアウト」と言い切る内田さん。あらゆる方法で確認するという。

「一つは『建具の建て付け』。もう一つは『クロスの破れ・裂け』です。大きな地震が発生した時などに、壁の下地材の継ぎ目やそこから窓枠に対して垂直または水平に、クロスが裂けてしまうことがあります。それは問題ありません。それ以外、通常裂けない部分に見られる不自然な破れは、構造上問題がある可能性があるので注意が必要です」

クロスの破れ・裂けについて、青は問題ないが赤は問題あり。下地材は窓枠の隅の部分に継ぎ目がくるため、そこで確認する

床に水平器を置いて直接的に確認する方法もあるが、その時の注意点についてこう語る。「一箇所ではなく、必ず部屋の各所に水平器を置き、傾きを確認しましょう。一箇所だけ傾いている場合は、床材や下地が腐っていたり折れていたりする可能性があり、そこだけ修繕すれば済みます。しかし、複数の箇所で一定方向に傾いている場合、建物そのものが傾いている可能性があります」

あとは設備(窓のサッシやカーテンレール、便器、洗濯機用防水パンなど)が破損していないかを入念にチェックし、「問題があれば不動産会社に伝える」という。できれば指値交渉の材料にするが、「そこも含めて値段設定していると言われたら諦めるしかないですけどね」。

外観チェック11:35~

【覗き見】内田さんの動き(チェック時間:9分)

  地下駐車場の壁のコンクリートを見る
 (クラックがないかを確認)

外階段から外壁を見る
(外壁のタイルにクラックがないかを確認)

外階段の手すりを触る
(手すりが破損していないかを確認)

外階段で外壁を触る
(外壁の塗装がチョーキングしないかを確認)

2階の共用廊下を見る
(電気メーターが回っている部屋はどこか、排水溝に向けて勾配がとられているか、床の表面にクラックがないかを確認)

1階の共用廊下を見る
(上記と同様)

建物の周辺、基礎を見る
(境界標があるかを確認、床下に通気口があるかを確認)

軒天井、ベランダの底部を見る
(目立った雨染みがないかを確認)

雨どいを見る
(縦どい・横どいが外れていないかを確認)

 

建物の基礎でよく見ていたのはクラック(ひび割れ)だ。「コンクリートやタイルのクラックは、幅が0.5mm以上あると危険です。外壁の下地や基礎の鉄筋まで達している場合は補修が必要となり、多額な費用が掛かる。収益で見合わなければ、購入しないことが賢明でしょう」

また、雨染みがないかを気にしていたのは「躯体に影響があるから」。「例えば、ベランダの外部に雨染みがある場合、手すりなどから侵入した雨水が内部を伝って、ベランダの劣化が進んでいる可能性があります。すでに鉄筋が劣化していたらNGですね」

建物の基礎や躯体に問題があると、取り返しが付かない。現地でしか確認できない項目なので漏れなく確認し、冷静に購入の判断をしてほしい。

物件見学でチェックするポイントをご理解いただけただろうか。また、あなたは同じ箇所をチェックできていただろうか。

他の不動産投資家がどのように物件見学をしているのか、見る機会はなかなかないだろう。「覗き見」を楽しみつつ、ご自身の物件購入の糧にしてほしい。

※本物件情報は一部編集しています。
※物件所有者に許可を得て撮影しています。

もう一度「覗き見」してみる