初めての収益物件購入を、「融資獲得アドバイザー」の安藤新之助さんが徹底的にサポートしていくこの企画。「安藤さんに背中を押してほしい」と応募があった人たちの中から、安藤さんからのサポートを受ける幸運な1人が決まりました。

選ばれたのは、三重県在住の中村圭哉さん(仮名・36歳)。今年6月から不動産投資の勉強を始め、地元の金融機関3行に物件を持ち込みましたが、すべてお断りされたとのこと。現在、別の物件で再チャレンジを予定しています。

今回は、「どうすれば融資を受けられるのか」と悩む中村さんに、安藤さんが金融機関の選び方やアポの取り方などについてアドバイスを送ります。

<中村さんの属性>

名前

中村圭哉さん(仮名・36歳)

居住地

三重県

職業

会社員(東証一部上場メーカー)

勤続年数

11年

年収

770万円

自己資金

1500万円

購入を検討している物件>

所在地

愛知県

物件種別

一棟RCマンション(築22年)

間取り

3LDK×8

物件価格

9800万円

利回り

8.73%

扶養家族

妻(33歳・パート)、子ども(2歳、0歳)

3行に断られて

安藤
不動産投資を始めようと思ったきっかけは何だったんですか?

中村
それまでも株式投資などの経験はあったんですが、もっと確度の高い投資をしたいと思っていて、不動産に行きつきました。スルガ銀行の問題などもあり、これから値下がりするかもという情報を聞いたことも大きいです。6月ごろから不動産投資の勉強を始めて、今は良い物件を掴もうと動いているところです。

安藤
私はたくさんの銀行員の方とお付き合いがありますが、銀行員目線で見たとして、年齢的にはちょうどいいと思います。しっかりした企業に長く勤めていて、安心感がある。小さいお子様もいるので、将来を見据えて始めようとしているんだろう、ということが伝わってきます。

中村
まず自分がどれぐらい融資を受けられるか確認しようと思って、11月ごろに今回とは別の物件を地元の地銀と信金の計3行に打診してみたんです。

安藤
いいですね。買いたいと思っている物件を持ち込んで、自分がどれだけの融資が受けられそうか知ることはとても重要です。その物件が買えなくても、内諾を取れればそれが実績になるので、近い条件の物件が出たらすぐに持ち込めますよね。その与信を不動産会社にアピールすれば、物件を優先的に紹介してくれるようにもなります。

中村
持ち込んだのは三重県の築20年の鉄骨アパートで、価格は6480万円、満室時利回りは13.9%です。

安藤
話を聞く限りは良さそうな物件ですが、結果はどうだったんですか?

中村
3行とも良いお返事はいただけませんでした。

打診結果

■地銀A
住宅ローンを借りている。電話でアポを取り、面談では担当者と上席の2人が対応。「検討します」と言われたが、その後電話でお断りされた。理由は「総合的な判断で」とのこと。

■地銀B
これまでに付き合いなし。面談のアポを取るために電話をしたが、その時点で厳しい感触だった。行くだけ行ったものの、スルガ銀行の問題があってから行内ルールが変わり、中古物件には融資しないという話。融資期間も25年を希望していたが、15年程度でないと無理と言われ、さらに頭金が2~3割必要とのことだった。

■信金C
これまでに付き合いなし。電話でアポを取って面談したが、残耐用年数が10年しかないことを理由に電話で断られた。


安藤
地銀Bは堅いことで有名なので仕方ないにしても、他の2行の回答は疑問ですね。特に地銀Aは支店長を含む2人が対応しているのでやる気がある証拠です。もしかすると、他に何か理由があるのかもしれません。

中村
どんな理由が考えられるんでしょうか?

安藤
三重の方はそれほど詳しくないんですが、利回り13%なのに評価されないということは、例えばエリアについてネガティブな情報があって、それを金融機関が知っているから良い返事が出ないのかもしれないと感じました。市場調査はしましたか?

中村
はい。市自体の人口は減少傾向ではあるんですが、この市の中では住宅が多くて活発なエリアです。駅からは20分ありますが、車社会なのでそれほど問題はないかと。目の前に大手自動車メーカーの工場があるので、法人契約も見込めると思っています。

安藤
イメージ的には悪くないですね。

中村
地銀Aには「総合的に判断した」と言われました…。

安藤
金融機関は本当の断り理由を言わないこともよくあります。「総合的に判断」と言われたら、属性や実績が原因となっている可能性もあります。金融機関としてのスタンス、支店としての方針など、いろいろな要因があって一概には言えませんが、同じ支店でも別の担当者なら融資が出るケースもあるので、再チャレンジする意味は大いにあります。

人脈の築き方

中村
良い担当者にはどうやって出会えばいいんですか?

安藤
やっぱり紹介が一番です。特に、実績のある不動産投資家や、工務店の社長さんなど経営者の方からの紹介だと強い。

中村
なかなかそういうツテはありません…。どうしたらいいんでしょう?

安藤
とりあえずいろいろなセミナーに参加して、まずは隣の人から仲良くなって、たどっていくこともできます。私はセミナーの後の懇親会でたくさん人脈を稼ぎましたよ。

中村
まずはそういう場に出ていくことが大事なんですね。

安藤
紹介の威力ってすごいんですよ。ある時、懇意にしている不動産会社の社長から「この人に融資つけたいんだけどなんとかならない?」と言われて、私は会ったこともない人だったんですが、一応付き合いのある信金に紹介してみたんです。そしたら、物件も居住地もエリア外だったのに、フルローンで融資がついたんです。あの時は本当に驚きました。

中村
実績がある方からの紹介は無下にできないんですね。私も頑張れば人脈作れるかな…。

安藤
もう一ついいことを教えましょう。生命保険には入ってませんか? 生命保険会社の株主構成を見てみると、○○生命の株主が△△銀行とか書いてあるんです。そしたら、その生命保険会社の担当者を呼んで、うまくつないでもらうんです。私は5つ保険に入っていますよ。

中村
そんな方法があるとは…。会社に生保の営業の方がよく来られるんですが、いつも無視していました。

安藤
無視しちゃダメです、大チャンス! 特に、ベテランの女性外交員が狙い目です。生保のヒエラルキーの中で支社長は雲の上の存在なんですが、やり手の外交員は数字を稼いでいるので支社長にもガンガン言えますから。

中村
どうやってそういう方と関係を作ればいいんでしょう?

安藤
もし若い新人さんのようなスタッフが来たら、「事業としての節税スキームを視野に入れ末永く付き合っていきたいので、法人向けの保険に詳しい方を紹介してください」と言います。私は1棟目を買った後ぐらいからこの作戦をして、それで広げていっています。今日明日で結果が出る関係を求めるんじゃなくて、2、3年にわたって地道に良い関係を築いていくという気持ちが大切です。

どの金融機関に当たるべき?

中村
今回の物件は愛知県です。私は三重在住で勤務地が愛知なんですが、どの金融機関に行けばいいんでしょうか?

安藤
勤務先が愛知なので愛知の金融機関も使えますが、まずは三重県に拠点があって支店が愛知にある金融機関ですね。そういう意味では地銀Aも地銀Bも有力候補で、あとは名古屋に進出している信金。それと、物件エリアに支店長が積極的なメガバンクの支店があるので、そこに行きましょう。

中村
今回は融資を受けられるかな…。三重の物件で3行に断られたのは、自分の属性に原因があった可能性もあるんでしょうか?

安藤
どの銀行も、中村さんの年収と自己資金なら土俵に乗ると思います。断られた地銀Aと地銀Bには「今回はいい案件です」「こういういいところがあります」と説明しましょう。前の担当者と違う人と話したいので、代表電話にかけたほうがいいですね。真昼間だと渉外担当の方は外に出ていて、役職のある人と話せる可能性も高いんです。

中村
メガバンクの方はどうやってアプローチすればいいんですか?

安藤
できれば誰かの紹介がほしいですね。どういう経緯でその銀行に来たかが重要です。ちなみに「他の投資家から、御行が不動産融資に積極的と聞いたので」というのは絶対にNGワード。銀行は自分たちの審査がすごく厳しいと考えているので、そういったことを言われるとプライドが傷つきます。実は私も一度「ある不動産会社さんから積極的と聞きまして…」と対面で言ってしまったことがあったんですが、一瞬にして場の空気が凍りましたよ…。

中村
安藤さんに言われなければ、NGワードを言ってしまうところでした。あとはツテをどう探すか…。

安藤
どうしても紹介が難しければ、その銀行のセミナーに参加してみるなどしてきっかけを作る。物件は持ってなくてもいいんです、将来持つので。銀行もセミナーを開く以上は集客しないといけなくて、1人でも多い方がいい。参加してくれたお客さんは邪険にされることはないし、「なぜ当行に?」と聞かれて、「以前セミナーに参加して」と言えば感謝されると思います。

他にもできることはある

中村
他の地銀や信金だったらどこを攻めればいいですか?

安藤
信金は預金残高がなるべく大きなところがいいですね。愛知県では1兆円を超える信金が多いので狙い目です。資金力がある信金の方が、好条件で貸してもらえる可能性が高いからです。信金は入口は厳しいんですが、信頼関係を作って実績ができれば、銀行に比べて融資方針が市況に左右されにくいので心強い。ツテがなければセミナーや「信金フェア」などできっかけを作ります。「この人とお付き合いしたい」と思ってもらうためにはどうしたらいいかと、常にアンテナを張っておくことが重要です。

中村
信金フェアの今年の開催は終わってしまったようなので、来年は参加します! 他にできることはありますか?

安藤
中村さん、メガバンクに預金を預けていらっしゃいますよね? この預金の一部を、打診する予定の信金などに普通預金か定期預金として入れましょう。彼らは通帳を作る目標もあるので、付き合いたいという意思表示をするには、やはり預金を入れることです。普通預金であっても、1年預けておくと評価はしてくれます。

中村
できることはいろいろあるんですね。

安藤
支店選びに関しては、複数の支店を取りまとめる「母店」が狙い目で、これは金融機関に聞けば教えてくれます。あとは、地元新聞で異動情報をチェックするのも有効です。支店長や次長が新しく赴任した支店は、数字を作らないといけないのでやる気があります。もし、その支店長がやり手という噂を掴んでいたりしたらなおさらです。

中村
ありがとうございます。やることが見えてきました。1カ月後、良い報告ができるよう頑張ります!

融資のポイント3箇条

1.融資を一度断られてもアプローチを続けるべし
他の支店や担当で融資を受けられることもある。

2.とにかくツテを探すべし
不動産投資のセミナーや懇親会に参加して隣の人と仲良くなる。生命保険の営業の方に紹介してもらう。銀行のセミナーに参加する。

3.「狙い目の金融機関」にアプローチすべし
複数の支店を取りまとめる母店(金融機関に聞けば教えてくれる)。支店長や次長が新しく赴任した支店(地元新聞で異動情報をチェック)。預金残高が大きい信金。1兆円以上の信金が狙い目。

中村さんのアクションプラン

・地銀A、地銀B、信金Cに再アプローチする

・とにかく数を当たる

・上記を行いながら長期的な施策を行う(銀行セミナーへの参加、生命保険の営業担当に紹介してもらう)

中村さんの行動の様子は、今後も記事で紹介していきます。読者の皆さまも「1棟目の融資で意識したこと」「金融機関とのツテの作り方」など、ぜひアドバイスをお願いします。

(楽待新聞編集部)

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