PHOTO: iStock.com/erhui1979

不動産業界を揺るがす大きなニュースが次々に起きた2018年。楽待新聞でも昨年末に「2018年の不動産10大ニュース」として1年を振り返りました。

2019年は、いったいどんな年になるのでしょうか。今回は不動産投資家として、また実践大家コラムニストとして活躍中の8名にインタビューを実施。「融資」と「物件価格」の2つの観点から予測していただきました。

<インタビュー協力者(五十音順)>

アンダーズさん
元銀行員。東海地方で2棟の物件を所有する不動産投資家。金融業界の経験から手堅い不動産投資を実践中。

かっちんさん
愛知在住のサラリーマン大家。愛知と岐阜で7棟76室を所有し、サラリーマンと大家業を両立中。区分、マンション、アパート、複合ビルなど幅広いジャンルの物件を所有。

強制脱サラ大家さん
東京、埼玉、札幌、福岡、大阪と全国に物件を所有する専業大家。サラリーマン時代に購入した物件を中心に活動中。自らDIYも率先して行っている。

埼玉サラリーマン大家さん
都内を中心に不動産投資を展開するサラリーマン大家。繰り上げ返済をコツコツ行い、現在は7棟を無借金で運営中。年間家賃収入は2000万円超。

将棋大家さん
本業である医師の傍ら、2012年より不動産投資を開始。所有物件は区分を含む49室、総投資額は3億800万円、年間家賃収入は3000万円。

地主の婿養子大家さん
投資歴13年で総投資額24億円。一棟マンション、一棟アパート、戸建など220戸を所有し、稼働率は98%を維持している。年間家賃収入は2億円。

新米大家さん
某地方銀行に23年間勤務した元銀行員。転職と同時に不動産投資を開始し、不動産投資歴は3年。さまざまなジャンルの物件を所有し、太陽光発電投資にも挑戦している。

脇太さん
2012年から不動産投資を開始。3年半で6棟を取得し、現在は8棟の物件を所有。年間家賃収入は4100万円。

2019年の「融資」はどうなる?

コラムニスト8人に「2019年の融資はどうなると予想しますか?」と取材したところ、「一部の金融機関では緩くなる」との回答もありましたが、初心者には厳しい1年になるとの予測も。みなさんは、どのような状況になると予想しますか?


アンダーズさん

金融機関によっては緩くなると思います。しかし、昨年と同様にサラリーマン大家さんが初めて不動産融資を受ける場合、厳しい状況になるのではないでしょうか。 逆に言えば、すでにある程度の実績がある方は、追加融資を受けやすくなると思います。これから不動産投資を開始したい方は、戸建や区分から開始することが賢明な判断だと思います。

かっちんさん

全体的には昨年と同程度の厳しさだと思いますが、一部の金融機関で緩くなるところが出てくると思います。銀行はお金を貸し出さなければ利益を上げられないので、資金力や地域性、顧客次第ですが、一部の金融機関の蛇口は緩くなるのではないでしょうか。 投資家としてはそのような金融機関をいかにして見つけていけるかがポイントだと思います。

強制脱サラ大家さん

全体としては、やや厳しくなると考えています。自己資金や属性、所有資産、実績などの好材料が少ない人は、フルローンや高額融資を受けづらくなるのではないかと思います。ただ、逆にそのような好材料を持っている方への融資は積極的に行われるのではないでしょうか。

muko

埼玉サラリーマン大家さん

2018年からの流れで全体的に厳しい状況が続くと思います。ただ、個別での対応は異なるのではないかと考えています。実績のある投資家には、変わらず融資をするスタンスの金融機関も多いです。また、これをチャンスだと捉えて積極的になる金融機関もあるのではないでしょうか。これまでの実績があり債務超過でない場合は、融資を受けることに問題はない と考えています。

将棋大家さん

2019年を通して現状維持ではないかと思います。少し緩くなることもあると思いますが、ここ数年ほどではないと予測しています。

 

地主の婿養子大家さん

2019年はスポット的には蛇口を緩める金融機関もあると予想します。ポイントは、不動産融資の割合です。不動産融資の割合が融資金額の30%を超えると金融庁からお咎めを受けるリスクが高くなります。そのため、融資を受ける前に対象の金融機関に不動産融資の余裕があるかどうかを見極めたいところです。ただ、全体としては、融資情勢の厳しい1年になるのではないでしょうか。

新米大家さん

新規に不動産投資に参入する方にとっては厳しい1年になるのではないかと思います。プロパー融資については昨年同様、厳しくなると思います。ただ、パッケージ型の不動産ローンについては、一定の条件を満たすことができれば、新規の方でも融資を受けることができるのではないかと思います。

脇太さん

現状維持ではないかと思います。過去、銀行が一部の業界で融資を厳しくするということがありましたが、融資の蛇口を緩めるといったケースはないためです。

2019年の「物件価格」はどうなる?

高止まりの状況が続いている物件価格ですが、「物件価格は下がる」という意見もありました。一方で、「オリンピックを1年後に控えているため高めの価格になる」といった意見もありました。あなたは、どのように予想しますか?


アンダーズさん

市場に出回る収益物件が増えるので、物件価格は下がると思います。また、企業が持っている収益物件を売却する動きもあります。今後も、企業の利益確定のため売却する会社が増えていくのではないかと思っています。

かっちんさん

2020年のオリンピックに伴う好景気の期待が大きいだけに、強気の値付けが続くと思います。基本的には、高めの価格で推移すると思います。ただし、値付けには個別の事情があるので、価格を抑えてでも早く売りたいという売主はいます。今年こそ物件を購入したいという方は、そこを狙っていくとよいのではないでしょうか?

強制脱サラ大家さん

大きな融資が組めないため、高額物件は購入できる人が減少するのではないかと思います。そのため、高額物件の価格は下落するのではないでしょうか。その中でも、5000万円程度の一棟もの物件は、融資を受けられる可能性があるので、価格は現状維持だと思います。また、低価格の物件は投資家同士で取り合いになる可能性があり、売主も価格を強気で設定するため価格は上昇すると予想しています。

muko

埼玉サラリーマン大家さん

まだまだ全体的には、高止まりが続いていると思います。個人的には、期待も含めて少し下がるのではないかと待っている状況です。しかし、株価が大幅に下がるまでは現状維持だと思います。何かインパクトのある出来事が起きない限り、高止まりの状態が続くと推測しています。

将棋大家さん

築年数が経過している物件や立地が悪い物件などは、引き続き融資が付きづらいので、価格は下がり続けると思います。

 

地主の婿養子大家さん

エリアと物件種別によっては、すでに大幅に価格が下がってきているように思います。ただ、2019年は世界的に大きな経済ショックがない限り、物件価格の大きな下落はないと推測しています。投資家としては、根気強く物件情報に触れておくことが、お買い得物件を購入するうえで重要になると思います。

新米大家さん

「好立地」「高利益」「資産性」を備えた物件は、持っていてもオーナーが損をすることはないので、今のような市況でもなかなか売りに出されることはないでしょう。売りに出されたとしても高額で競争が激しい物件となります。不動産投資へ新規に参入する方にとっても、既存の投資家にとっても「目利き力」が試される年になるのではないでしょうか。

脇太さん

法定耐用年数を超える物件と、スルガ銀行がメインとなっていた物件は価格が下がっていくのではないかと考えています。また、地方の物件はさらに値下げしていくのではないかと思います。

「消費税増税」に「米中貿易戦争」…こんな意見も

「気になる出来事はほかにありますか?」と聞いたところ、「海外の情勢にも注目しておくべきだ」といった意見もありました。2019年10月に予定されている「消費税増税」も気になるところですが、コラムニストはどのような点を気にしているのでしょうか?


かっちんさん

昨年の不動産投資業界を揺るがせた「スルガショック」や「かぼちゃの馬車」、「レオパレスの界壁問題」などの影響により、「やっぱり不動産投資は怖い」と考える人が増えたのではないかと考えています。しかし、ここ10年ぐらいの不動産投資ブームで多くの人が物件を購入しているので、2019年も引き続き、買い増し需要は強いと思います。

muko

埼玉サラリーマン大家さん

米中貿易戦争の影響によって、2019年の不動産投資は大きく変わるのではないでしょうか。 中国経済が崩れると、中国が日本の不動産から撤退する可能性も否定できません。そうなると、中国人が日本の不動産を購入する量も減ります。2019年は、外国人投資家の動向にも注目しておくとよいのではないでしょうか。

将棋大家さん

2019年は、都心と地方の二極化が鮮明になるのではないかと考えています。地方はこれまで以上に「立地」が重視され、立地によっては融資がつかない場合もあると思います。そのため、不動産事業の実績や信用がある人が勝ち残っていくのではないでしょうか。また、不動産投資は外部要因による影響も大きいので、アメリカや中国、北朝鮮の動きにも注目しておきたいところです。

地主の婿養子大家さん

2019年は、世界的な経済ショックでも起きない限り、一般の投資家が不動産投資市場の下落を肌で感じることはないのではないかと思います。世界情勢に振り回されるよりも、目の前の儲かる物件を購入するために努力をすることの方が大切だと思います。私は今年も1~2件の物件を購入するつもりで地道な努力を積み重ねたいと思います。

脇太さん

2019年10月に消費税増税が予定されているので、株の動きにも警戒しています。消費税増税に加えて世界的な経済ショックが起きると、日本の株価が大きく下がる可能性もあります。これにより、物件価格の下落や融資体制の変化などが起きることも考えられるので、不動産だけでなく、株価にも注目しておきたいところです。

いかがでしたか?

楽待新聞でも先日の記事でお伝えした通り、東京オリンピックを1年後に控えた今年は、新元号のスタートや消費税の増税など、多くのイベントが予定されています。

皆さんの予想もぜひコメント欄で教えてください。

(楽待新聞編集部)

編集部記事の更新は、楽待公式LINE@でお知らせ中! お友だち登録はこちらから