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「スルガショック」以降、金融機関による融資の引き締めが非常に厳しくなり、また、日本経済の先行きにも不透明感が否めない中、物件価格はこの先どのように動くのだろうか。

楽待編集部では、読者アンケート調査を実施。その結果を報告する。

※実施概要
調査時期:2019年2月6~11日
有効回答数:129

物件価格はどう動く? 投資家の予測は…

設問「この先、物件価格は下がると思いますか? 今後の物件価格の動きについて、いつ、どのように上下するか、理由とともに教えてください」に対して、「下がる」としたのは53%。過半数を超える不動産投資家が、物件価格はこの先下がっていくと予想した。

他方、「上がる」と答えたのはわずか2%で、「横ばい」と回答したのは17%。「エリアによって異なる」など、「その他」が28%だった。

それでは、いつ、どのように下がると推測しているのか? その他の意見を答えた不動産投資家は、どのように考えているのか? それぞれの内容を紹介しよう。

「下がる」派は「融資引き締めが影響」と分析

「金融機関が以前ほど積極的でない今、融資を付けられる金額が低くなり、成約価格は確実に下がっていくと思います」(京都府・30代 男性)

「地方都市では軒並み地価の下落が起きている。さらに融資が引き締められ、借りられる人が限られている。こうした状況で、物件価格は下がると思います」(熊本県・50代 男性)

多数を占めた「下がる」派だが、その原因として最も多く挙げられた意見は「金融機関による融資の引き締め」。借りられる人や金額が限定されていくことで、物件価格に影響が出るという。

下降の時期としては「オリンピック前後」という意見がやはり目立ち、消費増税もあいまって、同時期に景気の後退も始まるのではないか、との見立てだ。

そのほかにも、人口減少のさらなる進行、相続物件の大量放出などによる空き家増、今後の地価下落といったことも原因として挙げられていた。

「横ばい」派は「今の傾向は変わらない」と冷めた目

「現在、売り手も価格設定は強気。この傾向は変わらないと思う」(愛知県・50代 男性)

「今後30年ほど、価格はさほど変動しないと思います」(京都府・50代 男性)

「物件価格は高止まりしている」と言われて久しいが、今後もその傾向が続くと見ている「横ばい」派。

「融資が厳しくなったので下がるのを期待しているが、現状でもあまり変わっていない」(東京都・40代 男性)と体感している人もいた。

「その他」派は「二極化」を指摘

「上がる地域と下がる地域の差が大きくなる」(山梨県・40代 男性)

「職人が少なくなるので、新築は施工費も含めて上がり、中古住宅は下がるのでは」(神奈川県・40代 男性)

その他の意見で最も多かったのは、「二極化がはっきりする」という意見だ。つまり、「いい物件やエリアは物件価格が高騰し、そうでなければ下落する」ということである。都心部や東京23区以外が下がる、と多くの不動産投資家は推測している。

人口減少に伴う都心回帰や一極集中、地方都市の衰退は、今後の不動産投資市況にも大きく影響を与えそうだ。

 「上がる」派は「ブーム続く」と見る

「物件価格は上がる。首都圏で言えば、千葉・埼玉など、購入しやすく通勤の便が良い場所の人気が高い」(千葉・50代 女性)

「ブームが過熱している。価格は上昇傾向だと思う」(東京・40代 男性)

「上がる」と回答した人は、昨今の不動産投資ブームはまだまだ堅調で、その影響もあり物件価格がさらに高騰すると見ているようだ。

「上がる」と見ている人は少数だが、現在、物件価格の上昇は数値として表れている部分も。「楽待」による2018年10月~12月の投資用不動産市場調査では、一棟アパート、一棟マンション、区分マンションのすべてで、前四半期より物件価格は上昇していた。

また、「その他」の意見でも紹介したように、エリアによっては今後も物件価格が上がると見ている投資家も多い。自身が物件を所有する、あるいは狙っているエリアの市況について、情報感度を高めておくことが重要となる。

多くの不動産投資家が「全体的に物件価格が下がる」と見ているものの、期待通りにいくとは限らない。実際にはどう動くのか。オリンピックをはじめとした大きな出来事が控える中、今後も「楽待新聞」では慎重に市況を分析していく。

(楽待新聞編集部)