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3月も上旬になり、賃貸の客付けも繁忙期の真っ只中。空室を抱えているオーナーにとっては、今はまさに大切な時期だといえる。そこで、今回は投資家約100人にアンケートをとり「これまでで、いちばん効果があった空室対策」を聞いてみた。

※実施概要
調査時期:2019年2月6~11日
有効回答数:123

空室対策として最も選ばれたのは…

最も多かったのは「広告費(AD)を増やす」、次いで「家賃を下げる」が多数の票を獲得した。「ADを1カ月つけたら、半年ほど空室だった部屋が約1週間で成約した(30代男性/東京都)」、「強気の家賃設定をしていたが、家賃を下げたらすぐに入居が決まった(30代男性/埼玉県)」など、空室対策としての効果と即効性を感じている声が多かった。

しかし、いずれの対策も収支にマイナスの影響を与えてしまうもの。空室が出るたびに多額の広告費を出せばその分コストはかかり、むやみやたらに家賃を下げれば周辺の賃料相場を崩壊させるおそれもある。適正家賃を意識する必要はあるものの、家賃が下がれば入居者層も変わる可能性があるため、安易に判断するのは危険だ。

それでは、他にどんな方法で客付けを成功させている人がいるのか? その他の回答を紹介していく。

「入居者ニーズ」を読み、約1年続いた空室を解消

家賃、立地、設備…何かが入居者の希望と合致しなければ、その物件は選ばれない。エリアによっては競合物件が増えていく中、自身の物件に「何があればよいか」を考えていく必要がある。ここでは所有物件に「プラスα」をして、空室を埋めたオーナーの声を紹介する。

 ・収納が少ない物件だったため、ダイニングキッチンと洗面台に収納棚を設置したところ、入居が決まった(40代男性/宮城県)

・冬になるとスタッドレスタイヤが必要なエリアのため、タイヤを収納できる倉庫を設置。すると、1年間空いていた2部屋が埋まった(50代男性/栃木県)

・ゴルフコンペでもらった空気清浄器を「入居特典」として室内に置いておいたら、すぐに入居が決まった(30代男性/群馬県)

設備更新をするとそれ相応の費用はかかるが、入居者満足に繋がれば長期入居者になるかもしれない。ただし競合物件がそれ以上の設備を持つ物件であれば、意味をなさないこともある。入居者のターゲットやニーズ、競合物件を調査し、慎重に進めていきたいところだ。

管理会社を変更、途端に空室が埋まった事例も

「所有物件を管理会社に任せているが、実際はどのように管理しているかよくわからない」ということはないだろうか。 管理会社もさまざまだが、同じ管理会社でも担当者によってサポート度合いが異なることもある。ここでは、管理会社の変更が功を奏したオーナーの声を見ていこう。

・管理会社の担当が転勤になった途端、空室が全く埋まらなくなりました。そこで、以前より管理交代の営業を受けていた会社に変更したところ、賃料を落とさずに一気に4部屋埋まりました(40代男性/福岡県)

・熊本地震の「みなし仮設住宅」として満室だったアパートをもっていたが、復興が進むうちにどんどん退去者が出ました。そこで、アパートのご近所にある不動産屋に管理を変更した途端、次々と入居が決まり、現在は満室に。それまでは大手の業者に依頼していましたが、地元の業者は独自の情報網があり、フットワークも身軽で頼りになります(40代男性/熊本県)

・築古でフルリフォームしても半年間埋まらなかったアパート1室が、地元で力のある管理会社に変え、募集条件を下げたことで入居者が決まった(40代男性/宮城県)

賃貸経営にかけられる時間が限られているサラリーマン大家であれば、管理会社に委託をしていることも多いだろう。しかし、管理会社も規模や得意分野はさまざま。空室期間が長引く、空室の数が増えてきた…なんて人は、そろそろ管理会社の変更を検討するタイミングかもしれない。

「この人の物件を紹介しよう」と思ってもらうために

賃貸仲介会社に所有物件の売り込みをする以前に、「オーナーである自分自身をPRすることが大事」と考え、行動しているオーナーもいる。回答の一部を紹介しよう。

・空室対策というのは特にありません。きれいな部屋を適正家賃で提供し、きれいな部屋を提供する大家だということを、仲介会社に覚えていただくようにしています(50代男性/長野県)

・客付け会社に、コンテナいっぱいの掘りたてのタケノコをプレゼントしました。これで私のことを覚えてもらい、良いお客さんを紹介してくれました(50代男性/岡山県)

仲介会社もビジネスではあるが、人間が物件を紹介する以上、感情は多少なりとも介入する。「この人の物件を紹介したい」と思われることは、空室対策に繋がるかもしれない。

自ら行動し、空室を埋めていくオーナーたち

信頼できる管理会社がいても、自分の物件だけを客付けするわけではない。「ならば自ら行動しよう」と一念発起し、見事成功したオーナーは以下のような回答だった。

・半年以上空いていた2室のうち、1室に家具を置いてホームステージングをしたところ、2カ月ほどで2室とも申し込みが入った(40代男性/神奈川県)

・仲介会社に客付け募集をお願いしつつ、自分でも動いて友人知人に声がけして自分で客付けするのが1番早かったです(40代男性/大阪府)

・空室期間が長かったので、ホームステージングをしたところ、2週間で入居が決まった(30代男性/京都府)

小物などを使用し、空間を演出する「ホームステージング」を取り入れるオーナーの声が目立った。また、webサービスが多様化したことにより、所有物件のPRを自ら行い、入居を決めるオーナーも現れだした。中には「物件広告に、目を引くような魅力的なコメントを入れる(50代男性/東京都)」と、募集広告の文面まで追求する人も。

エリアにもよるが、現在は人口が減っていく中、物件は増えている状況。主体的に動き、新しいものにも取り組む姿勢が必要になってくるかもしれない。

気を付けていただきたいのは、紹介した事例をそのまま応用しても成功するとは限らないということだ。入居者のターゲットや物件のエリア、競合物件の募集条件など、複数の要素を鑑みて、空室対策の「最適解」を考えていくことが重要である。

(楽待新聞編集部)

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