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人口の減少が進む昨今、投資家にとっては、入居者の需要が見込めるエリアを見極めることもますます重要になっている。世の不動産投資家達は、今後の投資対象としてどのようなエリアを狙っているのだろうか。編集部が実施したアンケートの回答結果からその一部を紹介したい。

※実施概要
調査時期:2019年2月6~11日
有効回答数:123

関東で投資家が注目するエリアは?

まずは関東近郊エリアから。今回のアンケートで特に多かった、鉄道の延伸や駅前の開発・整備を背景とした回答から一部を紹介する。


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横浜市青葉区エリアです。横浜市営地下鉄ブルーラインが延伸(あざみ野駅~新百合ヶ丘駅間、2030年開業予定)を予定しているので、これから注目を集めていくと思います(神奈川県・48歳男性)

・相鉄線の沿線エリア、保土ケ谷区や旭区です。相鉄線は今年から2022年にかけて、東急東横線、JR線と直通運転が開始される予定で、都心への通勤がぐっと便利になります。注目度が高いエリアだと思います(東京都・50歳女性)

江東区の東陽や千石、猿江、住吉付近です。現在、東京メトロ有楽町線には豊洲駅~住吉駅までの延伸構想があり、計画が実現すればこうしたエリアの入居需要が高まるのではないかと思います(東京都・38歳男性)

西武新宿線の中井駅~野方駅間は現在、地下化工事が進められています。地下化によって踏切の数が減り渋滞が解消されると住みやすさも向上し、周辺の入居需要も高まるのではないかと見ています(東京都・57歳男性)

・小田急線は複々線化と地下化工事が完了し、従来の線路部分が緑道になりました。こうした住環境の向上で沿線周辺のアパート、マンションは引き続き安定した賃貸需要が見込めると思います。エリアとしては参宮橋~代々木上原~下北沢~経堂あたりまでの物件が面白いと思います(岩手県・59歳男性)

また鉄道のほか、有料道路や高速道路の整備を理由に挙げた以下のような回答も見られた。

千葉県の船橋周辺です。このエリアは昨年、外環道の「三郷南インターチェンジ~高野ジャンクション」間の開通などで流通の利便性が向上し、新たに倉庫、倉庫作業員の需要が活発になってきている印象です。湾岸寄りの習志野から市川市周辺にかけ、入居需要が見込めそうだと感じます(千葉県・58歳男性)

茨城県ひたちなか市です。2011年に北関東自動車道が全線開通したことをきっかけに、終点であるひたちなか市に企業の進出が増えていると感じるためです(茨城県・61歳男性)

続いては、周辺施設や都市環境の整備が進んでいるといった理由で挙げられた回答を紹介しよう。


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江東区の晴海近傍エリアに注目しています。東京オリンピック開催に伴う大規模な住宅開発によって居住環境が改善されており、今後入居者が増えれば地域のブランドイメージも向上すると思われるからです(千葉県・60歳男性)

東京都足立区です。北千住駅周辺では大学の誘致に成功しており、区画整理なども実施されました。昔ながらのイメージが払拭されて人気のある街になりつつあります(東京都・38歳男性)

JR中央線の荻窪エリアです。徒歩圏内に善福寺公園があり、住環境が良く賃料相場がアップダウンせず安定している。なおかつ、善福寺公園付近は「知る人ぞ知る超高級レジ地帯」なので、その波及効果を荻窪は十二分に吸収しています(神奈川県・60歳男性)

東京都の東大和市です。中古物件の価格のばらつきが大きく、掘り出し物が発見しやすいと感じます。私自身、多摩モノレールの桜街道駅徒歩圏内で利回り12%を超えるファミリータイプの区分マンションに買い付けを入れましたが、現金での購入者に押さえられてしまった経験があります。都心の業者が相場を精査することなく売り出しているとみられる物件もあり、狙い目だと感じます(東京都・29歳男性)

栃木県さくら市です。数年前、経済誌が調査した栃木県の住みたい街ランキングで1位になったこともあります。イオンやベイシアなどの大型スーパーがあり、某自動車メーカーの研究所もあるため所得レベルが高い人が多いと思います(栃木県・55歳男性)

茨城県古河市。日野自動車の工場が東京の日野市から古河市に移転したことで、関係会社も移転してくるため、工場勤務者の需要が高まると思っています(茨城県・40歳男性)

関東以外の注目エリアは?

続いては関東地方以外のエリア。回答者の多くがその地に居住する投資家だった。地方在住投資家は「地元」のどのエリアに注目しているのか。回答の一部を紹介する。

■北海道・東北地方

札幌市郊外です。利回りが市内よりやはり高めなので、勝負できる地域があると思い、物件を探しています(北海道・44歳男性)

山形県天童市が狙い目だと思っています天童市はふるさと納税の受入額が全国上位で、その収益を町興しに活用して住みやすい町になっていると思います。これから入居者の需要も高まるのではないでしょうか(山形県・32歳男性)

宮城県名取市です。仙台市内は急激にアパートが増えてしまったイメージがあり、ライバル物件が多いように感じます。仙台市にアクセスのよい名取市や多賀城市などが良いと思います(宮城県・41歳男性)

宮城県仙台市の五橋(いつつばし)エリアです。東北学院大学の一部が移転し、2023年5月にキャンパスがオープンする予定。学生の需要が見込めると思います(宮城県・49歳男性)

■関西地方

大阪市の西成区、特に新今宮周辺ですね。2021年完成予定の星野リゾートなど、新たな開発案が多数出ています。利便性で考えると家賃はもっと高額でいいはずですが、いかんせんこれまでは街のイメージが悪すぎました。今は、一部のエリアを除いて大幅な改善がなされています(大阪府・46歳男性)

大阪府門真市です。門間市駅は大阪モノレール駅の終点ですが、今後瓜生堂駅まで延伸される事が決まっています。また門真市にある某大企業の工場跡地がショッピングモールになるような話も耳にします。門真市は少しガラの悪いイメージがある分、物件も安く買える事がありますので個人的には狙い目だと思っています(大阪府・46歳男性)

大阪府豊中市です。駅で言うと千里中央駅~緑地公園駅あたりでしょうか。御堂筋線一本で梅田や本町、心斎橋、難波と北から南まで出られるし、住まいとしても緑が多く落ち着いたファミリー向けなので需要が多いと思います(大阪府・42歳女性)

■九州地方

福岡市博多区と中央区のうち、地下鉄七隈線が博多駅まで直通になるエリアに注目しています(福岡県・38歳男性)

熊本県合志市。熊本市のベッドタウンとして、地方都市としては珍しく5年連続で人口が上昇しているからです。経済誌が実施した住みやすさランキングでも、九州トップクラスでした(熊本県・42歳男性)

なお楽待新聞では3月末、東京23区および都下に焦点を当てたエリア特集を予定している。都内各エリアの周辺環境・再開発情報のほか、実際に物件を所有する投資家や地域の不動産業者に取材した生の情報をお届けする。

(楽待新聞編集部)

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