経験豊富な不動産投資家が、物件見学の際にどこをどのように見ているのかを「モニタリング」する本企画。

今回覗き見させてもらうのは、楽待コラムニストの「サウスポー31」こと永射累理子さん(以下、サウスポーさん)。永射さんの夫はなんと、あのピンク・レディーの大ヒット曲『サウスポー』のモデルになったとされる、元西武ライオンズの永射保投手(故人)。

サウスポー31さんのペンネームの由来となった、夫の故・永射保投手。「31」は永射投手の背番号から

そんなサウスポーさんが不動産投資を始めたのは、今から8年ほど前。現在、区分マンション、戸建て、シェアハウス、事務所兼店舗、一棟アパートなど9棟31室を所有し、自らママとしてスナックも経営する自称「雑食大家」さんである。総投資額は約1億2000万円、年間家賃収入は約1800万円だ。競売・任売物件の購入経験もあり、築古物件を中心に投資を進めてきた。

今回見に行く物件は、千葉県市原市にある築42年の戸建て物件。売り出し価格は270万円だ。外観からしてかなり年季の入った物件だが、サウスポーさんの見立てはどのようなものだろうか?

 

※映像でご覧になりたい方は上記を
記事でご覧になりたい方は下記をご覧ください(同じ内容をまとめています)

物件資料チェック

サウスポーさんがまずチェックしたのは、物件資料の「接道」の項目。当該の敷地が建築基準法で定められた「幅4メートル以上の道路に2メートル以上接している」という条件を満たしているかを確認する。資料によると、今回の物件は幅6メートルの道路に11メートル接しており、問題はなさそうだ(現地での目視による確認も別途行う)。

続いて「用途地域」の欄を確認。用途地域とは、都市計画法で定められた地域区分のこと。どの地域に分類されたかによって建てられる建物の種類などに制限がかかる。

この物件は「第一種低層住居専用地域」で、13ある用途地域のなかでも制限が厳しい地域だ。「絶対高さ制限」によって建物の高さに制限がかかるほか、敷地境界線からの後退距離が定められているケースもある。重要事項説明書をチェックして、どのような制限がかかるのかを確認しておく必要がある。

外観チェック

外回りのチェックでサウスポーさんが特に気にしていたのは「基礎のクラック」。一見してかなり大きなクラックが見られることから、建物が傾いている可能性が考えられる。耐震性など強度が低下している恐れもある。外観を見ただけで「(私なら購入を)躊躇する」とサウスポーさん。

物件で見つかった基礎のクラック。補修したような跡も見られるが…

そのほかに、軒天井にも大きな剥がれが見られた。こちらも一部補修した跡は見られるが、大きな穴が開いたままで雨が入り放題の状態。

板材が剥がれてしまった軒天井。雨が入り込むと雨漏りの原因となりそうだ

さらに今回の物件では、隣地との境界を示す「境界標」が見当たらなかった。「過去にトラブルを経験した」(サウスポーさん)というだけに、この点も問題だと感じたようだ。

室内チェック

続いては内部のチェックへ。こちらでもサッシの建て付けに問題が見られるなど、建物の傾きが疑われる症状がいくつか見つかった。

1階のサッシを閉め切った状態。上部だけ写真のように隙間が空いており、建物が傾いている可能性が疑われる

先ほどの外観チェックで発見した軒天井の剥がれの影響かは分からないが、室内の天井には「雨染み」も見られた。

1階の天井で見つかった雨染み

見学を終えたサウスポーさん。今回の物件については、建物の傾きと雨漏りが疑われることから「私には難易度が高すぎる」と総括した。読者の皆様の見立てはいかがだろうか。

これまで本企画ではアパートやマンションを取り上げてきたが、今回は初めて戸建物件を見学した。近年問題となっている「空き家」には、条件が似た物件もあることだろう。築古戸建て物件の購入を検討する投資家には参考となるはずだ。ぜひ動画も合わせてチェックしてみてほしい。

※本物件情報は一部編集しています。
※物件所有者に許可を得て撮影しています。

もう一度「覗き見」してみる

 

(楽待新聞編集部)