前回のあらすじ~

大家さんデビューを目指す楽男くん。中古木造物件の購入に向けて「建物の仕組み」を学ぶべく、住宅メーカーに勤める先輩・待子を呼び出した。居酒屋で始まった「授業」で、まず地盤や構造についてみっちり学んだ楽男くん。小腹を満たす小休止をはさみ、後半の授業は次のテーマ「建物の性能」へと移っていく。

<登場人物紹介>

楽男くん…29歳の会社員。将来への備えとして不動産投資を始めたいと思っているが、細かいことが気になる性格のため不動産に投資をするなら建物の仕組みから学ばないと気が済まない。そこで、大学時代の先輩であり、大手住宅メーカーに勤める待子先輩に教えを乞うことに。


待子さん…楽男くんの2つ歳上の先輩。大学時代は建築学部に在籍し、卒業後は大手住宅メーカーに勤務。祖父がアパート経営をしており、不動産投資への理解もある。楽男とはサークルの先輩後輩という関係。性別も違い学年も離れているが、素直で物怖じしない性格の楽男のことをかわいがっていた。

 Lesson5 骨組みと屋根・壁ができるまで

「よっしゃ、腹ごしらえも終わったし、先輩! そろそろ次の授業お願いしますよ! さあ!」

 

「じゃあ、建物がつくられる順番の話に戻りましょうか。ここからは建物の性能とか耐久性に関わる話がメインになると思うよ。で、工程としてはちょうど建物の基礎が完成したところだったわね」

 

「はい、基礎が完成したら次は何をするんです?」

 

「ここからはいよいよ建物の骨組みを組み立てていくのよ。最初にやるのは『土台』の設置ね。土台っていうのは柱みたいな角材で、基礎と柱の間に入る横材のこと。土台はこのあと柱や壁をつくるためのベースになるのよ。はい、これが写真。主要な部材の名前も書いておいたわ」

基礎の工事を終えて土台を組んだところ。「大引き(おおびき)」は床を支えるためのもので、「鋼製束」は高さの調整が可能で、大引きを支える役割を持つ。築古の物件では木製の束が使われていることもある(PHOTO:極楽蜻蛉/PIXTA)

「ええっ! 今まで基礎と土台って同じだと思ってましたが、違うんですね!

 

「それ、よくある誤解だね。

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