専門分野のAI(人工知能)技術を活用し、独自理論に基づいた不動産投資で利益最大化を図る新世代の投資家がいる。中国生まれで都内在住のAI研究者、李天琦(リ・テンキ)さん(29)だ。

自作の価格分析AIを駆使し、大学時代から都心一等地の築古区分マンションに絞って投資。8年間で総投資額は2億円を超え、すでに手取りベースで本業の収入を超えた。

「利回りは気にせず、立地と平米単価を重視する」―。

大学を首席で卒業、Googleも認めたその頭脳が導き出す「不動産投資の新常識」に迫っていく。

「GPA4.0」の頭脳

中国・上海の西側に位置する蘇州市に生まれ、ピアニストとして活動する親の来日をきっかけに10歳から日本育ち。中学時代からコンピュータにのめり込み、ゲーム関連の動画でニコニコ動画の総合ランキング1位を獲得したこともある。

大学ではコンピュータサイエンスを専攻し、統計学やAIの研究に没頭。深層強化学習の理論を応用した自動運転シミュレーションの研究が高く評価され、Google Japanの社内研究会に招かれて成果を発表した経験もある。成績は同学年約6000人の中で4年連続トップ。この大学史上初めて、GPA(各科目の成績平均を示すポイント)で全科目満点の4.0を在学中維持し続けた。

大学時代に出会った「次元の違う富裕層」の友人の存在が、不動産投資を始めるきっかけとなった。「その友人は1泊100万円以上する高級ホテルのスイートルームでパーティーをしたり、ヘリを借りて空から東京の夜景を眺めたり、といった遊びを毎日、当たり前のようにしていたんです。『持つ者』『持たざる者』の差を実感した強烈な体験でした」

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