「ここに住む家族が幸せに暮らせる物件にしたいなぁ…って思いました」
中国生まれで都内在住の張詩涵(チャン・シハン)さん(仮名、31歳)は5月下旬、購入した埼玉県北部の一棟アパートを見上げてこう語りました。張さんは学生時代、外国人という理由で賃貸物件への入居を断られ続けた経験があり、「わたしと同じように日本で困っている外国人に住居を提供したい」という思いで不動産投資を始めました。これが自身2棟目の物件になります。
張さんの物件購入を後押ししたのは、「楽待アプリ」経由で物件を購入した人に3万円をプレゼントする「アプリリリースキャンペーン」(詳細はこちら)でした。張さんは「わたしの経験が誰かのヒントになるなら」と、キャンペーン期間中に物件購入を目指す人たちを追いかける楽待新聞の企画に参加。4月初めにアプリ経由で物件に問い合わせ、この企画で最初の物件購入者になりました。
今回はそんな張さんにインタビューし、この物件を選んだ理由から価格交渉、融資相談など、物件と3万円をゲットするまでの軌跡をお伝えします。
誰かの後押しに
張詩涵さん(仮名、31)東京都
職 業 :会社員
投資歴 :8カ月
所有物件:一棟アパート×1
総投資額:1500万円
家賃年収:326万円
ひとこと:友人のための婚活イベントを開くのが趣味です
――あらためて自己紹介をお願いします。
わたしは中国・北京生まれで、父親の仕事の関係で10歳の時に来日しました。現在は会社員で、3歳と1歳の子どもがいます。昨年9月、夫の仕事の関係で知り合った大家さんの紹介で1300万円の一棟アパートを現金購入しました。その物件は現在、月の手残りが19万円ほどで回っています。
――この企画に参加を決めた理由を教えてください。
楽待アプリはいつも通勤時間や隙間時間の物件検索に使ってお世話になっているので、少しでも恩返しになるかな…と思って応募しました。また、日本ではたくさんの人に支えられながら生活しているし、わたしの経験をリアルにお伝えすることで物件購入を目指す誰かの後押しになれば、という思いもありました。
選んだのはどんな物件?
――アプリではどのような検索条件を設定していましたか?
エリアは馴染みのある埼玉と千葉、東京に絞り、利回り10%以上、3000万円以下の築古アパートをメインに探しました。戸数は単身なら6戸以上、ファミリーなら4戸以上。出口を考えて土地面積、建物面積は100平米以上、郊外なら駅徒歩より駐車場の有無を重視していました。
ある日、アプリの検索条件に引っかかったのがこの物件です。
物件F |
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所在 |
埼玉県北部 |
種別 |
一棟木造アパート |
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価格 |
2900万円 |
利回 |
13% |
築年 |
27年 |
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備考 |
2棟一括 |
1992年築と1979年築の2棟一括です。合計8室で、間取りは3Kと2LDK、3LDK。このエリアで利回り13%は低いと感じたけど、指値の可能性もあるかな? と思って4月2日に資料請求しました。
――実際に現地で見てみてどうでしたか?
4月6日に現地へ見に行ったんですが、すごく敷地が広く、2棟とも満室というのが魅力的でした。間取りはファミリー向けのメゾネットタイプで家族に人気がありそうだな、と。駅からけっこう離れているんですが、駐車場が戸数の倍あるので安心しました。いくつかの地元管理会社に電話したところ、駐車場があってこの家賃なら客付けは可能、という反応でした。
――家賃はいくらですか?
2棟のうち新しい方は3万5000円なんですが、周辺相場を調べると、あと1000円、2000円ぐらいは上げられそうです。古い方は2万2000円から4万円と幅があって、かなり長く住んでいる人2人が4万円で入っています。かなりご高齢なので退去することはないだろうと考え、最後まで面倒を見るつもりです。
400万円の指値に成功
――その後はどのように動きましたか?
融資打診と並行して指値交渉を進めました。用意できる頭金は500万円ほど。最終的に、利回り15%を目指して2900万円→2500万円に指値が成功し、ギリギリ15%に乗りました。
――指値はどんな作戦で進めたんですか?
私は「手持ち資金がそんなになく、CFが出ないと意味がないので…」という感じで正直に伝えて交渉しようとしていたんです。ですが、仲介会社の担当者さんは「この価格だったら買います! ってストレートに言いましょう」とのことで、その作戦でチャレンジすることに。もっとゴネられるのかな…と思ったんですが、意外とすんなり受け入れてくれました。
――なぜ指値が通ったんでしょうか?
物件が市街化調整区域にあって、融資が通りにくい案件だったんです。仲介会社の担当者さんは「融資流れの多い物件だから、融資の可能性が高いと武器になる」と言っていました。売主さんの方に「自己資金を2割用意できて、属性もしっかりしている方です」と伝えてくれて、融資が通ると思ってもらえたんじゃないかなと思います。
書類をそろえて公庫へ
――融資を受けるのは初めてですか?
はい、今回が初めての経験です。以前に別の物件でいくつかの金融機関に打診したんですが、門前払いされていたので、今回は仲介会社さんに相談しました。市街化調整区域にあって一般の銀行は出さないだろうということ、仲介会社の担当者さんが付き合いがあるということで、日本政策金融公庫に打診することに。必要書類をそろえて4月20日に面談しました。
――緊張しましたか?
前日はドキドキして眠れませんでした。1棟目の収支をまとめた資料を作り、今までの会社の収入、源泉徴収票3期分、預金口座のコピー、それに「こうやって運営していくつもり」という事業計画書など、たくさんの資料を用意しました。収支シミュレーションは現在のレントロールをベースに作りました。
――なぜそんなにたくさんの資料を持参したんですか?
外国人が相手に信頼してもらうために必要なことは、日本国にとって利益を貢献できる市民であること、日本で住み続けてほしいと思ってもらえる人間になることだと考えています。わたしは永住権の申請などの時も、過去の学歴や職歴のほか、株や財形貯蓄などに関する資料を持って行っていました。老後も考えて貯蓄し、計画的に生活している人なんだと分かってもらうことが重要だと思ったし、何か聞かれたときに「ありません」「出せません」がないようにしたかった。
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