先月、楽待新聞でも告知をした「築古戸建再生コンテスト」。おかげさまで大きな反響があり、50件にのぼるご応募をいただきました。作品をお送りくださった皆さま、ありがとうございました。現在、すべての作品を対象に審査を進めております。結果については楽待新聞でお伝えする予定ですので、もうしばらくお待ちください。

今回はそれに先立ち、応募作品の中からいくつかの事例をピックアップしてご紹介。購入価格、リフォーム費、利回り、その他のエピソードなど、投資家のリアルな再生過程を写真とともにお届けします!

最小限のリフォームで利回り15%を確保!(Iさん)

Iさんの物件外観(いずれもBefore)。コストを抑えるために外装はそのまま。屋根の一部が隣地へ越境していたが、隣家のオーナーとは改築時に改善することで話がついているという

Iさんの物件概要

所在地

埼玉県川口市

購入価格

350万円

築年数

不明

リフォーム費

190万円

賃料(年)

88万8000円

表面利回り

約16%

<Iさんのコメント>

インターネットのポータルサイトで見つけた物件です。築年数は分かりませんが、接道要件を満たしておらず再建築不可、トイレは和式で風呂もなし、というワケありの物件でした。もともと三軒が連なる長屋だったようですが、購入時には隣の家は切り離されていて、綺麗な一軒家になっていました。

リフォームではお風呂と洗面化粧台、洗濯機置き場を新たに設置しました。トイレは場所を変えて洋式の新品を導入、和式トイレのあった場所は配管をふさいで収納庫にしました。キッチンも向きを変え、新品にしています。

昔ながらの和室が白を基調とした洋室に

表面利回りで15%以上は欲しいと思っていたため、リフォーム予算を200万円以内に抑えることが目標でした。そのため外装には一切手をかけず、内装のみをリフォーム。デザインは清潔感を出すために白で統一しつつ、トイレとお風呂だけアクセントカラーを入れています。

現在、結婚を予定しているという若い男女が2人で入居しており、1度の更新を経て住み続けてくれています。繁忙期でない時期に募集し、問い合わせや内見は多かったもののなかなか決まらず、ひと月で家賃を下げ、募集開始から2~3カ月程で決まった入居者です。

寝袋持参、家族でじっくりDIY!(メープル主婦大家さん)

左:建物外観 右:子供たちと一緒にDIYをしながら再生

メープル主婦大家さんの物件概要

所在地

埼玉県比企郡

購入価格

370万円

築年数

25年

リフォーム費

40万円

賃料(年)

84万円

表面利回り

約20%

<メープル主婦大家さんのコメント>

3人の子を育てる主婦で、3軒の戸建てを所有する大家です。不動産投資を始めたきっかけは、子供の将来の学費や、家族で旅行などを楽しむ費用が、今のままではとても足りないと思ったからです。

この物件の売主さんは1年前に別の場所に引っ越しており、放置物件になっていたそうです。空気の入れ換えもしていなかったためかとにかくカビがひどい状態でした。購入希望者の内見が入っても、リビングだけ見て帰っていく人がほとんどだったそうです。

カビが発生していた1階の壁紙は総取替え、フローリングはDIYで塗り替えた

当初の売り出し価格は580万円でしたが、内見してリフォーム費を計算し、その場で不動産会社さんに「350万円で話をもっていってもらえないか?」と伝えました。最初は売主さんも「そんなに安い価格?」とびっくりされたそうですが、不動産会社さんに交渉していただき、無事購入できました。

内見者の判断は主に1階の印象で決まると思うので、リフォームでは1階のカビが酷い壁紙はすべて交換し、フローリングは表面をサンダーで削って塗り替えています。そのまま使えるものとそうでないものを見極めるため、DIYをする前にハウスクリーニングの業者さんに来てもらいました。

リフォーム中に2件の内見があり、もうじきの入居予定です。家賃は7万円に設定しています。内見の際、DIYの作業で物件にいたので私が案内しましたが、家がきれいで住みやすそうだし決めたいとその場で言ってくださいました。

「全身がかゆくなる」ボロ戸建てを再生!(水田裕基さん)

見るからに傷みが激しそうな、リフォーム前の物件外観

水田裕基さんの物件概要

所在地

大阪府和泉市

購入価格

150万円

築年数

53年

リフォーム費

46万円

賃料(年)

42万円

表面利回り

約21%

<水田裕基さんのコメント>

床がぶよぶよで抜けそう、縁側はゴミだらけで虫がわいている、キッチンには動物(?)の死骸、中に入ると全身かゆくなる…というすごい物件でした。屋根に穴が空いているせいか、部屋の中の風通しはめちゃくちゃよかったです(笑)。

リフォームは大家仲間から紹介してもらった格安の業者さんに依頼しています。土壁は上から抑えてクロスを張り、床はフローリングに変更、汲み取り式のトイレはそのままで簡易水洗に変更、キッチンはダイノックシートを張りました。簡単に言うと「磨いて、塗って、張って」をしただけです。他にも、大家仲間10人に手伝ってもらって、外壁塗装と室内の柱、扉の塗装をやりました。

汲み取り式のトイレを簡易水洗に変更

ボロボロだった土壁は上からクロスを張って仕上げた

リフォームが終わって1カ月ほどで入居者が決まり、それからは一度も退去がありません。家賃は3万5000円です。

この物件のあと8件ほど築古戸建ての再生を手がけてきましたが、この物件が一番ひどかったです。でも、この物件を再生してからはどんなボロ物件でも怖くなくなりました。私の中では購入判断の基準になっていて、勇気をもらった物件です。

DIYを楽しむ京都の町家風リフォーム(タッチィさん)

物件外観。外壁の一部を板張りに変更

タッチィさんの物件概要

所在地

京都府京都市

購入価格

930万円

築年数

45年

リフォーム費

350万円

賃料(年)

118万8000円

表面利回り

約9%

<タッチィさんのコメント>

京都市には土地感があったこと、また京都駅から近いため失敗の可能性が高くないと判断したこと、さらに京都ならではの築古の魅力を活かせると考え、DIYにて費用圧縮とともに楽しみながら、初めての不動産投資を開始した物件です。

20年以上も空き家になっており、外壁からの雨漏りがひどかったため、外壁の穴埋め、ひび割れの補修、庭の物置小屋解体撤去などから工事を行いました。ところが排水管の破損(京都の古い家の排水管は鉄ではなく、植木鉢のような陶器を重ねている場合がある)が発覚。売主との瑕疵担保責任の問題で修理が大幅に伸びてしまい、募集の繁忙期を逃す結果となってしまいました。

その間、内装のクロスや大工工事、水回り、畳の交換、玄関取替え等の大掛かりなものは業者さんにお任せし、内装の塗装やベランダ木材の交換、坪庭の造成など簡易なものをDIYで作業していきました。単身赴任中の東京から通いながらの作業となり、大変ながらも楽しい経験となりました。

洗面室はタイル張りの洗面台、ヒノキのテーブルがこだわりのポイント

洗面台は一般的な白一色ではなく、タイル張りの洗面台を採用することで、趣とともにデザインの柔らかさを出しました。テーブルのヒノキは私自身が材木屋から安く仕入れ、費用の調整を行いました。

キッチンの床は、京都町屋風のデザインとするために、クッションフロアを店舗用に使われる洗い出し調としました。洗面台からトイレにかけては和風旅館のようなフロアタイルとし、トイレットペーパーホルダーは竹と木材を使い自分で作成しました。

キッチンの床は、伝統的な「洗い出し」調のクッションフロアを採用

6月中旬より入居開始予定です。家賃は9万9000円。直接聞いたわけではありませんが、奥様が海外出身の方のため、和風建築のデザインが気に入っていただけたと考えております。

前庭を駐車場に! (nakanosanさん)

前庭の一部を駐車場にリフォーム

nakanosanさんの物件概要

所在地

埼玉県川越市

購入価格

410万円

築年数

38年

リフォーム費

220万円

賃料(年)

78万円

表面利回り

約12%

<nakanosanさんのコメント>

楽待サイトで見つけて購入しました。空室期間がだいぶ長かったと思われ、各配管が古くなっていたので水道管は全て新品に交換しています。また長期保有を前提にしていたので、ユニットバス、トイレ、洗面台、キッチン、畳は新品に入れ換えています。その他、床はフローリング柄のフロアタイルに張り替え、壁は総パテしてクロスを張っています。

リフォームは全体として「ここまで工事すれば当分、大きな工事はいらないだろう」と思えるように進めました。

キッチンは新品に入れ換え、床はフローリング柄のフロアタイルに

リフォームの最大のポイントは、庭を駐車場に変えたことです。入居者の方には長期間住んでほしかったので、多少無理をしてでも駐車場を確保したいと考えました。そこでブロック塀の一部を壊し、生コンを敷いて駐車場にしています。家賃は6万5000円に設定し、現在の入居者の方には3年ほど住んでもらっています。

今回、たくさんの読者の方から予想を超えるたくさんのご応募をいただきました。どの作品も熱意や創意工夫に満ちており、編集部一同、感銘を受けました。ご応募いただいた皆さまには改めてお礼申し上げます。なお、今回取り上げられなかった作品も今後、楽待新聞で公開していく予定です。どうぞお楽しみに!

(楽待新聞編集部)