「不動産投資」と言っても、その形はさまざま。アパートやマンションを購入して賃料を得るという方法が一般的ですが、それ以外にも店舗や施設、駐車場や倉庫など、住居以外の不動産にも投資するオーナーがいます。

でも、こうした物件ではどれくらい利益が上がっているのか、また管理運営はどのように行われているのか、知る機会はあまり多くありません。

そこで本企画では、アパートやマンション「以外」の物件オーナーを楽待スタッフが直撃し、その実態を調査! あなたの周りの「○○投資」に動画で迫ります。

 

テナントが決まらない空室を店舗に改装

今回取材したのは、投資家の内田陽一さんが所有する埼玉県草加市のコインランドリー。なかなかテナントが決まらなかった所有物件の1室を、約600万円かけてコインランドリーに改装したのだとか。

店内の様子。明るく清潔感のあるイメージを持ってもらえるよう、内装は白で統一した

店内には4台の洗濯機と8台の乾燥機、そしてシューズ専用の洗濯機と、合わせて13台がずらりと並んでいます。機器はすべてリースで調達。月々のリース料は13万円ほどだそうです。

ずらりと並ぶ乾燥機。右から2番目の小さいタイプは10分100円、大きいタイプは7分で100円で利用できる

お店は24時間営業。盗難などの犯罪が起こらないか気になるところですが、内田さんの場合は防犯カメラのほか、照明を多めに設置して店内を明るくすることで対策しています。

24時間営業をしない店舗では犯罪のリスクは軽減されますが、「閉店時間に自動でシャッターを閉じる装置などが必要となり、コストアップになる」と内田さん。どちらがよいかは、周辺環境によって変わりそうです。

またこのお店では、店舗の清掃や備品の交換などを、パートの従業員に月額3万円で委託しています。店内の壁紙クロスに描かれたイラストも、パートさんのアイデア。

黒板クロスにチョークで描かれたイラストは、管理を委託しているパートさんが描いたもの

気になる売上金額は?

さて、やはり気になるのは売り上げです。

今回は特別に、目の前で売上金を数えていただきました。普段は1週間に1回のペースで集金に来るとのことですが、この日は4日分の売り上げを集計してもらうことに。気になる合計金額は…。

ランドリーから回収した売り上げ金の100円玉は、両替機内の1000円札と交換する

4日間で4万8500円という結果。内田さんによると「いつもと同じくらい」だそうです。

コインランドリーの売り上げは雨の日が続くほど増える傾向にあるそうです。1日降っただけなら洗濯を翌日に回せばよいだけですが、雨が2日、3日と続いて洗濯物が増えていき、たまらずコインランドリーに駆け込んだことがある、という方も多いのではないでしょうか。

内田さんによると、雨の日が数日間続けば「売り上げはいつもの3倍~4倍になることもある」とのこと。梅雨の時期などはかき入れ時と言えそうです。

ちなみにこのお店の場合、月平均の売り上げは40~45万円ほど。ただし、光熱費や機器のリース料、人件費などで毎月30万円ほどが飛んでいくため、手残りは10万円程度。内田さんの場合、所有物件の1室で開業したため賃料はかかりませんが、物件を借りて運営する場合、ここに賃料の支払いが加われば収支は「トントン」、あるいは赤字になるケースも考えられます。

内田さんのお店の支出一覧(月額)

洗剤代

2.5~3万円

人件費

3約万円

ガス代

約6万円

コール

センター代

約1万円

水道代

約3万円

リース料

約13万円

電気代

3~4万円

月額合計

約31~33万円

コインランドリーは「認知」が重要

お店に来ていたランドリー機器メーカーの担当者、小島さんにも話を聞いてみました。小島さんは、コインランドリー投資の勝敗を分けるのは「認知」だと話します。

「コインランドリーはコンビニなどと違って、看板を見かけてふらっと立ち寄ってみる、ということはありません。ですから、いざ使いたくなったときに思い出してもらえるよう、お店の存在を知ってもらうことが大切です」

「店舗の周辺に飲食店やコンビニなどがあると目に触れる機会が増え、コインランドリーの存在が認知されやすくなる」と話す機器メーカーの小島さん

小島さんによると、理想的な立地は周辺にスーパーがある場所。

「コインランドリーの商圏(集客できる範囲)はだいたい半径1キロメートルほど。一方、スーパーは6~7キロメートルと広い。近くにスーパーがあれば、本来の商圏外のお客さんを呼び込むことができる。買い物中に洗濯を済ませたいというニーズにもマッチします」

内田さんの店舗は交通量の多い道路に面しており、スーパーはないもののすぐ近くに大手アパレル店舗や牛丼店などがあるため「立地はよい」(小島さん)と言います。

コインランドリー投資、実際どうなの?

オーナーの内田さんに「コインランドリー投資はアリなのか?」をストレートに聞いてみました。

「私のように、所有物件の空室を活用したコインランドリー投資は選択肢になり得ると思います。物件を借りて行う場合は立地や需要などを十分考慮すべきです」

内田さんによると特に駐車場が重要で、「最低でも3台、できれば5台分を確保したい」とのこと。実際、撮影中にも車で来店するお客さんがおり、大型の洗濯機で布団や毛布などを洗っていました。このあたりは、駅近か郊外か、ファミリー層が多いか単身者が多いか、といった要因でも変わりそうです。

オープンから5年が経ち、現在は毎月10万円の手残りがあるという内田さんのコインランドリー投資。しかしオープン当初は集客ができず、大量のチラシを配って回るなどしてやっと客が付くようになったそうです。また、周辺に競合店が増えると一気に売り上げが落ちるのもコインランドリー投資の怖いところです。

内田さんの場合、所有物件の1室を使っているからこそプラスの収支で回すことができていますが、参入を検討するなら、最悪の事態も想定してシミュレーションをしておく必要があります。

(楽待新聞編集部)