TATERU本社が入るビル=東京都渋谷区

投資用アパートの融資でオーナーの預金残高を改ざんしていたことが明らかになった「TATERU」(東京都)に対し、国交省関東地方整備局は28日、宅建業法に基づいて7日間の業務停止命令を下した。7月12日から18日まで、宅建業に関連する全部の業務が停止となる。同局は「組織ぐるみで336件ものエビデンス改ざんを行ったという事実を重くみた」としている。

同局によると、TATERUは遅くとも2015年7月ごろから18年7月ごろにわたり、営業部長や部長代理ら31人が、336件の売買契約で自己資金のエビデンスを改ざんして金融機関に提出。宅建業法第65条2項5号の「宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき」に該当するとしている。

同局はこの処分に先立って21日、同社側からの弁明を聞く「聴聞」を実施した。古木大咲社長はエビデンスの改ざんについて「事実関係に間違いはなく、申し訳ない」と謝罪した一方、同社の代理人弁護士は「オーナーに損害が発生しておらず、被害者は存在しない」とし、業務停止命令より軽い業務改善命令が妥当と主張。業務停止命令の場合でも期間を短期とし、停止対象業務はオーナーに影響の大きい媒介業務などを除いて売買業務のみに限定するべきと訴えていた。

アパート融資不正のTATERU代理人「被害者は存在しない。業務停止命令は裁量逸脱」

「7日が短いとは考えない」 

同局によると、過去5年間で宅建業者に対する業務停止命令は2014年7月に続いて2件目。同局は楽待新聞の取材に対して「組織ぐるみで300件を超すエビデンス改ざんを行っていたという事実を重くみた。聴聞の内容も含めて総合的に判断した結果」とし、「業務停止命令という処分は重く、7日という期間が短いとは考えない」と説明。一部ではなく全部業務停止としたことについては「宅建業法は1つの免許として交付しており、売買や仲介など業務によって区別はできない」とした。

TATERUは不正発覚後に本格的な営業活動を自粛しており、2019年1~3月期の売上高は前年同期比68%減の46億円にまで落ち込んだ。業績の急激な悪化を受け、当面の資金繰り確保を目的として今年4月には保有する販売用不動産122棟(1092戸)を一括売却。32億円の損失を計上し、1〜3月期の当期純利益は60億円の赤字となっている。

TATERUは業務停止命令を受け、「全社を挙げて再発防止策の徹底を進めている。処分を真摯に受け止め、引き続き信頼の回復に努める」とのコメントを発表した。

(楽待新聞編集部)