戸建てを専門に買い進め、現在18戸を所有する大阪府在住のサラリーマン大家「かーと」さん。物件はすべて現金買いで、現在の年間家賃収入は1200万円を超えた。
「もし本業がダメになっても、どうにかして妻と子供を食べさせなければ」。そう考えたのをきっかけに不動産投資の世界に飛び込み、15年以上になる。そんなかーとさんの投資戦略とマインドに迫った。
「旗竿地が好き」、物件購入の戦略
「旗竿地が好きなんですよ。隠れ家とか、秘密基地みたいでしょ」
自身が持つ物件の半分は、接道義務を満たしていない「再建築不可」。自宅もそうだという。だが、再建築不可物件を購入しているのには、「好き」以外の理由もある。
「僕は、賃貸業の一番大事なところは『安定して客付けができる』という点だと思っています。そのためには、ちゃんと客付けできる物件を、客付けできる場所に買うのが一番大切。でも、そういう場所は価格が高くなりますから、そういう立地で安く買おうとすると旗竿地や再建築不可が多くなってしまうんです」

青い屋根の戸建てが、かーとさんの物件
そのため、所有物件は大阪市や政令指定都市である堺市といったエリアに集中。中でも人気の高い住宅街や駅の近くで物件を購入している。
現在は18戸を自主管理しており、価格としては200~300万円の物件が多い。もっとも安い物件は30万円。築年数は平均45年と、ほとんどが築古だ。リフォーム資金として1000万円弱の融資を受けたほかは、すべて現金で買い進めた。「1200万円ちょっと」が年間に入ってくる家賃収入だ。
大阪に出てきた当初は無職だった
かーとさんは、不動産投資を始めた15年ほど前の自分を振り返り、「若いころはかなりフラフラしていました(笑)。妻と結婚して大阪に出てきたんですが、その当時は無職で、妻に食べさせてもらっていたくらいです」と振り返る。
地元の九州にいる時には賃貸管理会社に勤めていたため、大阪でも同じような仕事に就いた。「ある時、やっぱり自分が妻や子供を食わせてやらないと、と思い立ちました。そして、もし本業がダメになっても、どうにかできるように、と不動産投資を始めました」
賃貸管理、仲介業を経験して、「戸建て物件の賃貸需要は高い」と感じていた。子供が生まれたばかりで近隣に迷惑をかけたくない、あるいはペットを飼いたいなどといったファミリー層からの需要は根強いからだ。そのため、1戸目も戸建てに絞って物件探しを開始。属性の問題から融資を引くのが難しかったので、現金で買えるものを探した。1戸目は、200万円台の築古だった。
「この物件はもう売ってしまったんですが、ものすごくボロボロだったのを覚えています。お金もなく、ノウハウもなかったので、掃除をして、クロス貼りをして、ペンキで塗装して…と自分ですべてやりました。それでも立地がよかったせいか、すぐに入居者はつきましたね。家賃は高く取れず、確か4万円くらいでした」
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