不動産投資はもちろん、投資自体ほぼ未経験。サラリーマンとしてずっと働き続けてきたが、50歳の時にふとしたきっかけで不動産投資の世界に飛び込み、そこから約10年で14棟126戸まで規模を拡大させた―。そんな投資家が、夏山栄敏さんだ。

中古物件から新築物件まで幅広く所有し、運営してきたが、近年力を入れていたのは、全空で問題が山積していた「ワケあり物件」の再生。そんな夏山さんの投資戦略に迫った。

「普通ではつまらない」、差別化意識の新築マンション

夏山さんの自慢の物件の1つに、初めて新築で建てたマンションがある。2013年に土地を購入、2015年に完成した物件だ。東京都文京区の後楽園駅から徒歩5分という、好立地のRC造9階建て。ワンフロアに1戸というぜいたくな作りで、かつ各階へはそれぞれ暗証番号を入力しなくては停まらない仕様のエレベーターを設置した。1階にはバイクガレージを設け、しかもペット可にしているという。

文京区に新築した物件

大型バイクの保管場所がなかなかない、という話を聞き、差別化のためにバイクガレージを設けた

「このエリアの競合は、大手不動産会社が提供する大型の分譲マンションの賃貸物件。だから、そこに入らずに、うちの物件を選んでもらうための工夫が必要でした」

計画段階では、一般的なワンルームを多数作る構想を進めた。一方で、文京区内のワンルーム規制が厳しかったことに加え、「普通の部屋ではつまらない」という思いはあった。高利回りになるように小さな部屋を設けた図面も出来上がってはいたが、「やはり変えたい」と一度白紙に戻すことに。

結果、競合とは全く異なる、差別化に成功した物件が出来上がったという。

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