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現在所有する物件の「相続」を、どのように考えているだろうか? 今回、楽待新聞では「物件の引き継ぎ」をテーマにアンケートを実施。

そこから見えてきた、子どもを持つ投資家たちのリアルな声をまとめた。

※実施概要

調査時期:2019年9月7日~16日
有効回答数:191

「物件を子供に引き継がせたい」投資家が6割

今回アンケートに回答してもらった投資家の子供の年代は、以下の通り。「社会人」が最も多く、次いで「小学生」の子供が多いという結果になった。

楽待新聞が実施した読者アンケートの結果より ※1 大学生・大学院生には専門・短大・高専生を含む ※2 複数回答可のため、合計は191以上となっている

また、子供たちに、自分の物件を引き継がせたいかどうかを尋ねたところ、「引き継がせたい」と答えた人が約6割と多数を占めた。

読者アンケ―トの結果より

「引き継がせたい」人の意見

・儲かっているので、引き続き儲けてもらいたい。(東京都・男性)

・自分が死んだときに、入居者に心配をかけたくないから。(愛知県・男性)

・所有するだけで収入を生むとても頼もしい資産なので、理解してほしい。(愛知県・男性)

・可能な限りお金から解放させてやりたい。(東京都・男性)

・将来にわたって利益を得られるような物件を選んでいる。(茨城県・女性)

・収入を増やすためにどうすればいいかを考えさせたい。(神奈川県・男性)

一方で、「引き継がせたくない」と考える人も。少し意外な回答のような気もするが、なぜ投資家たちは物件を引き継がせたくないのだろうか。次のような声が上がった。

「引き継がせたくない」人の意見

・自分で自分の道を切り開いてほしい。(栃木県・男性)

・子供が大きくなるころには、物件も古くなっている。(熊本県)

・不動産投資をやりたいと言うのであれば、自分自身で、別でやらせる。(福岡県・女性)

・自身の物件は売却する予定。(東京都・男性)

・建築や不動産知識、経験がないから。(福岡県・男性)

・子供は子供。自立しており、残す必要はない。(福岡県・男性)

そのほか「資産が足かせになる可能性もあるので、進路が確定してから決めたい」と決断を下していないという投資家の声も。

「その時になってみないとわからない」と記した大分県の男性投資家は「事業の世襲制は疑問。長男は就職し、遠方で生活基盤を築いているし、ほかの子にも、心労が多い割に実入りの少ない仕事をあえてさせるかどうか、いよいよ私ができない状態になった時に考えたい。子供にスキルがあるかどうかもわからない」と理由を記した。

「本人が望めば引き継がせたい」「子供次第」という意見も多く見られた。「まだ子供が幼いので、不動産投資の勉強をさせた上で、本人と相談して決定したい」(東京都・男性)など、自身の心情とは別に、子供自身の感情や素質も重視している投資家も一定数いるようだ。

不動産投資に関する教育は行っている?

アンケートによると、「引き継がせたい」と答えた人のうち、約7割の人は不動産投資や賃貸経営に関する教育を子供には行っていないという結果だった。しかし、中には教育を施している人も。どのようなことを行っているのか、その内容を聞いてみた。

・決済や物件の維持管理に立ち会わせている。(京都府・男性/社会人の子供あり)

・保有不動産の価値の変遷や、物件管理のための経費を教えている。(福岡県・男性/大学生、社会人の子供あり)

・物件の掃除やリフォームなどの際に連れていき、手伝わせている。事業関係の会話も日常的に行う。(山口県・男性/小学生未満、小学生の子供あり)

・物件確認や管理会社との打ち合わせに同行させている。(東京都・男性/小学生の子供あり)

・セミナーなどに参加させている。(東京都・男性/高校生、大学生の子供あり)

・空室の原状回復などの手伝い。最近は少しずつ利回り計算なども始めた。(東京都・男性/中学生、高校生、大学生の子供あり)

実際に物件を訪れて一緒に修繕を行ったり、賃貸経営にかかる金銭について学ばせたりしているという内容が目立つ。

他方で、「お金とは何か、お金をいただくとは何か。役割を果たし、感謝されるというイメージを教えている」(千葉県・男性、小学生の子供あり)など、広い範囲で事業やファイナンスに関する教育をしているという投資家もいた。

当然、まだ自分自身が元気であり、将来の相続について具体的に考えているという人ばかりではない。しかし、自身が築き上げてきた財産の出口をどのようにとるかということについて、この機会に思いを馳せてみるのも良いのではないだろうか。

子どもに引き継がせたい、という場合には、幼いころから「お金」や「賃貸経営」について、リテラシーを高めるような教育を施すことも視野に入れたい。

(楽待新聞編集部)