クリックで拡大できます

経験豊富な不動産投資家が、物件見学の際にどこをどのように見ているかを「モニタリング」する本企画。

今回、物件見学の様子を見せてもらうのは、安藤新之助さんだ。現在、都市銀行・地方銀行・信用金庫など、全9行もの金融機関と取引を行っている。所有する10物件の金利は、0.5~1.0%と驚きの条件で借入に成功している。年間家賃年収は1億3500万円。

今回、安藤さんが見に行く物件は、岐阜県岐阜市内にある駅徒歩38分の一棟マンションだ。2011年3月築ということで、外観・室内ともに綺麗な状態が保たれている。そんな物件でも安藤さんは厳しくチェック。その様子を早速見ていこう。

※映像でご覧になりたい方は上記を
記事でご覧になりたい方は下記をご覧ください(同じ内容をまとめています)

物件資料チェック

安藤さんが物件資料でまず確認したのは、土地の面積と築年数、構造だ。今回の物件のように、土地が広い、または築年数が浅い物件だと金融機関からの評価も高くなり、融資を受けやすいことが多いので、物件購入前にはしっかりチェックしておきたい。

次に確認したのは、「建ぺい率」と「容積率」の項目。物件見学前にきちんと計算をして、法的に問題がない物件かどうかを調べているという。

また、今回の物件は最寄り駅から38分と距離があるため、駐車場が戸数分あるかを事前に把握しておく必要があるという。仮に駐車場が戸数分なければ、近隣に駐車場が取れるスペースがあるかを事前に調査しておきたい。

物件見学に行く前に注意しておきたいポイント

1.物件周辺の環境を確認する

駅から物件までの道にどのような商業施設や住宅があるかを確認する。また、近隣にごみ屋敷などがないかどうかも、事前に調査しているという。

2.物件見学時の服装

ラフすぎる格好だと、不審者に見られてしまう可能性がある。そのため、適度に清涼感のある服で物件見学をしているという。

外観チェック

「とても綺麗な物件」と安藤さんも語るほど、管理が行き届いていた。築8年ということで、外壁の修繕はまだ必要なさそうだ。

しかし、「隣地へ植栽が越境していることが気になる」と安藤さんは言う。事前に売主負担で伐採するか、購入後に買主が伐採するのであれば、その費用も踏まえて購入金額を検討したほうが良いそうだ。ただ、このような植栽を気に入って入居している人がいることもあるので、伐採する前に確認しておきたい。

隣地に越境した植栽

次に安藤さんが確認したのは、物件の敷地内に設置された自動販売機。安藤さんが所有する物件にも設置しているというが、清掃や管理を怠ると自動販売機の周辺が汚れてしまう恐れがある。入居者だけでなく、周辺住民も使用することもある自動販売機は、メリットとデメリットの両方を把握しておきたい。

また、駐車場についても慎重に見る。物件資料には、「駐車場7台」と書かれていたが、実際に見てみると、駐車場に記載されている最後の番号は「8」となっていた。安藤さんによると、物件オーナーが数字に験を担いで「4」と「9」の番号を抜いていることが当たり前のようにあるという。実際に現地へ行った際は、駐車場の台数を1台ずつ数えて、物件資料と相違がないかをしっかりチェックしておきたい。

物件の外壁についても、クラックがあるかどうかを見る。安藤さんによると、0.5ミリ以上のクラックは補修の必要があるため、注意してみておきたい。0.3ミリ程度のクラックは、「ヘアークラック」といい、急いで修繕する必要はないという。

物件の外壁にあったクラック

安藤さんは、物件見学時に必ず「雨水桝」と「汚水桝」の中を確認するという。桝が設置されているのは、流れが悪くなりやすいパイプの曲がったところだそうだ。桝を開けた際に水が溜まっている場合は、逆勾配(排水したい方向とは逆の方向に配管が傾いていること)になっていることが多く、購入後のトラブルにつながりやすいため、事前に確認しておく必要がある。

雨水桝

共用部の確認時には、各部屋の「換気ガラリ」を確認する。網の部分にホコリや汚れが溜まっている場合、室内の換気が十分に行われず結露の原因となるため、きちんと清掃してあるか確認するという。

換気ガラリ

室内チェック

安藤さんがまず確認したのは、換気扇。実際に換気扇を回して異音がないか、汚れている箇所はないかなどを見るという。換気扇の交換は、1台数万円と高価になるため、購入前に確認しておきたい。

キッチン上の換気扇

次に確認したのは、キッチンと洗面下の排水設備。安藤さんは、排水部分に「防臭キャップ」が取り付けられているかを見るという。取り付けられていない場合、臭いや害虫が発生するもとになるため、購入後のトラブルを防ぐためにもチェックしておきたい。

防臭キャップ

また、風呂場の換気についても慎重に見る。安藤さんの場合、風呂場の換気扇を回して状態を確認するだけでなく、きちんと吸気しているかティッシュペーパーを使って確認していた。

浴室上の換気扇

しかし、換気扇がきちんと作動しているからといって安心してはいけないと安藤さんは言う。風呂場の天井裏にある「ダクト配管」が接続されているかどうかもチェックが必要だ。施工不良などで、ダクト配管が接続されていない場合、浴室の蒸気がそのまま天井にこもってしまい、屋根裏の柱や梁を傷める原因になるという。

浴室の天井裏にあるダクト配管

トイレで確認しておきたいのは、便器と床が接している部分。この箇所には、「フランジ」と呼ばれる部品が使われており、劣化してくると水漏れの原因になるという。実際に水が漏れていなくても、水漏れのシミがある場合も注意しておきたい。

クローゼットの中に関しても、注意して見ておく。クローゼットは常に閉めていることが多く、結露しやすい場所なので、シミや汚れが発生しやすいという。

クローゼット内部

「物件見学で重要なポイントは、限られた時間で情報収集をすること」と語る安藤さん。自分自身で情報を集めるのが難しい場合は、管理会社やリフォーム会社といった不動産のプロに依頼することも大切だという。プロからの意見を取り入れて、良い物件を選ぶための見極め方を学んでいきたい。

※本物件情報は一部編集しています。
※物件所有者に許可を得て撮影しています。

(楽待新聞編集部)