PHOTO: papa88/PIXTA

物件の仕入れ方法の1つとして、「競売」に参加する個人投資家も少なくはない。

前回の記事では、競売に参入する方法や3点セットの見方など、「競売不動産投資のはじめの一歩」を学んだ。

今回は、実際に入札する際、どのように値をつけたらよいのかについて、不動産競売の研究会を主宰する河野正法さん監修のもと、確認していこう。

 

「収益」と「売買」の2つの目線で

入札価格を検討する際に重要になってくるのは、「収益目線」と「売買目線」の2つの目線だ。

収益目線とは読んで字のごとく、投資家として、物件をいくらで落札すれば収益物件として運営していけるのか、という目線。周囲の類似物件の家賃相場を調べ、利回りを計算して導き出す。この時、運営コストやリフォーム費用、購入時の諸費用なども差し引いて入札価格に落とし込まなければならない。

一方、売買目線とは、地元などの不動産業者がその物件に入札し、転売差益を狙った時に、どの程度の価格付けをするのか、という目線だ。

競売に参加し、物件に入札するのは個人だけではない。むしろ不動産業者が転売できる物件を仕入れにやってくることがほとんどだ。そのため、投資家としての収益目線だけでなく、売買目線を考える必要が出てくる。

まずは周辺の不動産会社が、類似物件にいくらの売値をつけているのか、店頭のチラシなどを使って確認をしていく。その価格をもとに、利益やリフォーム費、諸経費などを差し引いて入札価格を算出していく。

一般的に、不動産業者は20~30%ほどの利益が乗るように価格を調整することが多い。

また、こうした地元業者はエンドへの売却価格が比較的高くつけやすく、高額な大規模修繕費用もかかりにくい築浅物件を狙うことが多い。築20年ごろまでの物件では、安く仕入れて転売を狙う業者と競合する可能性が高まることは念頭に置いておきたい。

過去データも参照

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