「成功した不動産投資家を徹底的にまねする」ことで自身の成功につなげていきたいというエリックさん。現在、師事している投資家のうちの1人が「ふかぽん」さん(31)だ。築古戸建て物件を無借金で買い進め、現在は約20戸を所有。物件をDIYで修繕して貸し出す手法をとっており、YouTuberやDIYスクールの主宰という一面も持っている。

不動産仲介業などに勤めた後、2019年から専業大家となったふかぽんさん。無借金で築古戸建てを買い進め、年間家賃収入は約840万円

エリックさんが前述した「5万円物件」を購入したのも、ふかぽんさんが千葉県いすみ市に25万円で購入した物件を見たのがきっかけ。「ふかぽんさんの物件は外観も古いし、床もないし…と私からすると問題だらけに見えました。でも、その物件でも入居者はつけられると言うし、ふかぽんさん自身がDIYで安く修繕しているのを見て、『今まで紹介を受けたボロ物件をお断りしてきたのは、なんてもったいなかったんだろう』と衝撃を受けました」と振り返る。

そんなふかぽんさんに触発されて、エリックさんもDIYによる修繕や、激安築古物件の購入をすぐに実践した。しかし、自身を「不器用」と言うとおり、まだまだ失敗やわからないことだらけ。ふかぽんさんの物件でDIYを習いながら、吸収している真っ最中だ。

ふかぽんさんがいすみ市に購入したのは、木造2階建ての築古戸建て。雨漏りのために床の下地が腐ったのか、畳が沈み込んでしまっている。押し入れや、玄関の床も抜けていた。仲介会社は入っているものの、ほとんど個人間売買に近く、「築年数もよくわからない」とふかぽんさんは笑いながら説明する。物件概要だけを見て、内見などはせずに即座に買い付けを入れたそうだ。

ふかぽんさんが25万円で購入した物件の1階。雨漏りの影響で床の下地が腐り、畳が沈み込んでいる

そんなふかぽんさんは、DIYも徹底的に無駄を省き、平均20万円で仕上げるという。クロス貼りも下地処理はせず、また、窓枠塗装でもマスキングや下塗りは行わない。「例えば壁であれば、(新しく)白くなっているのが目標。最終的に白くなっていれば、手段は選びません。貸せない物件にいくらかけてもリフォームしても意味がないし、逆に言えば、ボロ物件を拾ってきても安く直して、2万円で貸せればそれは投資になる」(ふかぽんさん)

DIY上達のコツは「やり続けること」

取材をしたこの日、エリックさんはふかぽんさんの25万円物件で、窓枠などの塗装や壁のクロス貼りを教わっていた。貼りは2回目というエリックさん。塗装の仕方やカッターの使い方など、基本的なところを注意されながらも、もくもくと作業を続ける。

「不器用」だと自分で話していたエリックさん。ふかぽんさんに、カッターの刃の折り方など、初歩的なところから教えてもらう

「大人になると注意してもらえることって少ないから、ありがたいですよね。それに、プロではなくて、DIYをしている大家さんの一言というのが大きいです。いい意味での手の抜きどころと、しっかりしなくてはいけないところがわかるので、勉強になります」

一方、ふかぽんさんはエリックさんについて「吸収がとにかく早い」と評価。DIYなど効率の悪いと思う部分もあると言うが、「ついこの間まで『200万円以下の物件なんてあるんですか?』って話していたのに、その1週間後には5万円の物件買ってるんスよ。『いきなり結果だすのやめてもらっていいスか?』って本人には伝えたけど(笑)」

作業中に見せていた全員の真剣な表情は、休憩時には和らぐ。お揃いのパーカーを着て作業をするさまは、まるで「学園祭」の準備だ

この日も幾度かの失敗を繰り返し、そのたびにふかぽんさんがやさしく、時に厳しく、丁寧に指導。「カッターはめちゃくちゃ苦手」と話していたエリックさんだったが、挑戦し続けるうちに「少しずつ、上達してきたと思うんですよ」と話す。

ふかぽんさんも、DIYのコツを「やり続けること」と断言する。「僕も人の10倍失敗してきたんで。でも、トライアンドエラーを繰り返して、物件まるごと直して、ようやくできるようになってきたんで」。それを聞いたエリックさんも、再び挑戦する意欲を見せていた。

ぜいたくが好きだから、遊んで暮らしたい―。将来を問うと、エリックさんはそんな風に返した。「遊んで暮らすためには、年間家賃収入2000万円くらいは欲しい」と笑う。これを達成するために、2025年までに戸建てを30戸購入することが目標だ。「1カ月に1戸は買いたい」と、日々物件探しや内覧に勤しむ。

サンリオが好きで、東京に住んでいた頃は週に2回、多摩市のテーマパーク「サンリオピューロランド」に通っていたほどだったが、千葉に越してからは訪れていない。それは、「あえて」だという。「今は、遊ぶフェーズじゃない。今は不動産投資を頑張って、お金が貯まったり、落ち着いたりしたら、好きなことをしてお金を気にせずに暮らしたいですね」

いわゆる「フツウ」のサラリーマン投資家とは違うかもしれない。しかし、自らの好きなこと、自らの望む人生を体現させるべく努力を続ける姿も、不動産投資の1つの正解の形だろう。

■動画(後編・「ボロ戸建界のKING」もア然!? 不器用大家がDIY挑戦)

 

(楽待新聞編集部)

○取材協力
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