コロナショックに世界中が揺れる中、不動産業界へはどのような影響が予測されるのか。業界歴20年以上で、不動産鑑定士の資格を持つ浅井佐知子さんに、リーマンショック時の業界の動きを交えて語ってもらった。(取材日:3月26日)
コロナショックで下がる物件の特徴
浅井佐知子
不動産鑑定士の資格を持つ不動産投資コンサルタント。不動産業界に20年以上身を置き、土地の有効活用や不動産売買、不動産コンサルティングなど計5500件以上の案件をこなしてきた。著書に『世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生』(ソーテック社)。
――新型コロナウイルスの影響がかなり広がってきました。不動産業界ではどのようなことが起きていますか。
これは実需での話ですが、買う人のマインドがすごく落ち込んでいるようです。契約が決まっていたにも関わらず、前日になって「ちょっと様子を見たい」「もしかしたら(価格が)下がるかもしれないのでキャンセルしたい」という話が何件も出ていると。
投資用不動産については、今の段階ではこうした話はまだ耳に入っていません。投資用不動産の場合、とにかく「融資がどうなるか」次第だと思いますが、個人投資家が活用している金融機関については、今のところコロナショックで融資姿勢が変わった、というような話も聞いていませんね。
――そもそもコロナショックの直前、日本の不動産価格はどのような状態だったのでしょう。
この図は、東京都にある中古マンションの成約平米単価の推移をまとめたものです。アベノミクスが始まって、都心のマンションを中心に単価がどんどん上がり、いまは最高値にあります。
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2020年、世界中を大混乱に陥れている新型コロナウイルス。経済への影響も甚大で、リーマンショック級の災禍に見舞われるとの見方も出ています。そうした中、不動産への影響はどうなのか? 編集部の取材記事をお届けします。
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