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政府は4月7日、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を出した。

対象区域となるのは、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。これにより、各都府県の知事は「緊急事態措置」として、住民に不要不急の外出自粛を要請することができるように。また、学校の休校や、映画館、百貨店、ショッピングモールなどへの休業の要請、指示なども可能だ。

特措法に基づく緊急事態宣言は今回が初めて。不動産業界への影響はどのようなものが想定されるのか。東京都に取材し、不動産会社にも話を聞いた。

不動産会社に「休業要請」の可能性は?

6日夜には東京都の小池百合子知事が記者会見を開き、緊急事態宣言の発令後、どのような施設に休業要請などを行うのかなどについて触れた。

小池知事によると、対象となる施設を「1.基本的に休業を要請する施設」「2.施設の種別によって要請する施設」「3.社会生活を維持するうえで必要な施設」に分類。それぞれに必要な対応を求めていくという。

2020年4月6日 東京都知事記者会見資料より。具体的な施設の種類等については現在、国と調整中のため、変更の可能性あり

そうなると気になるのが、不動産会社の店舗は上記3類型のうちどれに当たるのかという点だ。

楽待新聞編集部の取材に対し、都の担当者は「企業活動を止めていただきたいと言っているわけではない」と回答。全体としてメールや電話を活用したテレワークの推進や、人と対面する場合にもできるだけ距離を開けるなどの工夫を求めた。

売買や管理を含めた不動産業についても同様との認識だが、一方で「例えば雑居ビルなどに店舗を構えている場合などで、その雑居ビルに対して施設の休業要請が行われた時には、(休業要請などの)適用となる可能性もある」(防災対策課)という。

詳細については現在国と調整している最中だが、「緊急事態措置の詳細を発表後に、自分たちの業態や店舗が対象となる可能性があるのか、多数の問い合わせが来てしまうことも想定している」と明かす。

「引っ越し」は不要不急の外出か

一方、不動産オーナーからすれば、今後入居予定だった入居者の「引っ越し」の扱いも気になるところだろう。またこの4月以降に引っ越しを控え、すでに準備や荷造りなどを進めているという人もいるかもしれない。

かねてから「不要不急の外出」は自粛が求められており、緊急事態宣言の発令後は各都府県知事によりさらなる外出自粛要請が出ることも考えられる。そうした中、「引っ越し」に伴う外出などについてはどのように考えるべきなのだろうか。

これについて前出の担当者は「ケースバイケースだが、例えばすでに前の住居引き払ってしまっているとなれば、日程変更は難しい。そういうケースでは(引っ越しを)進めていただくしかない」と語り、「日程を動かしづらいかどうか、という点が1つの判断基準にしてほしい」と述べた。

不動産会社はどう受け止めているのか

緊急事態宣言の発令を控え、対象エリアの不動産会社はどのような備えをしているのか。いくつかの会社に話を聞いた。

東京都で一都三県を中心に収益物件の売買仲介・賃貸管理を行っている不動産会社会社の営業担当Aさんは、「なるようにしかならない」と冷静に受け止めている。

「世の中の流れに合わせていくしかないと思っています。東京都ではロックダウンのような措置は取らないようですが、世間のムードが『外に出るな』となればそれに従う。今はやれることをやれる範囲でやるだけです」

一方、物件を預けているオーナーからは「緊急事態宣言が発令されたら管理業務はストップするのか」という問い合わせもいくつか受けているという。これについては「万が一、本当に一切の外出を一切禁じられたとしたら、水道業者や電気関係の業者など、トラブル対応をしてくれている外注先の動きもすべて止まる。そうなったらもうどうしようもできないでしょうね」と話した。

(楽待新聞編集部)