前回から続く)

これまで2回にわたり、コロナショック下の不動産融資の現状について紹介してきた。先行き不透明な状況の中で、融資流れの案件が増えるなど、金融機関の融資姿勢が厳しくなっているという情報も増えている。投資家400人を対象にしたアンケートでは、今後の融資姿勢に関する予測は「緩くなる」の22%に対して「厳しくなる」が55%と、悲観的な見方が目立った。

不確実性の高い情勢で、現場の銀行員たちはどのような心境で動いているのだろうか? 今回は、楽待コラムニストの中で現・元銀行員の不動産投資家6人にインタビュー。これから投資用不動産向け融資はどうなる? 「ショック時」に銀行員のマインドはどう変化する? いま、不動産投資家はどう動くべき? 銀行員と投資家の視点を併せ持つ彼らの見解を紹介し、今後の不動産融資情勢を推測する。(※個別にヒアリングした内容を基に座談会形式で構成しています)

【取材協力】

仮面銀行マンKさん
某銀行で支店長を経験した後、本店審査部門の中核を担い、約30年の行員生活を経て2016年末に退職。現在は不動産投資の傍ら、銀行融資などに関する塾も展開している。

投資家SAさん
メガバンクでの融資担当業務歴20年。在職中の2011年から不動産投資を開始し、2017年10月にリタイアを達成した。2019年7月に念願の宅建業を開業し、現在はより専門性を追求中。

サラリーマン大家のTAKAさん
かつてメガバンクで法人営業などを担当、現在は金融系企業に勤務し、全国の融資動向に詳しい。一棟アパート3棟と区分2室を所有し、株式や投資信託、FX、仮想通貨など投資経験も豊富。

FP大家さん
地銀に長年勤めている現役銀行員で、現在は支店審査部門の管理職を務める。自身も戸建て2戸と区分2室を所有し、FP技能士1級としてコンサルティング活動の幅も広げている。

アンダーズさん
かつて東海地方の地銀に7年勤務し、現在は大手不動産管理会社に勤務。一棟アパート複数棟を所有し、金融・不動産業界の経験を生かした手堅い不動産投資を実践している。

元地方銀行員大家さん
東海地方の地銀に7年間勤務し、現在は不動産管理会社で働く31歳のサラリーマン大家。東海3県で築古戸建に絞って11戸を所有し、無借金経営を続けている。

「影響は軽微」「早くて1年後」「出しにくくなる」…

――新型コロナウイルスの影響で、投資用不動産向けの融資はどうなっていくと考えますか?

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