世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大する中、アメリカやイタリア、イギリスなど海外の主要都市では次々に都市封鎖(ロックダウン)が実施されている。強制的な外出禁止や生活必需品以外の店舗閉鎖など、人々の生活や経済に大きな影響を及ぼしている。

「まるで戦時中」「テレビでは連日、地獄絵図のような映像」「日本とは危機感がまるで違う」

3月23日からロックダウンが始まったイギリスに滞在中のライター、ジョーダン・美奈さんはそう語る。死者数が1万人を突破したイギリスでは、どのような規制が行われ、市民生活にはどのような影響が出ているのか。日本人が教訓にすべき点はあるのか。

日本で戸建や区分マンションを所有する不動産投資家としての視点も含め、現地の様子や不動産への影響についてリポートしてもらった。

突然のアナウンス

ロックダウンの「予告」は全くなかった。

ロックダウン前のイギリスは日本同様、強制力のない自粛要請が出されていたものの、多くの人はパブで大騒ぎし、ショッピングモールは人であふれていた。テレビでは毎日のようにコロナ関係のニュースが流れてはいたが、イギリス人の特性なのか、コロナの話をしても冗談レベルというような状況だった。

そんな中、ジョンソン首相が国内全土でのロックダウンをアナウンスしたのは3月23日の夜。突然の発表だった。その時は、それが自分たちの住む国、住む家といった人生を左右するほどのインパクトがあるとまでは思っていなかった。

アナウンスの翌朝から、街の様子は一変した。

一夜明けて外に出ると、食品など生活必需品を扱う店、そして郵便局や薬局以外のほぼすべての店が閉まっていた。病院以外の公共施設も同じだ。飲食関係ではテイクアウト専門店のみ開いているが、それ以外は軒並み閉まっている。「ゴーストタウン」と呼ぶのにふさわしい様相だった。

毎晩賑わっていたイギリス中のパブも、ロックダウン後は店を閉めた

指示に従わなければ逮捕も

会員限定記事です

この記事の続きを読むには、会員登録が必要です
会員登録(無料) ログインする