「先週と今週だけで3軒買ってるから、今、物件いくつ持ってるのか、ちゃんと数えないとわかんないんスよね(笑)。25軒はいってないのかな?」

そんな風に笑いながら答えるのは、「ヤンチャ大家」「ボロ戸建てKING」を名乗り、「利回り50%以下はありえない」と言い放つ不動産投資家、ふかぽんさん(31)だ。完全無借金で戸建て中心に物件を購入し、ほぼDIYで修繕。自主管理も行い、入居付けも自分自身でこなす。2016年の不動産投資の開始時からこの手法を貫き、現在、年間家賃収入は1000万円に上るという。

「いつかは本当の『戸建てKING』になりたい。戸建てといったらふかぽん、という風になりたい」と野望を話すふかぽんさんの不動産投資手法、そしてその考え方に迫った。

 

売り物件には即問い合わせ、「1軒100万出したくない」

「あ、売り物件ある」

ふかぽんさんの所有物件取材のため、車に同乗させてもらっていた時だった。急にふかぽんさんがそう呟いた。車をUターンさせ、物件前の看板に書かれた不動産会社の電話番号をスマートフォンで撮る。車を停められる場所に移動すると、すぐさまその番号に電話をかけた。

「もしもし、戸建ての看板見てお電話したんですけど…この物件、価格おいくらなんですか?」

売り物件を見つけ、車をすぐさまUターン。その場で問い合わせる

不動産会社の回答は「1290万円」。その返答に「ありがとうございます」とお礼を伝えて電話を切ると、「そんな値段、全然出せない」と即断していた。

売りに出ている物件に現地で問い合わせることもあれば、知人や不動産会社からの紹介で買うこともある。だが、「ネットで、普通に安い物件ありますよ。皆さんスルーしてるだけで」と、ポータルサイトで物件探しも頻繁に行う。

ふかぽんさんの購入基準は、価格と立地。「価格は220万円以下と決めています。でも、今は1軒あたり100万円も出したくないですね」。傾いている物件でも、価格がその物件に見合うと思えば購入すると話すふかぽんさん。コンビニや学校、病院などが近くにあるかどうかも見ていると語りつつ、最近は「割と適当で、何も見てないけど買っちゃったりしてる(笑)」とも。

絶対に買わない物件は「事故物件」だそうだ。「オバケ怖いじゃないスか」と笑う。

借金に抵抗感、ノンレバスタイルを始めたワケ

もともとは、書籍「金持ち父さん貧乏父さん」を読んだことで不動産投資に関心を抱いた。「立ち止まっても、家賃が振り込まれるシステムが確立されていることが良いと思います。投資の王道で、安定していますよね」とその魅力を語りつつ、にやりと笑ってこう言った。

「それと、自分的に家いっぱい持ってるって、カッコイイと思って(笑)」

インタビューにも、笑顔で答えてくれた

大学を卒業してから中古車販売業、不動産仲介業、運送業と職を転々としたが、転職にはなんの抵抗もなかった。「不動産投資の道に進むって決めていたから、就職先はどこでも良かったんです。その時に自分がその会社にいる必要がないなと思えば、働く場所を変えてきました」。不動産投資をしたい。思いを抱えながら貯金に励み、2016年、ようやく1軒目となる戸建て物件を現金で購入した。

価格は200万円。4万9000円で貸し出しており、利回りは29.4%となる計算だが、「こんな利回りじゃ、恥ずかしくてもう買えない(笑)」という。

初めて買った物件は、利回り29.4%(写真中央)

「現金購入での投資を始めたのは、やっぱり、最初から思いっきり借金するというのに抵抗があったからです。それに、小さく始めれば、失敗しても小さい事故で済むと思ったので。現金購入だと売買の話も早いし、そうやってぽんぽんやっていくうちに、『このスタイル気持ちいいな』と思って、ずっと続けています」

「自分が行動、スピードで押し切る」

無借金を貫き、現在は戸建てを中心に25軒ほどの物件を所有する。今後も融資を組む考えはないという。「お金を貸してもらう以上は、頭を下げなくちゃいけないですよね。そのスタイルが自分には合わないんです」

重視するのは「自分の自由」だというふかぽんさん。「学校とか向いてないんスよ。ダメって言われるとやりたくなっちゃうし、逆に強制されるとやりたくなくなっちゃう性格なんで」と話す。

現金での不動産投資の場合、資金効率が悪く、拡大のスピードが遅くなることから敬遠する人もいるが、「自分自身がスピーディに行動して、(その懸念も)押し切ればいい」と言い切る。事実、この2週間でも3軒というペースで買い付けを入れており、購入した後は複数の現場でDIYでのリフォームをこなす。

もともと手先が器用で、DIYのような作業も好きだったという

壁紙貼りや根太の引き直し、風呂釜の入れ替え、アンテナ取り付けなど、ほぼすべての作業をDIYで行うふかぽんさん。効率よく、住むために最低限必要な修繕を行うことを第一に考えており、1軒あたり「最大でも30万円かからないくらいで修繕できる」と話す。

所有するのは築古物件が多く、一度購入した物件の売却は考えていない。それぞれの物件の利回りが50%以上になることを重視し、修繕も30万円かけないとあって、「細かいシミュレーションを組む必要はありません。赤字には絶対にならない。絶対負けないんで」