経験豊富な不動産投資家が、物件見学の際にどこをどのように見ているかを「モニタリング」する本企画。

今回、物件見学の様子を見せてもらうのは、八木エミリーさん。不動産投資歴は4年ということだが、これまでの総投資額は7億5000万円、年間家賃収入は7000万円という。

今回、八木さんが見に行く物件は、埼玉県内にある駅徒歩25分の一棟マンション。

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駅からは遠いものの、外装はリフォームしたばかりということでとても綺麗な状態だが、そんな物件見学において、八木さんが重要視するポイントはどこだろうか。その様子を見ていこう。

 

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物件資料チェック

「そもそも、物件を見に来る、物件を直すということはあまりしない」という八木さん。「それよりも、収益にかかわる数字を重視して判断することが多いです。物件見学もほかの方と比べてざっくりしていると思います」という。

八木さんが物件資料でまず確認するのは、駅から物件までの距離。今回の物件は最寄り駅から徒歩25分と遠いが、このように車で移動することが考えられる場合には、車だとどのくらいかかるかも把握するという。今回の物件は、駅から車で7分30秒ほどだった。

物件までの道のりでは、周辺に学校や店舗をはじめ、どのような施設があるのか、道の広さは十分かなどもチェックする。

重視するのは積算価格だといい、物件資料に書かれた住所から、積算価格がどのくらいになるのかも事前に計算しておくという。

通常だと、八木さんは事前に物件資料とともに修繕履歴とレントロールも確認するそうだ。その際には、同じような間取り、築年数などの条件の物件を賃貸物件のポータルサイトで検索し、レントロールに書かれた家賃が相場とかけ離れていないかも調べているという。

物件見学に訪れる際には、「動きやすい服装で行く方が良いと思います。私はいつも、シャツとデニム、スニーカーで行くようにしています」と話した。

外観チェック

全面的なリフォームがなされたばかりということもあり、外壁のチョーキングもなく、きれいな状態の物件。タイルが一部欠けている箇所はあったが、「外壁がちょっと欠けたところで気にする入居者さんもあまりいないので、私はスルーしています」と八木さんは話す。

タイルが一部欠けている

各戸に設置されたインターフォンは古いものと新しいものが混在していた。八木さんは「古いものは入居者さんの入退去の時に買い替えなくてはいけないですね」と指摘する。

同様に、給湯器についても製造年月日や使用期限を確認し、どのタイミングで入れ替える必要があるかなどを考えるそうだ。

古いインターフォン(左)と、新しく付け替えられているインターフォン(右)

共用部の階段では、鉄部にさびがないかどうかをチェック。塗装のし直しを考える時期の目安は、「自分の手で触りたいかどうか、ということを簡単な基準として設けています」と話した。

自身の物件では階段の踊り場などでウォールステッカーやフェイクグリーンなどの飾り付けを行うという八木さん。「ただ、こうしたことができるのは、管理会社と密に連携が取れていたり、自宅からの距離が近かったりする物件に限られます。そうした物件で飾り付けのできるスペースがあるとオーナーとしても利用できてとってもいいな、と感じます」

室内チェック

室内もきれいにリフォームされていたが、そんな中で八木さんは細かな点を確認していく。例えば押し入れの戸が少しガタついていたり、ふすまに小さな汚れが目立ったりしていたため、「売り主さんに交渉できる場合は交渉してみたほうがいいと思います」。

キッチンでは、排水部分に蓋がされているかどうか、水を出してみて、漏れてこないか、換気扇が動くかどうかなどを確認した。

排水部分にしっかりと蓋がされている

また、浴室の天井裏を見る投資家も多いが、女性である八木さんは「背が届かないし、無理して見なくてもいいかな、と思います」と話す。一方で換気扇がきちんと動くかどうかは煙の出るものを近づけたり、ティッシュペーパーを当ててみたりして確認するそうだ。

前述の通り、「あまり物件見学を細かくしない」という八木さんだが、それでも物件を見る際には大切にしているポイントもある。

「大きな数字に響く箇所はきちんと確認します。大規模修繕が必要な箇所なのか、そうではないのか。自分で少し手を入れれば直せるのか、そうではないのか。DIYなどをしなくても済む物件かどうか、ということを基準に判断をしていきます」

また、室内は購入後に管理会社とやり取りしながら直していくことができるため、「物件を買うか買わないか」というフェーズである物件見学時には、外観のチェックをより重視しているそうだ。

さらに、自分では直すことのできない立地や過ごしやすさ、周辺環境や駐車場の数などもポイントだと話し、「これから物件を見学するという方は、ぜひ、物件につく前からが勝負だ、ということを頭に入れていただきたいです」とアドバイスした。

 

※本物件情報は一部編集しています。
※物件所有者に許可を得て撮影しています。

(楽待新聞編集部)