ガラボロ物件投資家兼「空き家再生人」の広之内友輝さんが、空室に悩む大家さんのもとに突撃!

今回訪れたのは、三重県津市。相談者の岩島さんが競売で購入したという築31年の一棟マンションは、外観は綺麗だったものの、中は残置物が大量にあり、空室が続いたことも重なってボロボロの状態だったそうです。この物件をどうにか再生させて、年内に募集までこぎつけたいということで、広之内さんと一緒に戦略を考えます。

物件概要

物件の悩み

これまで戸建てや区分などの物件を競売で購入してきた岩島さん。今回、初めての一棟モノに挑戦し、「自身の集大成」と位置付けています。

築31年の一棟マンションは1階部分が店舗。2階以上は事務所や、もともと入居していた店舗の社宅などとして使われていたそうですが、2年ほど前からは店舗も含めて全空室に。

落札後、ゴミ屋敷化していた部屋の残置物の撤去や清掃、階段・廊下の高圧洗浄のほか、屋根の防水工事も行ったという岩島さん。予算は全体で500万円。現在は、住居部分のリフォームをどのようにすべきか、悩んでいるそうです。

築古再生は「やらないところ」を考える

室内では、「最低限のリフォームをしたい」という岩島さん。現在考えているのは、和室の洋室化、和式トイレの洋式化、クロスの張り替え、水栓交換、扉交換や塗装などだそうです。広之内さんも岩島さんの考えには同意し、「ガラボロ物件の再生は、何をやらないか、ということが重要です。直すべきところを挙げれば、キリがないですから」と話しました。

例えば廊下のシートなどもはがれてしまっていますが、こうした細かい点も含めて一棟まるごときれいにしようと思えば、予算内には収められません。「どこにお金をかけるかより、どこにかけないかを考えるのが大切になります」(広之内さん)

 

最上階の廊下には、なぜか大量の「へびのおもちゃ」が…。天井裏にハトが巣を作ってしまい、困った岩島さんがせめてもの対策にと、あらゆるところに設置したそうです。「ハトは専門業者に頼むのが妥当です…」とへびに驚きながらも、広之内さんはアドバイスしました。

物件に稼いでもらいながら直す

広之内さんと岩島さんは、今回の物件で「安く直し、目をつぶるところには目をつぶり、生活保護受給者もターゲットにしながら、安く貸し出す」という戦略を立てました。

そんな中で、広之内さんは「自分の物件の売りを考える際には、『DESH』を考えるべきです」と話します。

広之内さんの言うDESHとは、Design(デザイン)、Economy(経済性:安さなど)、Security(防犯性)、Healing(癒し:家庭菜園やペット可など)の4つ。こういった観点で、自分の物件の売りにできるポイントはどこなのか、どういった強みを見出していけるかを考えることが大事だと説きました。

 

また、今回は予算が500万円ということで、「まずは埋められそうな、例えば4室を先に直して家賃収入を得る。そしてそのお金で次の部屋を直して…という戦略も考えられます」と広之内さんは言います。特に店舗部分や元事務所はリフォーム費用が高額になることが見込まれるため、「後回し」にすることも重要だそうです。

広之内さんからのメッセージ

今回は、「競売のリスクヘッジ」と「物件の修繕費を物件に稼いでもらう」という2つの大切なポイントを、岩島さんと共に学ぶことができる回となりました。

競売物件は内見ができず、裁判所が用意した物件明細書の記載内容で入札の可否を判断しなくてはいけない点が最大のリスクです。明細書に入居者の諸権利などは記されていますが、占有者の事実関係や居室、設備状態などは、通常の売買と比較すると、圧倒的に情報量が足りないのです。

一方、情報量が足りないリスクの影響(おかげ?)で、価格が安い点がメリットです。以前は通常の売買より3割は安いといわれていましたが、法整備もあり不法占拠者などのリスクが減少、また、ネットでの情報公開(BIT)システムが整備され、以前より手軽に書類が入手できるようになったことに伴い、最近では以前ほどのうま味が無くなってきている傾向にあります。

そんな競売物件の「リスクが分からないリスク」をどのようにヘッジするか。最大の武器はなんといっても「いざいという資金」の確保、これにつきます。

競売は、競争相手がいなければびっくりするほど安く落札できる場合がありますが、直しの費用の方が高かったなどということは良くあります。以前、私が2000万円で入札を検討したRC4階建ての物件では、修繕の見積もりが7000万円で、びっくりしたことがあります(笑)。

今回は「いざという時の資金」を最低でも200万円は持っておく必要を改めて感じました。5年ほど放置していれば、配管などの痛みが相当進んでいると考えられます。いざ開いてみると、あちこちからプシュー! と水が噴き出す…なんてよくある話です。ですので、いざという時の資金はなるべく多い方が安心なのです。

今回、自己資金は500万円と伺っていました。仮にここから200万円もいざという資金にまわすと、物件の修繕費が不足します。

こんなときは、いっぺんに物件を修繕せず、300万円で直せる部屋だけ直します。残りの修繕費は、直した部屋が稼いでくれた資金で直すという方法が有効です。直し方によりますが、大体4部屋としましょう。4部屋入居すれば、年間100万円以上のキャッシュフローが生まれるはずです。2年間かけてお金を蓄え、そのお金で残りを修繕すれば自己資金の初期投資額を抑えられます。

いっぺんに、急ぐ必要は全くありません。2~3年かけて満室にできれば素晴らしい利回りの物件となり、売却も可能になると考えます。ぜひ、手元にお金を残しながら、稼いでくれた家賃収入で少しずつ回収を進めてください。満室の報告を楽しみにしています!

相談者・岩島さんの意気込み

今回の物件は、競売というリスクの高い方法で物件を購入したため、思ったよりも、リフォーム費用がかかりそうだということが分かりました。

物件の特性をよく考え、広之内さんから教えていただいたDESH(Design、Economy、Security、Healing) を考えると、この物件の強みは、Economyだと思いました。Economyに重点を置いて、リフォームするべきところではなく、リフォームしないところ(しなくても良いところ)をよく見極め、強みを生かせる物件に仕上げたいと思います。

また、予算のことも考え、出来るところから徐々に、そしてスピード感をもって取りかかりたいと思います。今回は、遠方まで、どうもありがとうございました。

リフォーム戦略や、空き家の客付けなど、広之内さんに聞いてみたい質問がある方はぜひこの記事のコメント欄にお寄せください

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(楽待新聞編集部)