副収入を得たいと、不動産投資に目を向けるサラリーマンは多い。しかし、不動産投資を始めた誰もが、思い描いたように成功できているわけではない。
不動産投資で失敗する1つの要因に、投資家自身で収益や支出をきちんと把握、計算できていないことがある。
サラリーマンが家賃収入を目的に不動産投資をやる以上、収支を予測し、リスクを織り込んでシミュレーションをしなくてはならないのだ。
そこで、不動産投資歴20年の不動産投資家「テリー隊長」に全面協力をいただき、「初心者が必ず知っておきたいシミュレーションのすべて」をテーマに、新連載をスタートする。
<登場人物紹介>
テリーさん
50代半ばの不動産投資家。IT企業A社の元社員。20年前に不動産投資を始めた。50歳で会社を早期退社し、不動産賃貸経営を行いながら、悠々自適の生活を送っている。
楽太君
30歳のサラリーマン。A社に勤務し、以前テリーさんの下で働いていた。素直で好奇心旺盛な性格。将来になんとなく不安を覚えて、不動産投資に興味を持ち始めた。数字は少し苦手。
◇
将来に不安を感じ、これを解消するために不動産投資に興味を持ち始めた30歳のサラリーマン・楽太。
彼は、かつて一緒に働いていた大先輩で、不動産投資で生計を立てている「テリーさん」の存在を思い出し、久しぶりに連絡をした。テリーさんは快く楽太の相談に乗ってくれることにー。
不動産投資シミュレーションで「時間旅行」
「テリーさん、お久しぶりです! お元気ですか?」
「楽太君、久しぶり。僕は毎日なんとか楽しくやっているよ。君も相変わらず元気そうだね」
「僕もぼちぼちって感じですかね。仕事もなんとかやってます。ところで、今日はお時間いただいちゃってありがとうございます!」
「構わないよ。なんだか、不動産投資のことで相談があるんだって?」
「そうなんです。実は最近、将来のためにお金はあるに越したことはないと思って、いろいろ調べてたんですよね」
「ほう」
「そうなんです! そしたら不動産投資で資産形成できるって広告があったんで、これいいかもって勉強始めたんです。節税にもなるし、保険代わりにもなるし、老後も安心だって言うんで、僕もやりたくって。テリーさんにいろいろ教えてもらいたくて連絡しちゃいました」
「…うーん。君が本当に不動産投資を理解できているのか不安だなぁ。まず、僕は不動産投資では数字を見ることがとても大事だと思っているんだけど、君はどう思う?」
「そりゃもちろん、物件がいくらなのか、いくら収入があるのかは大事ですよ」
「もちろんそれも大事なんだけど…。その物件に投資をしたら本当に儲かるかどうかは、いろんな数字を考えながら計算しないといけないんだよ」
「…僕、あんまり数学得意じゃないんですけど…」
「そんなに難しい知識は要らないよ。いくつかの基本事項さえ押さえれば、誰だって不動産投資シミュレーションはできるようになる。そして、このシミュレーションこそ絶対にやらなくてはいけないことだ」
シミュレーションをする目的は?
一般的にシミュレーションとは、現実に想定される条件を取り入れて、実際に近い状況を作り出すことです。つまり、いろいろな条件を設定して、結果がどのようになるか調べることがシミュレーションの目的です。
では、不動産投資でシミュレーションをする目的とは何でしょうか?
プロフィール画像を登録