不動産投資歴20年の不動産投資家「テリー隊長」全面協力のもと、「初心者が必ず知っておきたいシミュレーションのすべて」をテーマに基礎知識を学んでいくこの連載。

第4話は、不動産投資のキャッシュフローを考える上で非常に重要な「税金」の基本的な知識を学びます。

<登場人物紹介>

 テリーさん
50代半ばの不動産投資家。IT企業A社の元社員。20年前に不動産投資を始めた。50歳で会社を早期退社し、不動産賃貸経営を行いながら、悠々自適の生活を送っている。

 楽太君
30歳のサラリーマン。A社に勤務し、以前テリーさんの下で働いていた。素直で好奇心旺盛な性格。将来になんとなく不安を覚えて、不動産投資に興味を持ち始めた。数字は少し苦手。

第3話から続く)

不動産投資に興味を持ち始めたものの、どうにも知識が乏しいサラリーマン・楽太。そこで、会社の大先輩で、不動産投資家のテリーさんに教えを請いながら、不動産投資で失敗をしないためのシミュレーションを学ぶことになった。

前回は、「収入と経費」の違いを学び、楽太はキャッシュフロー計算に必要な2つのステップを学んだ。その中でテリーさんは、「税率を把握することが大事」と指摘する。

★前回のおさらい★

・シミュレーションを行うための第一歩は、「不動産収入になるもの」「経費になるもの」を把握すること
・不動産賃貸業をしていく中で、入ってきたお金は収入、必要になり負担したお金は経費
・所得を計算し、その所得に応じた税金を求めることで、キャッシュフロー計算ができる

★今回の目標★

・サラリーマンの「所得税」の求め方を理解する
・累進課税の仕組みを理解する
・給与の所得と不動産の所得を合わせて、税金が算出されることを理解する

累進課税の恩恵を受けているって…


「今回は、『所得に応じた税金を求める』ために必要な税率について学んでいくよ。所得税は累進課税なんだけど…」 

 


「収入が多い人ほど税金が高くなるっていうアレですね。あっ、そうだ! テリーさん、僕は累進課税の恩恵を受けてる、って言ってましたよね!」

 


「覚えてたのか」

 


「当然です!それって、暗に僕の年収が少ないって言いたいわけじゃないですよね!?」

 


「ごめんごめん、ばれちゃった?」

 


「まったく、もー! ひどいじゃないですか! こうなったら、絶対に不動産投資で成功して、高額所得者になってやる!」

 


「まあまあ。まずはじっくりと不動産所得の税金(所得税と住民税)の税率ついて勉強してみようよ」

「源泉徴収票」って何が書いてあるの?


「ところで、お願いしていた君の源泉徴収票はもってきてくれたかな?」

 


「はい。持ってきました。でも、なんで不動産投資シミュレーションに、給与の源泉徴収票が必要なんですか?」


「順番に説明していくよ。まずは、楽太君のサラリーマンの源泉徴収票を、図を使って分解してみよう」

※なお今話においては、いずれも計算を簡略化するため「復興特別所得税」は考慮に入れていません。ご了承ください。

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楽太君の源泉徴収票を分解すると下図のようになります。

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