不動産投資歴20年の不動産投資家「テリー隊長」全面協力のもと、「初心者が必ず知っておきたいシミュレーションのすべて」をテーマに基礎知識を学んでいくこの連載。
第5話は、不動産投資を始める際に大きな課題の1つとなる「融資」について、基本的な知識を学びます。
<登場人物紹介>
テリーさん
50代半ばの不動産投資家。IT企業A社の元社員。20年前に不動産投資を始めた。50歳で会社を早期退社し、不動産賃貸経営を行いながら、悠々自適の生活を送っている。
楽太君
30歳のサラリーマン。A社に勤務し、以前テリーさんの下で働いていた。素直で好奇心旺盛な性格。将来になんとなく不安を覚えて、不動産投資に興味を持ち始めた。数字は少し苦手。
◇
(第4話から続く)
不動産投資に興味を持ち始めたものの、どうにも知識が乏しいサラリーマン・楽太。そこで、会社の大先輩で、不動産投資家のテリーさんに教えを請いながら、不動産投資で失敗をしないためのシミュレーションを学ぶことになった。
前回、サラリーマンが不動産投資をしたときの「税金」を学んだ楽太は、シミュレーションに使うための「税率」の求め方を習得したのだった。
◇
★前回のおさらい★
・サラリーマンの所得税は、「給与所得」から「所得控除」を引いた「課税所得」を求めることで計算できる
・サラリーマンが不動産投資をした場合、給与の所得と不動産の所得を合わせて、税金が算出される
★今回の目標★
・不動産投資に「融資」を使うメリットとデメリットを理解する
・それぞれの金融機関の特徴を知る
・融資審査で見られるポイントを知る
・融資の情勢はその時々で異なることを理解する
物件を買うお金、どうしたらいいの?
「楽太君、物件を買うお金はどうしようと思っているの?」
「そこなんですよね。社会人になって10年近く、一生懸命貯金したんですけど、なかなか…」
「不動産投資で資産を増やしたいけど、資金がないと始めようにも始められないよね。1つの案としては、貯金の範囲で安めの物件を購入して、徐々に物件を増やしていくこともできるよ」
「えっ。貯金の範囲って、そんなに安い物件があるんですか?」
「貯金額がいくらかにもよるけど…物件によっては楽太君でも十分に買えると思うよ。もちろんメリット・デメリットはあるけどね」
「そうなのかあ…でも、不動産会社が紹介してくれる物件には、『提携ローンがつきます』っていうのも多いですよね?」
「そうだね。僕もそうだったけど、銀行から資金を借りて、不動産投資をするサラリーマンがたくさんいるのも事実だ」
「ということは、銀行から融資を受けることは可能なんですね」
「そうだね。でも、銀行から融資を受ける前に知っておかないといけないことがいくつかあるから、ここで勉強しておこう」
融資利用のメリットとデメリット
「まずは、融資を受けることのメリットとデメリットについて考えてみよう。簡単にまとめるとこんな感じかな」
「メリットの1つ目はレバレッジだ。つまり、レバレッジ=てこを使うということ」
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