不動産投資歴20年の不動産投資家「テリー隊長」全面協力のもと、「初心者が必ず知っておきたいシミュレーションのすべて」をテーマに基礎知識を学んでいくこの連載。

第6話となる今回は、融資条件について、さらに深掘りしながら学んでいく。

<登場人物紹介>

 テリーさん
50代半ばの不動産投資家。IT企業A社の元社員。20年前に不動産投資を始めた。50歳で会社を早期退社し、不動産賃貸経営を行いながら、悠々自適の生活を送っている。

 楽太君
30歳のサラリーマン。A社に勤務し、以前テリーさんの下で働いていた。素直で好奇心旺盛な性格。将来になんとなく不安を覚えて、不動産投資に興味を持ち始めた。数字は少し苦手。

第5話から続く)

不動産投資に興味を持ち始めたものの、どうにも知識が乏しいサラリーマン・楽太。そこで、会社の大先輩で、不動産投資家のテリーさんに教えを請いながら、不動産投資で失敗をしないためのシミュレーションを学ぶことになった。

前回、不動産投資における「融資」の基本を勉強した楽太は、今回、テリーさんからさらに深掘りをした「融資条件」について学んでいく。

★前回のおさらい★

・不動産投資で融資を使うことには、メリットもデメリットもある
・金融機関や時代の違いによって、融資姿勢や条件は大きく異なる
・金融機関は、投資家と物件に対して「ストレス」をかけて、融資審査を行う

★今回の目標★

・返済方法、金利、返済期間、頭金といった、融資の諸条件がキャッシュフローにどのように影響するかを理解する
・自身の不動産投資の目的を鑑みて、どのような融資条件が良いかを考える

最高8.5%も、バブル期の金利


「楽太君。前回、1990年ごろに起きた平成バブルでは、金利がすごく上がったといったけど、どれだけ上がったか分かったかな?」

 


「はい。ネットで調べたら、1991年に住宅ローンの変動金利が最高8.5%になったって書いてありました」

 


「正解! 今は1%を切る金利がほとんどだけど、こんなに上がったんだね」

 


「今では想像がつかない数値ですね…。こんな金利で、よく住宅ローンを使って家を買おうと思う人がいましたね」

 


「僕もまだ社会人になったばかりで不動産のことはあまり知らなかったけど、高い金利でローンを組んでも、家の値段がどんどん上がっていたから、いつか売れば大丈夫って思っていた人も多かったね」

 


「へえ~」

 


「サラリーマンによるワンルームマンション投資も大人気で、都内で数千万円もするようなワンルームマンションが、飛ぶように売れていたよ」

 


「考えられないです」

 


「今は昔の話だけど、いつまたバブルのようなことが起こるかもしれないから、そのことは頭の隅には置いておきたいよね」

 

元利均等返済と元金均等返済の違いって?


「前回は融資を受けるために知っておきたい基礎知識を学んだけど、今回は、実際に融資を受ける時のさまざまな条件について勉強してみよう」

 


「はい!」

 


「まずは融資の返済方式だ。例として、このような新築アパートに融資をしてもらうと仮定しよう」


「この借入金を返済するときの方式には2つある。元金均等返済元利均等返済だ」

 


「何が違うんですか?」

 


「融資の返済は、元金(がんきん、もときん)と金利に分かれているのは知っているよね」

 


「えーっと、元金はもともと借りたお金、金利は銀行に支払う利息ですよね」

 


「うん。では、図を見てみよう。どちらも融資金額は5400万円だけれど、元金均等返済は、月々の元金は一緒で金利が年々減っていく。元利均等返済だと、月々の元金+金利の総額は一緒だけど、その内訳の金利が年々減って、元金が増えていく方式だよ」

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