PHOTO: テラス/PIXTA

金融機関の融資姿勢は、依然厳しい状況が続く。特にサラリーマン不動産投資家に対する融資は、一定以上の金融資産や年収が求められ、なかなか承認を得ることができないと嘆く人も少なくない。

そのような中で、少額で始めることができ、現金購入も可能な「戸建て投資」で不動産投資のスタートを切ろうとするケースが増えてきた。確かに初心者が始めやすく、メリットも多い戸建て投資だが、当然デメリットやリスクもある。思わぬ出費がかさんだり、入居が決まらず損切りを選択した投資家も。戸建て投資におけるリスクや注意点を取材した。

人気が高い500万円以下、70~80平米の物件

実際のところ、投資家からの戸建て需要は本当に伸びているのか。この疑問に対して、「最近、確かに戸建ての問い合わせは非常に多い」と話すのは、戸建てや一棟アパートなどの収益物件を販売する不動産会社「すみだ不動産」(墨田区)の伊藤勝代表だ。

特に問い合わせが多いのは、500万円以下で、70~80平米の広さの物件。単身者と比べ、比較的長期入居が見込めるとされるファミリー層の需要が多いため、投資家からの人気が高いのだという。

戸建て物件投資の魅力は、一棟物件と比べて、販売価格や発生する諸費用が小さく始めやすいことだ。

デメリットとなるのは、価格が安く築年数が古い物件が多いため、金融機関が融資をしてくれないことだ。基本的には現金で買うことになる。

戸建て物件でスタートを切ろうとする投資家が多い現状に接し、前出の伊藤氏は「安易な購入はしないでほしい」と警鐘を鳴らす。

戸建てを購入した投資家から、売却の相談も受けることもあるという伊藤氏は「購入前の概算以上に、リフォーム費用が発生することがわかり、費用の工面に苦労する人や、長期間入居付けをしていてもなかなか入居者が見つからないと悩む人もいます」と指摘。

高い利回りで物件を運営するため、DIYをしようと意気込む投資家も少なくないそうだが、本業の傍らのDIY作業はそう簡単ではない。中途半端なリフォームをすれば、入居者に迷惑がかかってしまうこともあるため、注意が必要だと伊藤氏は話す。

「初めての不動産投資なら、オーナーチェンジの物件からスタートするのも1つの手です。取り組む物件の難易度が高いと、途中で力尽きてしまう方が多い。通帳に毎月家賃が振り込まれる体験をしながら、賃貸経営を学んでほしいと思います」

「想定以上の出費と手間」

購入前には、費用や工数に対して楽観的なシミュレーションをしがちだ。だが、いざ購入してみると、「想定以上の出費と手間がかかった」と話す投資家は多い。東北地方在住の不動産投資家Aさんも、そうした経験を持つ1人。これまで一棟アパートを数棟所有してきたが、今年2月、初めての戸建て物件を購入した。

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