22歳で不動産投資を始め、20代のうちに家賃年収6000万円を達成。その経験を生かして不動産会社に転職、営業責任者としても活躍し、2018年には自身で不動産会社「コスモバンク」を立ち上げた、穴澤勇人氏(33)。

総投資額は約30億円。現在、同社が所有する物件から得られる家賃収入は約3億円で、月間で1500万円以上のキャッシュフローを生み出している。

築古木造や築浅RC物件、現金購入と融資など、ポートフォリオのバランスを考えながら、「王道」を貫く穴澤氏が、今回、約10年かけて築き上げた自身の不動産投資戦略を明かした。

不動産投資で、毎月1500万円もの手残りを得ているコスモバンク株式会社の穴澤勇人社長が、自身の不動産投資ノウハウや金融知識をYouTubeでわかりやすく解説します。公開された動画は100本以上。ぜひご覧ください。

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22歳で不動産投資を開始、5年で家賃年収6000万円に

―穴澤さんが不動産投資を始めたのは22歳だそうですね。

20歳の時、自宅を買ったのが初めての不動産購入ですが、収益用という意味では、約10年前の22歳の時に約3200万円のアパートを購入したのが最初です。その後、個人では最大13棟を所有して、27歳くらいの時に家賃年収6000万円を達成しました。ただ、2016年から17年にかけて売却したので、現在の個人での所有物件数は7棟ですね。

―現在は、ご自身の不動産会社での賃貸業メインということですが。

はい。2018年に自分で不動産会社を立ち上げました。買取再販や管理の事業もありますが、自分の不動産投資に対する考え方をそのまま引き継いでの賃貸業も行っています。現在会社では約25棟を所有し、年間の家賃収入は約3億円、年間1億8000万円ほどのキャッシュフローになっています。

―総投資額はいくらになりますか?

総投資額は、現金買いの物件も含めて30億円ほどでしょうか。保有物件の2~3割は現金購入です。現金購入の物件は共同担保とかいろいろ使い道もありますし、利回りが良ければ投資分がすぐに回収できるし、便利なんですよ。会社の損益ラインを上回った、余剰の3000万円でアパートを買ったりと、うまく現金と融資のバランスを取るようにしています。

―どんな物件を所有しているんですか?

木造と軽量鉄骨造の物件が合わせて5割くらい、鉄骨造が2割くらい、RC造物件が3割くらいですね。旧耐震の築古物件もありますし、土地値以下の物件もありますし、立地が良くて出口に困らない物件もあります。さまざまな組み合わせですね。

これまでいろいろな投資家さんを見る中で、積算価格を重視する方もいましたし、築古物件専門にやっている方もいましたが、やはりそれぞれメリット・デメリットがあるので、私はハイブリッド型が良いと思うんです。

―返済比率や物件の稼働率を教えてください。

現金でも購入しているので、返済比率はおおよそ50%以下になっています。物件の稼働率は、購入したばかりの全空物件なども含めて、91~92%程度だと思います。

「暇つぶし」で手に取った経済誌

―ここからは、穴澤さんの経歴についてお聞きしたいと思います。22歳で不動産投資を始めたということですが、昔から投資に興味があったんですか?

いえいえ、野球ばかりの少年時代でした(笑)。野球選手として食べていけば良いと思っていたので、野球以外は、漫画を読むくらいしかしていなかったと思います。そんな感じで中学3年生までで一通り漫画を読み終えてしまって、読むものがなくなったので経済誌に手を出しました。そこで、ようやく「投資」というものがあると知ったんです。

雑誌を読んで、「株式投資って面白いな」とか、「不動産ってこんなメリットがあるんだ」とか、少しずつ興味を抱き始めた感じです。

―不動産以外で、初めて投資を行ったのはいつ頃ですか?

16か17歳の頃だったと思います。祖父か親か、どちらかの口座を貸してもらって、お小遣いやお年玉の20万円ちょっとで始めるような形で。最初のうちは、株価が上下する根拠みたいなものは、なんとなくしかわかっていなかったんです。でも18歳で株の師匠みたいな人に出会えて、やり方を教えてもらっているうちに、利益が2、3000万円にまでなったんです。すごくラッキーだった。

でも、ラッキーで稼げてしまったからこそ、「やばいぞ」と思ってそこで本格的に勉強し始めました。

―なぜ「やばいぞ」と思ったんですか?

そんな稼げるような能力はなかったのに、たまたま3000万円を稼げちゃったわけです。身の丈に合っていない金額を手にしてしまって、ギャンブルに突っ込んだり、危ない橋を渡ったり、人生が狂ってしまう人がいることはなんとなくわかっていたんです。だから、きちんと大金を使える知識を持った人間になろうと勉強を始めました。税金のことも徹底的に学びましたよ。

―その利益を物件購入に充てて、不動産投資を始めたのでしょうか?

そうですね。自分で利益をコントロールすることは株だとなかなか難しい。税金や資産のコントロールがしやすい不動産投資も始めました。1棟目は3000万円のアパートを購入したんですが、自己資金として入れた約1000万円は株式投資で稼いだお金です。

穴澤勇人…コスモバンク株式会社代表取締役。22歳で不動産投資を始め、27歳で家賃年収6000万円を達成した。その実績をもとに不動産営業マンに転職し、2018年に独立

雨漏り、床に穴…中を見ずに買った1棟目

―最初の物件は、どのような物件だったんでしょうか?

千葉県我孫子市にあった、約3200万円のアパートでした。政策金融公庫から2000万円を借りて購入したんですが、購入時の利回りは15%くらいだったと思います。 家賃3万5000円の2LDKが12世帯あるアパートです。でも、実はこの物件、室内を見ないで購入してしまっているんですよね。

―室内を見ずに購入して、大丈夫だったんですか?

大丈夫じゃなかったです(笑)。買って中を見たら、水漏れはあるし、カビは生えているし、床が腐って穴が開いていた部屋もありました。だから売れ残っていたんでしょうね。若くて知識と経験のない私は、きっといいカモだと思われたんだと思います(笑)。

だけど、「利回りがいいってことはリスクがあるのは当たり前だよな。不動産投資ってこんなものだよな」と妙に納得していました。当時22歳で若かったし、職人の友達もいたから、「こんな物件でも再生させれば問題ないだろう」と動き出すことができました。

―リフォームにはどのくらい費用がかかったんですか?

DIYで床を貼ったりもしたんですが、外壁塗装も併せれば結局400万円くらいはかかったと思います。でも、リフォーム後には家賃が2万円アップの5万5000円になったんですよ。だから、リフォームにお金をかけても利回りが20%を超えました。

実は近隣の相場は本来5万5000円だったんですよね。もともとの家賃設定がおかしかったんですが、家賃のヒアリングもせずに購入していたので、最初は気づいていませんでした。

―この物件を購入したことは後悔していますか?

もちろん、今だったら絶対に買わない物件ですね。でも、後悔はしていません。成功を目指して最短距離を進みたいのは当然ですが、どの道が最短かなんて、わからないじゃないですか。もしかしたら遠回りだったかもしれないけど、「失敗したな」と思った経験が、次回、新たな課題に直面したときに生きるかもしれない。穴が開いているなら直してフローリングを貼ればいいとか、防水施工を頼むときはこういう風に頼めばいいとか、経験は全部糧になるので。

だから、「絶対に失敗したくない」という人は不動産投資に向いていないと思います。なんとかなる、くらいの感覚の人の方が向いているんじゃないでしょうか。

規模拡大の戦略

―1棟目以降は、どのように規模拡大をしたんでしょうか?

そのころ収益物件を取り扱っている業者は今ほど多くなかったですが、不動産会社に行って物件紹介してもらったり、楽待みたいなポータルサイトをいくつも見たり。みなさんと一緒ですよ。

―融資を活用されていったんですか?

そうですね。まだ不動産に融資がバンバン出ていた時代だったので、すでに2000万円借り入れていましたが、公庫の残りの枠を使ったり、地銀を活用したり、ノンバンクも利用していましたよ。その時々で、使えるものをすべて使っていった形です。

投資初期に買って、残債が減った物件は共同担保に入れていたし、得た収益を頭金としてバンバン使っていたし、共同担保を使い切ったら、今度は現金で物件を購入する…ということを繰り返してきました。一法人一物件なんて真っ黒な手法は全くやっていないですからね(笑)。

ただ、スピード感を持って規模拡大できたのは、アベノミクスで、融資が出ていた時期に始めていたというのはあります。

―購入する物件について、「利回り○%以上」のような基準はどのように設けているのでしょうか?

基準はほぼありません。「まあまあ利回りが良さそう」とか「減価償却費を取るのにちょうどいい」とか、何か1つでも良い要素があれば購入します。ただ、2つだけ判断の基準にしている部分があって「入居がつくかどうか」と「お金をかければ直せるかどうか」です。不良入居者がいようが、全空だろうが買いますが、違法建築はお金では直せないので、買いません。

築古で、ぼろぼろの状態だった物件も購入

―入居がつくかどうかは、どのように見極めているのでしょうか?

物件の近隣を、徹底的に歩いて見て回ります。「きれいにしているけど空室の多い物件がある」エリアと「清潔感がなくて、まったく埋まっていない物件がある」エリアは全く別物ですからね。新築物件が空室だらけのエリアはそもそも需要がないですが、ではそのエリアでも家賃が安い中古物件はどうだろう? とかをリサーチしています。

あとは、自分のこれまでの経験と、賃貸仲介営業マンのヒアリングですね。こうした情報を総合的に判断しています。今まで空室が埋められなかったことは1度もないんですよ。

1日10行断られ…融資を受けるためにとった行動

―これまで、基本的には融資を活用しながら規模を拡大してこられたと思いますが、融資で苦労した経験はありますか?

独立して1期目の時は、本当に苦労しましたね。どこの銀行も決算書3期分を必要とするけど、1期目だから当然決算書がない。どこに行っても断られて、それは結構きつかったです。1日10行に行って、全部に断られたこともありました。

でも、1期目の終わりの時に、3億円の物件に融資を出してくれた信用金庫があって。当時のそこの支店長さんには、本当に頭が上がらないです。

―その支店長さんは、何を評価してくれたんでしょうか?

「人となり」だって言っていました。「心中する覚悟だ」って。その方は今もう役員になってしまいましたけど、すごい方だったと今でも思います。

―金融機関を開拓する上で、重要なことはなんでしょうか?

断られても、あきらめないことと、向こうが断れないようにすることですね。私は、断られたときも「どの条件なら融資を出してくれますか」と聞くようにしていました。先方に言われたら、頭金3割でも4割でも入れましたし、3000万円の融資を引くために、3000万円を預金担保として差し入れたこともあります。向こうがNOと言えない状況を作るようにしてきました。

厳しい条件でも融資OKであれば、それは融資が出たということ。その実績を1つずつ積み上げていくことが大事だと思います。なんの実績もなくフルローン、オーバーローンを希望する人もいますけど、ほぼ無理だと思ったほうがいいと思います。

―平均の金利はどのくらいでしょうか?

平均にならすと約2%ですね。0.9~3.8%くらいで借りています。実は、うちはあえて「金利は高くしてくれ」と支店長さんにお願いしているんですよ。だって、支店長の立場だったら、儲かる先に融資したいじゃないですか。だから、金利は高くしてくれていいから、その代わり融資期間と融資の絶対額を伸ばしてほしいと依頼しているんです。

―多くの場合、規模が大きくなるにつれて、金利は低くなる傾向があると思います。

みなさん、金利を下げる交渉をしろとおっしゃいますけど、私からすればナンセンスです。それに、高い金利できちんと返済する顧客だったら、次の融資だって絶対出したくなるじゃないですか。実は今さっきみずほ銀行から電話がかかってきたんですが、金利1.5%、20年の融資のOKが出ました。

―タイムリーですね。返済期間は20年が多いのでしょうか?

たまに10年など短いスパンで引くこともありますが、基本は最低20年ですね。私は、税引き後のキャッシュフローを最大化することに重点を置いているので、返済期間は長くとりたいんです。