不動産投資歴20年の不動産投資家「テリー隊長」全面協力のもと、「初心者が必ず知っておきたいシミュレーションのすべて」をテーマに基礎知識を学んでいくこの連載。

第7話となる今回は、減価償却とはどのようなものか、そして、気を付けるべき「デッドクロス」とは何かを学ぶ。

<登場人物紹介>

 テリーさん
50代半ばの不動産投資家。IT企業A社の元社員。20年前に不動産投資を始めた。50歳で会社を早期退社し、不動産賃貸経営を行いながら、悠々自適の生活を送っている。

 楽太君
30歳のサラリーマン。A社に勤務し、以前テリーさんの下で働いていた。素直で好奇心旺盛な性格。将来になんとなく不安を覚えて、不動産投資に興味を持ち始めた。数字は少し苦手。

第6話から続く)

不動産投資に興味を持ち始めたものの、どうにも知識が乏しいサラリーマン・楽太。そこで、会社の大先輩で、不動産投資家のテリーさんに教えを請いながら、不動産投資で失敗をしないためのシミュレーションを学ぶことになった。

前回までで不動産投資の「融資」の基本を学んだ楽太。次の項目として、自分で勉強する中で理解ができなかった「減価償却」とは何かをテリーさんに尋ねると…。

★前回のおさらい★

・融資の諸条件の変化で、キャッシュフローには大きな影響がある
・どの条件を選ぶかは、自身の投資計画を考えながら決めていく
・より良い条件を引き出すために、粘り強く金融機関と交渉することも重要

★今回の目標★

・「耐用年数」と「法定耐用年数」の意味、違いを理解する
・それぞれの構造ごとに異なる法定耐用年数を学ぶ
・減価償却の仕組みを理解する
・デッドクロスとは何か、なぜ起きるのかを理解する

耐用年数と法定耐用年数


「楽太君、今日は減価償却の話をしていくよ」

 


「この前オヤジギャグ言ってましたけど、『玄関で焼却』じゃないですからね」

 


「じゃあ、すごく寒い日に主賓が来るとか? …厳寒・正客…」

 


「絶妙に難しい言葉でのオヤジギャグはやめてください!」

 


「ははは。さて、突然だけど楽太君はニューヨークのエンパイア・ステート・ビルって知ってる?」

 


「エンパイア・ステート・ビルですか? 名前は聞いたことがありますけど…。アメリカにあるビルでしたっけ?」

 


「そう。1931年に完成した102階建て、ニューヨークで2番目に高いビルだよ」

中央右の最も高い建物がエンパイア・ステート・ビル(PHOTO: hiromichi /PIXTA)


「すごーい! 1931年完成って、90年も前に建った高層ビルってこと!?」

 


「鉄骨造で、今でも現役バリバリ。ニューヨークには、この他にも築100年以上の高層ビルがたくさんあるよ」

 


「へ~。100年以上はすごいなあ。ビルって、いったい何年ぐらい持つものなんですか?」

 


「定期的にメンテナンスを行えば、100年以上、場合によっては200年くらいはもつと言われているよ。ただ、老朽化すればメンテナンスコストが膨大になるから、解体、建て直しが検討されるんだろうね」

 


「200年! 人間の寿命をはるかに超えてますね」

 


「建物が利用に耐える年数のことを耐用年数というんだ」

 


「じゃあ、ビルの耐用年数は200年ぐらいと考えていいんですね」

 


「まあ、もしかしたらそうかもしれないね。でも、耐用年数に法定がついて、法定耐用年数になると話は大きく変わってくるよ」

この記事は会員限定記事です。続きは会員の方のみお読みいただけます。

会員登録(無料) ログインする