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大家なら誰でも退去は経験するが、いざ退去が出た時に原状回復をどこまでやればいいのか、どのぐらいの費用を掛けて良いのかわからないという人もいるだろう。

不動産投資Q&Aサービス「楽待相談室」では、「初めての原状回復で、まずは管理会社に任せようと思うが、どのような点を注意すればよいかアドバイスが欲しい」と、経験豊富な先輩大家から情報を募った人もいる。

この投稿に対して先輩大家からはどのような回答があり、相談者は実際にどのような修繕を行ったのか。今回は、原状回復に関する悩みを楽待相談室に投稿した不動産投資家2人に取材を実施。アドバイスを受けて、どのように対応することに決めたのかを紹介する。

初めての原状回復、管理会社の見積もりに不安

今年1月、1件目の物件を購入し、大家デビューを果たしたNさん。株式投資を以前からしていたが、不動産投資にも興味を持った。勉強するうちに事業として本格的にやっていきたいと思い、株式投資で増やした資産をもとに不動産投資をスタートした。

購入した物件は大阪府の築33年木造アパート。8部屋満室の物件を3000万円で購入した。各部屋を3万円の家賃で貸し出し、利回り9.8%で運営していた。しばらく満室が続くも、今年4月に1部屋退去となったため、はじめての原状回復を行うことに。

まず、管理会社に見積もりを依頼すると、総額14万円の修繕(クロス全面張替え、ハウスクリーニング、エアコンの洗浄、網戸の張り替えなど)になるとの提案を受けたという。管理会社から送られてきた物件の写真を見たところ、「天井や壁に目立った汚れや傷はなく、クロスを全面張り替える必要はないのではないか」と、管理会社が提示してきた見積もりの内容に不安を感じたNさん。

初めての原状回復のため、「まずは管理会社に任せて様子を見たほうがいいのか」と考えるも、自分の考えに自信を持てなかったNさんは、経験者の意見を聞きたいと思ったという。しかし、近くに知り合いの投資家や懇意の業者がいなかったため、「普段、物件検索で使っている楽待の『楽待相談室』なら、いろいろな方の意見が聞けるのでは」と思い、投稿に踏み切った。

あっという間に回答が6件も

楽待相談室への投稿を行ったのは「通勤でいつも乗っているバスの中」だったというNさん。今年デビューしたばかりの大家であることや、管理会社から提案された修繕概要などを説明しつつ、自身の考えも付け加え、30分かけて文章の推敲を重ね、投稿した。タイトルは「アパート1室の原状回復について」。投稿後、Nさんは、そのまま仕事へと向かった。

午前の仕事がひと段落し、お昼休みに投稿を確認したNさんは、「数時間足らずで6件の回答がきており、とてもびっくりしました」と当時の様子を振り返る。

修繕箇所の指摘や管理会社とのかかわり方など、寄せられた回答の数々が参考になったが、特に「ななころ」さんの回答には共感したという。

「今回、管理会社に修繕を任せようと思ったのも、まずはやってみて結果がどうなるか把握したいという考えがあったからです。ななころさんのコメントで、『理科の実験のように1つ1つ試して、確証を得ていくと良い』と、自分と同様の考えで大家業を進めている投資家がいることがわかり、自信になりました」と話した。

一方、回答者の1人である「投資自由人テリー隊長」さんは「デビューしたばかりの初心者は、写真だけで修繕の必要有無を判断せず、自身の目で確かめるべき」と回答。「良い賃貸経営をするなら、管理会社任せにせず、主体的に取り組んでほしい」とアドバイスを送った。

原状回復費用は結局いくらに?

もともとは写真だけで修繕の判断をしようと考えていたNさんだが、テリー隊長さんの回答もあり、やはり物件の状況を直接見る必要があると思い直す。その週末に管理会社の方に同行を依頼し、物件を訪問した。

「実際に現地を見て、天井や玄関と脱衣室の壁紙は目立つ汚れや傷が少なく、一部のクロス張替えで十分そうだと改めて判断できました」と現地に行くことのメリットを実感したという。

「他の方のアドバイスにもありましたが、修繕費をおおよその目安である家賃3カ月分にあたる9万円に抑えられました。初めての原状回復にしては及第点だったかな」と、今回のリフォームを振り返った。

6月初旬には募集から1カ月足らずで入居者が決まったと管理会社から連絡があり、取材時には喜びの表情を浮かべていたNさん。「正直、入居が決まるか不安でしたが、いただいたアドバイスで自信がつき、適切にリフォームできたことで早期入居につながったと思います。とりあえず入居が決まって一安心」と安堵しているようだった。

自主管理物件で初めての退去が

Nさんのように管理会社に管理を依頼している場合、具体的な修繕箇所などは業者から提案される。しかし、自主管理物件の場合は、退去にも立ち会い、どのような原状回復を行うかを自身で判断する必要がある。退去立ち合い時にどのような点を注意してみればいいのか、そんな悩みを楽待相談室に投稿していたのはSさんだ。

2年前に物件を購入し、不動産投資をスタートしたSさん。大半の物件を管理会社に管理依頼していたため、退去立ち合いはこれまで業者に任せていた。しかし、今回は自主管理する3階建て3DKの戸建て(家賃13万5000円)で退去があったため、自身で退去立ち合いを行うことになった。

当時に心境をSさんに聞くと、「今回の退去立ち合いは私が主導で進めなければいけないことに不安を感じていました」と話す。

「2年前にフルリフォームをしたばかりで修繕箇所は見つけやすいと思っていました。ただ、そもそも投資経験の少ない私が適切に見極めができるのだろうかと自信がなくて」と、初めてのことに戸惑っていたと当時を振り返った。また、入居者が小型犬を飼っていたことも懸念だったという。

不安を払しょくするために入念な準備は行ったという。「事前にネットをしらみつぶしに閲覧し、最低限の知識は習得して、やるべきことは理解できていました。ただ、やはり実際に経験している大家さんから具体的なノウハウやアドバイスを聞いておきたかったんです」

身近に相談できる投資家仲間もおらず、すぐに相談できる人を探していた時に、「楽待相談室」を見かけたという。「退去立ち合いについて」とタイトルを付け、「自身が主体となっての立ち合いは初めてなので、何かコツがありましたら是非アドバイスをいただきたい」と投稿。退去立ち合いの日程も迫っていたため、はやる気持ちだったが、すぐに6件の回答が集まった。

経験者だからこそ答えられる具体的なノウハウも

6件の回答には、退去立ち合い時に見るべきポイントや退去者への請求額目安など、「ベストアンサーを付けられないほど、どれも素晴らしい回答だった」とSさん。だが、その中でも「kazu21599」さんの回答が印象に残っているという。

「退去立ち合いの最初に、退去者に物件の不具合がないかをまず聞いておくべき」というkazu21599さんのアドバイス。Sさんは「私にとっては目からうろこが落ちるような回答でした」と話す。

「事前に退去者自身から不具合や気になる点を聞いておくことで、原状回復をする際の参考にできる。同時に、入居中の不満を聞くこともでき、より入居者の満足度向上につなげられる。このようなすぐに実践できるノウハウを求めていました」

また、回答者の1人である楽待コラムニストの「地主の婿養子大家さん」は、このお悩みをきっかけに、退去立ち合いに関するコラムを3回にわたって執筆。Sさんは、この3つのコラムも「事前準備で必要なことから大家として意識すべきことまで、かなり詳細に書かれていて、非常に役に立った」と退去立ち合い時の参考にしたという。今後、退去立ち合いの予定がある方はこちらからぜひ読んでみてほしい。

退去立ち合いの結果は?

退去立ち合い当日、Sさんは修繕を依頼予定の工務店担当者に同席してもらい、退去者とともに40分ほどかけて物件を確認した。「ペットによる臭いや傷を重点的に確認しました。臭いは問題なかったですが、壁や床には目立つ傷がいくつもありましたね」と話す。

結果的に、クロスの張り替え10万円、故障していたシャワーヘッドの交換2万円、クリーニング費用8万円の原状回復となった。ペットを飼育する条件として回収した敷金1カ月分と退去者に一部費用負担してもらうことで、問題なく修繕を終えられたという。

退去立ち合いと修繕を無事に終えたSさんは、「無料でこれだけの実践的なノウハウやアドバイスを得られることは期待以上だった」と話し、「今週、家賃滞納に関する相談を再度楽待相談室で投稿する予定です」と新しい悩みを投稿する旨を話してくれた。

今回は、原状回復に関する悩みを持ち、楽待相談室を活用した2人の投資家に取材を行った。2人とも「身近に相談できる人がいなかったため悩んでいたが、経験豊富な投資家から的確で参考になるアドバイスを得られて助かった」と話していた。

今回のように、原状回復やリフォームなどの悩みがある方は、ぜひ楽待相談室を活用してみてほしい。

 
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(楽待広報部)