画像=プラン・ドゥ提供

「かぼちゃの馬車」事件以降、不動産投資にはネガティブなイメージがつきまとうようになった。スルガ銀行による不正融資問題もあり、投資用不動産向け融資の引き締めに動く金融機関が増加、投資家にとって厳しい状況は今もなお続いている。

そんな中でも、金融機関から高い評価を得て、有利な条件で融資を受けている「新富裕層」と呼ばれる人たちがいる。年収にして2000万円超で、5000万円超の総資産を保有、ただし地主や二代目経営者ではなく、起業したり外資系企業でキャリアを積んだりして、自力で高い収入を得ている点が新富裕層に共通する特徴だ。

こうした新富裕層の投資家が不動産投資を行う場合、その高い与信力を最も有利に生かせるのはどのような投資なのだろうか? 郊外エリアで中古マンションの販売、仲介、管理などを手掛け、新富裕層への不動産を通じた資産形成サポートに力を入れている「株式会社プラン・ドゥ」の河合紘幸氏に聞いた。

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「バリューライン」が示す、中古・郊外・RCの優位性

―属性が高く、有利な条件で融資を引ける新富裕層はどのような物件を選ぶのがよいでしょうか。

結論から言うと、「中古・郊外・RC」の物件に中長期で投資することが、新富裕層の方には適していると考えています。実際、私たちも2003年の創業から一貫して、新富裕層のお客様に「中古・郊外・RC」の物件を提案してきました。

その最大の理由は、「中古・郊外・RC」の物件は「資産性と収益性のバランスが取りやすい」ということです。

―「資産性」と「収益性」とはそれぞれ何を指しているのでしょうか。

不動産投資には、「一棟か、区分か」「都市圏か、地方か」あるいは「新築か、築古か」などさまざまな選択肢があります。こうした手法の中から、どれが自分に最適であるかを判断するためには、不動産投資を「資産性」と「収益性」という2つの軸で考えるのです。そうすることで、それぞれの手法のメリット・デメリットがより鮮明になります。

以上を前提に、「資産性」と「収益性」について考えてみましょう。まずここで言う「資産性」とは、賃貸需要を決定付ける「立地の良さ」や、銀行が担保評価の基準とする「積算評価」のことです。例えば都心の駅近など、賃貸需要が根強いエリアのRCマンションなどは、特に資産性が高い物件と言えるでしょう。資産性が高ければ買い手が見つけやすく、売却がしやすくなります。担保余力があればそれを利用して他の物件を購入することもできるでしょう。

河合紘幸(かわい・ひろゆき)  株式会社プラン・ドゥ オーナーコンサルティングチームシニアマネージャー。同社の売買・仲介責任者で、これまでの取引実績は約100億円。資産運用のコンサルティングだけでなく、賃貸募集や管理など豊富な経験がある

一方で、どんなに資産性が高い物件でも、毎月のキャッシュフローがマイナスになってしまっては意味がありません。そこで重要になるのが、もう1つの「収益性」という指標です。収益性はシンプルに利回りやCFのことであると理解いただければ問題ありません。

ただし本来、この2つは、一方が増えれば一方が減るという逆相関の関係にあります。資産性を求めて都心のRC物件を選べば利回りは下がり、収益性は減少します。逆に高い利回りを求めて地方の築古物件などを選べば、今度は資産性が下がり出口が取りづらくなります。物件を選ぶ場合は、この2つのバランスを見ながら、どこを落とし所にするかを決めることになります。

―「中古・郊外・RC」の物件は、その落とし所としてもっとも良い、ということでしょうか。

それを表したのが、こちらの図になります。これは経営学の中で「バリューライン」と呼ばれている図でして、縦の軸が資産性を、横の軸が収益性をそれぞれ示しています。

この図では、左上の点は、資産性が高く収益性が低い都心RCマンションを、右下の点は、資産性は低いが収益性が高い地方木造アパートをそれぞれ表しています。そしてこの2つを線でつないだとき、ちょうどその中間に「中古・郊外・RC」の物件が位置するというイメージです。

ここでさらに注目していただきたいのが、「中古・郊外・RC」を示す点が、右斜め上の方向にずれていることです。これは、「中古・郊外・RC」の物件は、資産性と収益性がともに上振れして高くなる、という私たちの考えを示しています。

―「中古・郊外・RC」の物件は、なぜ資産性と収益性がともに高くなるのでしょうか。

いくつか理由があります。まずは「建物の質が高い」ことです。

これまでお話ししてきた「中古・郊外・RC」における「中古」は、平成元年前後に建築されたものを想定しています。いわゆるバブル期であり、この時期に郊外に建てられたRCは品質の高い物件が多いのです。

元々の質が高ければ、例えば築年数が30年超などと古くなっても、定期的にメンテナンスを行うことで長期にわたり賃料収入を得ることができます。また、将来に渡って競争力を維持できるという点もポイントです。これは、現在は当時に比べて建築費(人件費・材料費)が高騰しているので、バブル期並みの高品質な新築RCが周辺に建つ可能性が低いと考えられるためです。

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もう1つは、「エリア」です。「中古・郊外・RC」における「郊外」とは、都心への通勤圏となるエリア、具体的には、環状八号線と国道16号に挟まれたエリアを指しています。例えば東京都府中市や調布市、神奈川県川崎市や横浜市、埼玉県の川口市や戸田市、あとは千葉県の市川市や松戸市などです。

この国道16号線周辺は戦後、都市部で働く勤労者向けの住宅をまかなうため、国が大規模に開発を行ったエリアです。実際、1950年~1970年代にかけ、国道16号線沿いに多くの大規模団地が開発されています。

こうした政策の一環として、道路や公園、学校、上下水道などのインフラも整備されました。そのため住環境が整っており、長期にわたって「住みやすい街」として人々が生活してきた実績があります。したがってこのエリアは生活利便性が高く、都心へのアクセスに優れているため、幅広い層の賃貸需要に対応できます。

このような理由から、毎月のCFを確保しつつ、長期的な入居も見込めて資産性も確保できる「中古・郊外・RC」は、資産性と収益性のバランスが取れており、かつ、いずれも高くなるということが言えます。