経営再建中の賃貸住宅大手「レオパレス21」(以下、レオパレス)が、2022年3月期第2四半期決算を発表しました。
最終利益が6億円の黒字(前年同期は175億円の赤字)となり、施工問題が発覚する前の2018年3月期第2四半期以来、4年ぶりの最終黒字となりました。従来の中間最終利益予想は115億円の赤字でしたので、大幅な業績回復、黒字転換を果たしたことになります。
ではなぜ、レオパレスは黒字転換を実現できたのでしょうか。決算資料から探っていきたいと思います。
レオパレスは存続の危機を脱したのか?
まずは2022年3月期中間決算の資料から、売上高を見てみます。売上高は前期比で約90億円減少しており、その主な要因は「建築請負の減少」です。レオパレスは工事の受注をセーブしていますし、施工不良問題に揺れるレオパレスで新たにアパートを建築したいと考えるオーナーは極めて少ないと思われますので、これは当然と言えるでしょう。

(出典:レオパレス21「2022年3月期 第2四半期決算概要」)
一方で、売上総利益が増加しています。加えて販管費も、人件費を中心に50億円以上削減されています。この結果として、本業の儲けを示す営業利益は約8億円の黒字となり、3年ぶりに黒字に転じました。
この連載について
バックナンバーを見る
ブロガー、(自称)銀行評論家。現役銀行員であり、法人営業および人事業務に主に携わる。不動産証券化協会認定マスター取得および宅地建物取引試験合格。2017年よりブログ「銀行員のための教科書」を立ち上げ、銀行員のみならず一般の読者に金融関係の記事を発信中。
-
26
希望退職者募集のフジテレビ、頼みの綱は「不動産事業」
2021.12.13
25
4年ぶり最終黒字、レオパレスは存続の危機を脱したのか?
2021.11.16
PR
プロフィール画像を登録