
PHOTO: HAPPY SMILE / PIXTA
住宅ローンの金利負担を軽減するための「住宅ローン減税」をめぐり、控除率の引き下げなどの税制改正の行方に注目が集まっている。
住宅ローン減税は今年の年末に適用期限を迎えるが、報道によれば、政府・与党は期限を4年間延長した上で、控除率を現行の1%から0.7%に引き下げる方向で最終調整に入った。住宅ローン減税をめぐっては、住宅ローン金利の低下で控除額がローンの支払い利息を上回る「逆ざや」が一部で問題視されていた。
与党は今週中にも、2022年度税制改正大綱を取りまとめる方針。控除期間や適用対象基準なども同時に変更される可能性が濃厚になってきた。
住宅ローン減税とは
今回の改正のポイントに入る前に、住宅ローン減税の内容についてあらためて触れておきたい。住宅ローン減税は、住宅ローン借入残高の1%(年上限は原則40万円)を所得税から控除する制度。適用期間は通常10年間で、最大400万円が控除される。2019年の消費増税時、13年とする特例措置が設けられた。この特例は2020年末までに入居した物件のみが対象となっていたが、2021年度の税制改正で2022年末まで延長することが決まった。
一方、1%を下回る金利で住宅ローンを組む人も多く、支払う利息よりも控除を受ける額の方が多くなる「逆ざや」問題を会計検査院が指摘していた。同院によれば、1%を下回る金利で住宅ローンを借り入れている人の割合は約8割だった。今回の税制改正は、こうした「逆ざや」を是正する狙いがあるとされる。
見直しのポイント
それでは、今回の税制改正で見直しの対象となっているポイントを見ていきたい。
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