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「賃料を上げたい」という貸し主からの要望、あるいは入居者からの「賃料を下げてほしい」という要求、これらをひっくるめて、「賃料増減額請求」と呼びます。この時、双方の主張が折り合わなかったときは、争いになってしまいます。

不動産投資を行っていく上で、もしかしたらこうした争いにかかわる日が来るかもしれません。

今回の記事では、この賃料増減額請求権について、その要件と効果、特約の効果などについて解説します。最後には2021年度の賃貸不動産経営管理士試験問題も取り上げていますので、次回試験に挑戦したい、という方もぜひご一読ください。

賃料増減額請求とは?

民法では、所有する投資物件について、賃料をいくらにするのか、誰を入居させるのかは、賃貸人が自由に決めることができます。もちろん、入居希望者も自由に物件を選択できるので、法外な賃料を設定したら入居者が決まらなくなります。結果的には、その時の相場に見合った賃料で賃貸借契約が結ばれるのが普通です。

そして、民法の理論上は、「契約した以上、当事者はその内容に拘束される」のが前提なので、期間を定めて賃料額を決めた以上、それに貸し主も借主も拘束されるのが原則です。

しかし、建物賃貸借は数年さらには十数年に及ぶことも珍しくなく、経済動向や周辺環境、建物の劣化などにより、当初の賃料額が不相当になることもあります。その不相当な賃料額に拘束され続けなければならないとすれば、継続的な契約関係である建物賃貸借においては、妥当とはいえません。

そこで、借地借家法では、賃貸借契約の当事者が、一方的な意思表示によって賃料を増減することのできる権利を定めました。これを賃料増減額請求権といいます。

なお、こうした賃料増減額請求は、

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