PHOTO:curishin_65/PIXTA

「LGBT」という言葉は、今や当たり前になってきました。

念のために確認しておくと、LGBTは、「レズビアン(女性同性愛者)」、「ゲイ(男性同性愛者)」、「バイセクシュアル(両性愛者)」、「トランスジェンダー(こころの性と身体の性が一致していない個人)」の頭文字をとった、性的少数者の総称です。ここにさらに、性的指向や性自認が定まっていない人である「クエスチョニング・クイア」を加えて「LTBGQ」と呼ばれることも多くなってきています。

ただ、LGBTが認知されてきたといっても、当人たちが実際に生活していくのに当たって、いまだ困難が伴うことに代わりはありません。これは日本だけではないのでしょう。

余談ですが、筆者は2018年の韓国のブラックコメディ映画である『完璧な他人』を年始に視聴しました。あまり韓国映画は見る機会がなかったのですが、脚本も俳優さん達の演技も非常に素晴らしい映画でした。この映画でも、LGBTの方の生き辛さが描かれています。日本だけには限らないということでしょう。

このLGBTについては、徐々に認知され、社会が認めるようになってきました。これにより潜在的なニーズが顕在化し、それと共に問題も発生してくるようになりました。その1つが住宅ローンです。現在は主要な金融機関で、LGBT向けの住宅ローンが提供されはじめていますが、まだ課題は残されています。今回は、LGBTの住宅ローン事情について確認していきたいと思います。

LGBT向けの住宅ローンがつくられた背景

LGBT向けの住宅ローンについて紹介する前に、金融機関がなぜ、LGBT向けの住宅ローンを提供することになったのかということから説明していきましょう。キーワードは「SDGs(持続可能な開発目標)」です。

銀行をはじめとした金融機関は、SDGsを意識して経営を行っています。SDGsを無視しては、日本社会のみならず世界の中で生き残っていけないとの危機感が、背景にあります。ただ、このSDGsには、LGBTという表現はどこにも明記されていません。

SDGsは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の頭文字を取ったもの。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成される

一方で、SDGsの5番目の目標である「ジェンダー平等を実現しよう」には、当然にLGBTの問題も含まれると解釈されています。この目標は、ジェンダーに関する差別の撤廃や、暴力の排除を目指しているからです。また、10番目の目標である「人や国の不平等をなくそう」や、16番目の目標である「平和と公正をすべての人に」も、LGBTの問題に関係しています。

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