
PHOTO:Herophoto/PIXTA
日本銀行(日銀)は毎年4月と10月に、「金融システムレポート」を発表しています。このレポートは、金融システム全体の状況についての分析・評価を行うためのものです。
今年4月のレポートで日銀は、金融という切り口から日本の不動産向け融資にも触れています。日銀が、現在の不動産向け融資をどう見ているのかを知ることは、将来の市況を予測するヒントになるかもしれません。
公開から少し時間が空いてしまいましたが、今回は、日銀の金融システムレポートから、日本の不動産業の現在地について確認していきたいと思います。レポートから読み取れる3つのポイントを、順番に紹介していきます。
1.不動産業向け融資は「過熱」状態?
1つ目は、不動産向け融資が「過熱」状態にあるということです。
日銀は、日本のおカネの流れを「ヒートマップ」を⽤いて点検しています。このヒートマップは、⾦融活動の過熱によって生じる⾦融⾯の不均衡を、早期に把握することを目的としています。分かりやすく言えば、バブルが起きていないかをチェックするものです。
このヒートマップには全部で14の指標が示されています。

日銀のヒートマップ(金融システムレポート 2022年4月)
グラフの右端、21年の列を見ると、全14指標のうち10指標が過熱でも停滞でもない「緑」、そして4指標が、トレンドからの上⽅乖離が⼤きい=過熱状態にある「⾚」となっています。
現役銀行員・旦直土の「数字で読み解く不動産業界」
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日本銀行の視点で見る「不動産向け融資」の現状
2022.6.16
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