PHOTO:metamorworks / PIXTA

楽待では半期に1度、不動産投資家に対して融資に関するアンケートを実施している。前回は前編として、2021年10月~2022年3月までの半年間の融資動向について、約1400人の投資家に行ったアンケートの集計結果を紹介した。

後編では、集計したアンケート結果を受け、融資情勢に詳しい投資家がどのように感じたのかを見ていく。中には、金融機関担当者からさまざまな情報を直接仕入れている投資家もいる。

また、積極的に不動産融資を行う金融機関2行にも取材。金融機関の立場から、昨今の融資情勢や今後の展望をどのように見ているのだろうか。さっそく見ていこう。

条件クリアで、融資期間10年延長も

 浜松さん
 投資歴:4年
 総投資額:約4500万円
 年間家賃収入:500万円
 保有物件:一棟×2、戸建×2、区分×1

Q.今回のアンケート結果から感じたこと

融資を受けた投資家の属性や金融機関ランキングなど、アンケート全体を俯瞰して、融資のパターンは大きく3つに分かれると思いました。

1つ目は、年収500万円前後の属性で、不動産会社からの紹介を受けて購入希望者に融資をするパターンです。不動産投資未経験で、参入ハードルの低い区分マンションを購入する方が目立ちます。イオン銀行やSBJ銀行などのネット銀行を活用するケースが多いようです。

2つ目は、年収600万円以上でこれまでに借り入れがない方に対して、個人の属性を信用して融資を出すパターンです。四国系の香川銀行や徳島大正銀行、そしてオリックス銀行などが該当します。

3つ目は、年収1000万円以上などの高属性で、かつ不動産賃貸業の経験が豊富な方に対して融資を出すパターンです。横浜銀行、千葉銀行、きらぼし銀行などの地方銀行による融資が目立ちます。

Q.最近の融資情勢について

日本政策金融公庫は、支店によって融資姿勢が大きく変わるようです。渋谷・五反田・大森支店の担当者に話を聞きましたが、都心部では耐用年数を超えた物件への融資は一切受け付けていないようです。一方で、資産管理法人のある浜松支店では法定耐用年数越えの物件も対応していると聞きました。

とはいえ、アンケートでは融資事例の数が最も多かったわけで、初心者にとって日本政策金融公庫が活用しやすい金融機関であることは間違いありません。

居住エリアの支店に融資を申し込むことが原則ですが、例外的に勤務先の近くの支店であれば相談に乗ってくれることもあります。もしくは、勤務地までの乗換駅にある支店など具体的な理由があれば、別の支店で融資を受けられる可能性もあります。

Q.今後の融資情勢で気になること

金利上昇が最も不安です。現在30代前半ですが、生まれてこれまで金利が高い時代を経験したことがありません。当時の肌感が全く分からないため、金利が高くなる状況を正直全然イメージできません。

変動金利で融資を受けている物件もあるので、一定の自己資金が貯まったら、早めに繰り上げ返済をしてリスクヘッジしていくしかないと考えています。

金利上昇は目前か、早めに対応の検討を

 安藤新之助さん
 投資歴:約14年
 総投資額:約18億円
 年間CF:約1億5000万円
 保有物件:12棟195室

Q.今回のアンケート結果から感じたこと

融資が下りた方の年収や金融資産などを見ると、年収600万~800万円前後の方が5割近くに上っていました。積極的に動いているなという印象を持ちましたね。コロナショックの影響などから、本業以外に収入の柱を創ろうと努力しているように感じます。

年収800万円未満の層には、これまで堅実に貯蓄してきている方が比較的多くいます。過剰な借り入れをせずに融資残高がある程度残っている分、金融機関としては融資が出しやすい属性なのでしょう。そういった方たちが、徐々に不動産投資に参入してきている実感があります。

また、「金融機関ランキング(物件種別)の戸建て」部門で、地方銀行や信用金庫の名前が多くランクインしていた点は気になりました。おそらく、実需(自己使用目的)としての出口が見えやすいため、積極的に融資しているのかなと推測しました。

私も知人や投資家から相談を受けた際にアドバイスをすることがありますが、地銀や信用金庫には「地元への貢献」をキーワードに融資打診することが効果的です。

具体的には、戸建てを購入後、10年ほどの期間は賃貸として運用を続けます。その後、もし入居者が物件を気に入っていたら少し割安価格で売却して、さらに長く住んでもらうことができます。

つまり、投資家にとっては利益が確保できて出口も見える。金融機関にとっては、地元に根付いてくれる住民が増え、地域活性化になる。そのうえ、入居者が引き続き住宅ローンを組んでくれれば実績にもつながります。

地元の住宅供給に貢献できるという点は、担当者に耳を傾けてもらえるキーワードになるのではないでしょうか。

Q.最近の融資情勢について

最近注目しているのは、

会員限定記事です

この記事の続きを読むには、会員登録が必要です
会員登録(無料) ログインする