不動産投資家が購入する物件を検討するとき、ほとんどの場合、最初に確認するのが「物件概要書」や「レントロール」だ。これらの情報をもとにシミュレーションを行ったり、内見に行くかどうか判断したりする投資家は多い。
一方で、そこに書かれた情報をどのように判断してよいのかわからず悩む人が多いことも事実。この連載では、各回1人の不動産投資家に実際に物件資料を見てもらい、その物件をどう判断するのか、物件資料チェックの仕方を確認していく。基準や判断の方法は人によってさまざまだが、参考の1つとしてほしい。
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3つの物件、どう判断する?
今回確認するのは以下の3物件だ。いずれも神奈川県内にある中古の一棟アパートで、販売価格は3200万~4380万円となっている。
読者の皆さまは、これらの物件をどのように判断するだろうか。まずは、それぞれのマイソクとレントロールをチェックし、自分なりの基準で検討してみてほしい。
※注:いずれも、実際の売り物件をもとに楽待新聞編集部が作成した架空の物件です
■物件1:横浜市旭区一棟アパート
■物件2:鎌倉市一棟アパート
■物件3:読売ランド前駅一棟アパート
今回、これらの物件資料をチェックし、「購入を検討するかどうか」を考えてもらったのは、楽待の実践大家コラムニストで、都内城南エリアや神奈川県内を中心に不動産投資を行っている「しげお@」さんだ。
約4年半前に不動産投資を始め、現在はアパート4棟をはじめ、区分マンションや戸建て複数戸を所有。総借り入れは約7000万円、年間家賃年収は約1400万円だという。
普段の物件探しの段階では、インターネット上に記載されている物件のエリアや販売価格、周辺地域の賃貸情報を吟味。内見時には「ある程度心を決めた状態で」向かうと話す。そんなしげお@さんは、今回の3つの物件をどのように判断したのか。各項目を見る上で注意していることとは。
物件1:横浜市旭区一棟アパート
○魅力的に映る「利回り12%超」だが
1つ目にチェックしたのは、横浜市旭区にある一棟アパート。しげお@さんは「概要書を見て、ぱっと目に入ったのが表面で12.6%という利回りの高さ」という。
確かに物件概要書上、物件価格が3200万円に対して想定の年間賃料が404万4000円であり、想定利回りは12.6%となり、「これだけを見ると利回りが非常に高いな、という印象です」。だが、この数字が本当に正しいかどうか、資料を深く読み込む必要があると指摘する。
まず着目したのは、
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