写真提供:くらし計画

国民の約3人に1人が、65歳以上の高齢者となっている日本。今後も高齢化の流れは続いていくことが予想される。こうした動きに伴い、高齢者向け住宅への投資もしばしば話題となった。しかし、そうした投資について、詳しく知らないという方も多いのではないだろうか。

福岡、大阪、名古屋、首都圏など幅広いエリアで、有料老人ホームに特化した投資をプロデュースする「くらし計画」では、土地選定から内装、金融機関との交渉など、一般的にはあまり馴染みのない介護施設への投資のサポートを行っている。

老人ホームへの投資は、一般的なアパート、マンションへの投資とどのような点が異なるのか。「くらし計画」大阪支店長の浦田裕介氏と、網野光氏に、有料老人ホーム投資の実態について聞いた。

【くらし計画よりお知らせ】

本記事で紹介している「有料老人ホーム投資」について、興味のある方は以下のWebサイトよりお問い合わせができます。メールもしくはお電話での無料相談も受け付け中です。

>>お問い合わせはこちら

有料老人ホーム投資とは

─有料老人ホーム投資とはどのような投資なのか、教えてください。

簡単に言うと、老人ホームの運営会社に所有物件を1棟丸ごと借り上げてもらい、運営会社から賃料を得る、という投資手法になります。形としては、アパートや区分マンションのサブリースと同様です。

オーナーさんは、所有する土地と建物を有料老人ホームの運営会社に提供し、運営会社と賃貸借契約(マスターリース契約)を結びます。その後は運営会社が入居者を探し、入居者から賃料を含む利用料を得ます。それを原資にオーナーさんに賃料を支払う、という流れになります。

─アパートや区分マンションなどのサブリース物件との違いはどこにありますか。

アパートやマンションといった通常の賃貸経営と大きく異なるのは、有料老人ホームの運営には必ず、自治体などへ届け出が必要になる点ですね。

なお、サブリースですので、仮に満室でなかったとしても、契約に基づき満室相当分の家賃を受け取れる仕組みです。有料老人ホームの運営はすべて運営会社が行うため、オーナーさんは運営会社から月々の家賃を受け取るだけ、ということになります。いったんオーナーさんになれば運営のことはすべて運営会社に一任できるのが、この投資の魅力だと思います。

当社が提案する有料老人ホーム投資の場合、オーナーさんと運営会社が、20〜25年の契約を結ぶことが多いです。オーナーさんになられる方は、地主さんのほか、医師や経営者など富裕層の投資家さんがメインになります。ちなみに、有料老人ホームでは管理業者への委託費などが不要である点もメリットだと思います。

─有料老人ホーム投資における運営会社の役割について、もう少し詳しく教えてください。

有料老人ホーム投資の関係者は、大きく分けてオーナーさんと運営会社の二者です。この二者は、いわばビジネスパートナーにあたります。

運営会社は、オーナーさんから建物の引渡しを受けたら、有料老人ホームの運営をしつつ、オーナーさんに家賃を支払います。この「運営」には、入居者募集や日々のケアも含まれ、光熱費やスタッフの人件費負担などは運営会社が負担します。

初期投資額は約2億7000万円から

─有料老人ホーム投資の初期投資額を教えてください。

当社が提案する有料老人ホーム投資は、土地から新築をする方法がメインになります。建物は、建築費が抑えられる木造2階建てが主です。土地と建物込みで、最低でも約2億7000万円ほどの初期投資額となります。

有料老人ホームには、共用のトイレ(車いすトイレ)や浴室、食堂などの設備が求められます。そうした設備を整えつつ安定して収益を上げるためには、少なくとも30~40室ほどの規模が必要になります。土地面積でいうと700~800平米、延べ床面積で800~1000平米ほどが多いです。

有料老人ホームの共用スペース(提供:くらし計画)

また、当社でお付き合いのある運営会社は、規模的に大きすぎず小さすぎない、使い勝手のよい30~40室程度の施設を望まれるケースが多いです。運営会社のニーズを満たしやすい物件、という意味でも、30~40室程度を確保することが重要になります。

初期費用は土地代をいかに安く抑えるかにかかっていますが、立地によっては3億円を超えるケースもあります。ですから、それだけの融資を引くことに理解があり、属性の高いオーナーさんが求められます。

─新築するとなると、設計や施工などの業者探しも必要になります。

オーナーさんからの希望に応じて、当社が土地選定から建物の設計会社、運営会社とのマッチングなどを行っています。当社は全国に250社ほど運営会社との取引があるため、立地や建物の規模などによって最適な運営会社さんを選定し、ご紹介しています。

─オーナーさんが運営会社から受け取る毎月の賃料はいくらぐらいでしょうか。表面利回りやキャッシュフローなども教えてください。

実際には建物に何室あるか、契約金額がいくらかによりますので、利回りなどはあくまで一例になりますが、たとえば30室で、オーナーさんに支払われる家賃が1部屋あたり5万円の場合、月額150万円が運営会社からオーナーさんに入金されます。表面利回りは通常、6.5%〜7%ほどです。地主さんなど、ご自分で土地を持ち込まれた方はさらに利回りが高くなります。

有料老人ホームに適したエリアは

─高齢者向け住宅には、「サ高住」もあります。有料老人ホーム投資との違いはどのような点でしょうか。

サ高住に投資する場合、国から補助金が出るというメリットがありますが、一方で規制が厳しいという面もあります。たとえば1部屋の面積は18平米以上を確保する必要があるため、建物内に多くの部屋を作りづらいというデメリットがあります。

有料老人ホームの共用廊下(提供:くらし計画)

これは賃貸物件も同様ですが、部屋数が多い方が収益性は上がります。有料法人ホームにはサ高住のような補助金はありませんが、1部屋あたりの面積はたとえば15平米などでもよく、サ高住に比べて自由度があります。当社の手掛ける老人ホームの場合、1部屋の面積は平均して13平米程度です。

─有料老人ホームに適した立地はありますか。

有料老人ホームは、賃貸物件のように利便性の良い場所でなくても収益が得られるのも利点です。賃貸物件ですと、最寄駅からの距離や周辺環境が入居率に影響します。しかし有料老人ホームの場合は、毎日の通勤や通学は必要ありませんので、駅からある程度距離がある閑静な場所の方が好まれます。

とはいえ、ご家族の面会や日常の買い物などを考えると、あまりにも山奥では問題があります。目安として、郊外で幹線道路が近くにある場所、と考えていただければよいと思います。

─具体的な地名でいうと、どのようなエリアが適していますか。

関西の具体的な地名でいいますと、まず大阪市内での建設は土地値が高く、厳しいかもしれません。東大阪市、八尾市、門真市、寝屋川市、岸和田市、茨木市、高槻市あたりが適地になるでしょう。関東圏では、千葉県の柏市や松戸市、流山市、野田市、我孫子市、埼玉県の川越市、所沢市、入間市、狭山市などが対象となると思います。

他にも、愛知や福岡にも対象となるエリアがあります。愛知は名古屋市や一宮市、稲沢市、春日井市、尾張旭市、瀬戸市、長久手市、日進市、清須市、豊田市、岡崎市、刈谷市、みよし市など。福岡は、福岡市、春日市、大野城市、那珂川市、太宰府市、筑紫野市、小郡市、糟屋郡宇美町、糟屋郡須恵町、糟屋郡新宮町、古賀市、福津市、宗像市、糸島市などです。

─運営会社の収入源について、詳しく教えてください。

入居者が毎月払う月額使用料と、国から支払われる介護報酬が収入の大きな柱です。月額使用料は、規模にもよりますが、最低でも入居者1人あたりだいたい月11万5000円〜13万円ほどです。ここに家賃、食費、光熱費などがすべて含まれています。

なお、国からの介護報酬は、「このケアをしたら○点」のような点数制となっていて、あとから国に請求することで入金されます。介護報酬の1人当たりの月額請求額には上限があります。そのため、より多くの入居者がいる方が利益が出るわけです。