
PHOTO : masa / PIXTA
「見逃しピックアップ」では、楽待新聞、実践大家コラム、楽待YouTubeチャンネルから、さまざまなテーマに沿って過去の必見コンテンツを紹介する。
今回のテーマは「デッドクロス」。デッドクロスとは、元金返済額が減価償却費を上回る状態のことを指す。帳簿上は黒字となるが、実際には出費が発生してしまうため、望ましくない経営状態だとされる。不動産投資について学んでいるとよく耳にする言葉だが、デッドクロスのなにが問題なのか、正しく理解できているだろうか?
「デッドクロス」について取り扱った過去のコンテンツを振り返り、知識を確認したい。
こちらの記事では、元国税職員の西田友博税理士が、不動産投資に関わる税金を基本から解説している。税の仕組みを理解するポイントがわかりやすくまとまっているため、一度読み直しておきたい。
実際に支出をするわけではないものの、帳簿上は経費として計上されるのが減価償却費だ。対して、元金返済のための費用は、実際の支出があるにも関わらず、経費にすることができない。
この前提のもとで考えてみると、元本返済額が減価償却費を上回る状態とは、「本当の収入より、申告する所得が多い状態」といえる。税負担が重くなるため、デッドクロスに注意をはらう投資家が多いのだ。
投資シミュレーションについて会話形式で学ぶこちらの連載では、実践大家コラムニストとしても活躍する専業投資家の「テリー隊長」さんが「デッドクロス」について話している。
テリー隊長さんは、「デッドクロスが避けられなかったとしてもCFが赤字になるとは限らない」と語る。返済比率を低くする、潤沢なCFが出るように運営するなどの対策により、赤字を回避することが可能だという。
デッドクロスが発生した際に赤字が出るかどうかは、入念なシミュレーションにより事前に予測することができる。記事本編を参照しながら、一緒に確認してほしい。
こちらのコラムでは、築古物件に数多く投資してきた「埼玉サラリーマン大家」さんが、自身の経験をふまえながらデッドクロス対策の一例をあげている。
築古で購入した物件は残存年数が少ないため、短期間で多額の減価償却を行う形となることも。物件を購入してから数年間は税金が抑えられ、CFが多く出る。しかし、減価償却が終了すると、手残りが大幅に減少することになる。収支シミュレーションを行う際はこの点に十分注意する必要があるが、悪質な不動産会社が見せるシミュレーションはCFの良い初期の収支だけを反映したものである場合もあると指摘する。
埼玉サラリーマン大家さんの場合、繰り上げ返済を積極的に使うことでリスクを回避してきたという。コメントでも積極的に意見交換がされているため、あわせて読んでおきたい。
こちらの動画では、「節税目的で買った物件で、本当に節税できたのか?」という「ヒロ」さんの相談に、税理士で公認会計士の黒瀧泰介さんが回答した。
ヒロさんの投資状況を確認すると、現在までの間で節税はきちんと行えていたことがわかった。安心するヒロさんだが、黒瀧さんは「2年後にデッドクロスが発生する物件がある」と注意を呼びかけた。
しかし、「デッドクロスという単語は見聞きしたことがありますが、あまり理解できていません」とヒロさん。みなさんは、デッドクロスとはどのような状態で、なにが問題なのか説明できるようになっただろうか。黒瀧さんの解説とともに、最後は動画でおさらいしよう。
◇
今回はデッドクロスの仕組みが分かる記事をいくつか紹介した。購入前にリスクを認識し、入念なシミュレーションを忘れずに行って対策を練っておきたい。
(楽待広報部)
プロフィール画像を登録