白熊 / PIXTA(ピクスタ)

銀行から融資を受けづらい状況の中、数百万円から購入可能な中古ワンルームマンションを検討している人も多いのではないだろうか。しかし、「安いから」という理由だけで購入してしまうと、共用部の劣化などにより、思わぬ修繕費が発生してしまう恐れがある。

どうすれば失敗しない中古ワンルームマンションを選べるのだろうか。今回は、家賃年収3600万円、税引き前の年間キャッシュフローは約2000万円の芦沢晃さんが、最近購入した物件を「なぜ購入したのか」という理由と併せて紹介する。

また、満室経営するために、芦沢さんが意識している基本の「ABC」についても解説。芦沢さんは基本の「ABC」をしっかりやることが、満室経営を実現するために重要だと話す。基本の「ABC」とはいったい何なのか。また、満室経営を実現するためには、どのようなポイントを意識すればよいのだろうか。

芦沢さんはどのような視点から物件を購入し、満室経営を実現しているのか、そのノウハウを特別に公開してもらった。

中古ワンルームマンション、見るべきポイントは「総戸数」

西東京エリアを中心に投資をしている芦沢さんだが、物件を選ぶ際には「10戸のマンションよりも、100戸のマンションの方が積立修繕金が多く貯まっている」という理由から、なるべく総戸数が多いマンションを選んでいるという。

芦沢さんが最近購入した物件。 ※クリックして拡大

例えば、2018年に購入した川崎市川崎区の物件は、築年数が40年以上とかなり古い。しかし、芦沢さんは積立修繕金が1億7000万円貯まっていることに着目し、「たとえ築年数が古くても十分な修繕金があれば、修理して今後も運営できる」と考えたそうだ。

また、最近では漏水リスクに備えて、同じマンション内で縦に3部屋重なるように物件を購入したと話す。

2021年に購入した八王子の物件は、もともと同じマンション内で2部屋、それぞれ別の階に所有していたが、階を挟んで間の部屋が売りに出たため購入したという。本来、リスク分散の観点から、1つの建物の中で複数の部屋を購入するというのは、区分マンション投資にとってあまり良い手法ではない。しかし、区分マンションの大きなリスクの1つである「漏水」に備え、もし自分が所有している物件から水が漏れても、被害を受けるのが下の階の自分の物件だけという状況が購入の決め手となったという。

また芦沢さんは基本的に所有物件を自主管理しているため、管理のしやすさも重要な選定条件となる。しかし、芦沢さんは「自分で管理しきれない物件が増えるのも大変」だと考えたため、大手の管理会社が管理している物件や、サブリース物件などを購入することもあるという。本来自分の目線に合わないような物件でも、その時その時の状況に合わせて、必要な物件を購入していくというのが、芦沢さんのスタイルだ。

「利回りが○%以上だから大丈夫」「築年数が浅いから大丈夫」といったことはなく、自分が何を重要視しているのか、軸を明確にすることが、物件選びで失敗しないコツだと芦沢さんは話す。

入居者を見つけるための基本「ABC」

入居者を見つけるための方法として、ネット上では「ADを渡す」「営業マンに商品券を贈る」といったさまざまなテクニックが紹介されている。しかし、芦沢さんは基本の「ABC」をしっかりやることが、入居者を見つけるために最も大切だと考えている。

基本の「ABC」とは、「当たり前のことを」「馬鹿にしないで」「ちゃんとやる」の頭文字を取ったものだ。満室経営を実現するためには、基本に忠実になることが大事だという。

「当たり前のことを」とは、自分が主体となって、満室経営のために動くことである。不動産会社に任せっぱなしにするのではなく、自分自身で不動産会社を訪問したり、入居者のニーズを捉えた部屋作りをしたり、小手先ではなく本質的な行動が重要だと芦沢さんは語る。

入居者を見つけるためには、まずは入居希望者を連れてくる営業マンに気に入ってもらう必要がある。芦沢さんは営業マンに「この部屋を紹介すれば、自分の成績にプラスになるな」と思ってもらえるような部屋作りを意識しているという。

また、定期的に不動産会社を回ることも、入居者を見つけるために効果的だと話す。昨今ではメールのみのやり取りも一般的になってきているが、文章だけでは見てもらえないことも多い。プロの管理会社でも、定期的な訪問をしている会社は少ないため、1店舗ずつ不動産会社を回る「対面営業」に勝てる方法はないという。この方法の大きなメリットは、「大家さんの顔と物件を紐づけて覚えてもらえること」だと芦沢さんは話す。

今回紹介した「物件の購入事例」や基本「ABC」以外にも、芦沢さんの区分投資ノウハウについては「プレミアム講座」で公開している。「中古1Rマンション投資について網羅的に学びたい」「区分投資で損をしないための基本的な考え方を学びたい」という方は、ぜひチェックしてほしい。

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