中古で購入した物件や入居者が退去した後の物件は、損耗具合によってリフォームが必要になる場合が多いだろう。不動産オーナーたちはいくらかけて、どのようなリフォームを行っているのだろうか。

この企画では、投資家たちの多種多様なリフォーム事例を紹介していく。投資家の協力のもと、かけた費用や使った材料など、なるべく詳細に公開してもらう。リフォームで重視する点ややり方は人それぞれ異なり、安さや早さで優れている点ばかりではないが、1つの事例として参考にしてもらいたい。

今回は、不動産投資歴6年の「どどへり」さんが2020年に実施した築31年の区分マンションのリフォームを取り上げる。

1Rでスケルトンリフォームを実施

東京都青梅市を中心に区分マンションを4戸所有するどどへりさん。今回の物件は、210万円で購入した駅徒歩2分の区分マンションだ。築31年経過しているが、これまでワンオーナーで、賃借人も一度も変わっていないという。その分、室内の設備は老朽化が進んでいたため、時流に合った設備に一新することが今回のリフォームの目的だった。

居室の様子(リフォーム前)。クロスが剥がれるなど、傷みの激しい箇所がある

○物件概要
・構造、種別:RC造区分マンション(間取り1R)
・築年数:31年
・エリア:東京都青梅市
・購入金額:210万円
・家賃:2万9000円
・リフォーム後の表面利回り:約7%
・管理費、修繕積立金:1万1790円

○リフォーム概要
・リフォームの目的:時流に合わせた設備の一新
・工期:1か月(2020年11月)
・リフォーム費用:約276万円
・リフォーム内容:スケルトンリフォーム
・リフォームの効果:短期間での入居、当面の修繕費がかからない

―この物件はどのような経緯で購入したのでしょうか

懇意にしていた不動産会社からの紹介です。500万円程度の現金で購入できる物件を探していたところに、この物件を紹介されました。築30年くらいの物件でしたが、管理も行き届いていて、立地も申し分ないことが決め手になりました。

しかし、竣工からこれまでずっと同じ人が住んでいたので、初めて室内を見た時は事故物件なのではと感じるくらい、老朽化が進んでいました。カビによるシミや破損などが酷い状態でした。そういった理由から相場よりも100万円近く安く売りに出されていたのだと思います。

予算内で購入できる物件だったので、購入を決めました。

―リフォームでは、どのような点を重視しましたか

壁紙や3点ユニット、キッチン周りなど全体的に古く、今の時代に合った設備に更新する必要がありました。このままでは客付けは難しいと思い、思い切ってスケルトンにしてフルリフォームすることにしました。

部分リフォームでも貸し出せたとは思いますが、本業でデザイン系の仕事をしていたので、もともとリフォームに興味があったんです。結果的に利回りは想定よりも低くなってしまいましたが、純粋に後学のために大規模なリフォームをやってみたかったという気持ちもありました。

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