この企画では、ある大家が所有する1つの物件に着目し、その物件の購入から現在に至るまでの詳細な収支を確認していく。どれほどの家賃が得られ、修繕にはいくらかかったのかなど、数字の詳細を見ていくことで、賃貸経営の流れを学ぶことができる。

今回話を聞いたのは、投資歴20年、アパート9棟77室を所有する「埼玉サラリーマン大家」さん。繰り上げ返済を行い、1棟ずつローンを完済する手法をとっており、総投資額は約4億円。年間家賃収入は4000万円だ。

紹介してもらうのは、埼玉県某市の木造1棟アパート。購入時は築21年で、2008年に個人名義で2300万円で購入しており、表面利回りは13.5%だった。

周辺エリアの相場と比較すると利回りの高い物件だというが、1部屋が15平米と狭く、入居付けしにくい側面も。また、購入当時は物件の状態が悪く、8戸中3戸が空室だったという。埼玉サラリーマン大家さんはどのような経緯で購入に至り、現在の収支はどのようになっているのだろうか。

また埼玉サラリーマン大家さんは、今回の物件を自己資金1450万円、融資850万円で購入し、ローンは購入2年目で一括返済している。返済の結果、CFにはどんな影響があったのだろうか。以降では、この物件の15年間の具体的な収支について、さまざまな資料を見ながら詳しく確認していく。不動産投資の一例として参考にしてもらいたい。

収支のチェック

まずは今回取り上げる物件の基本情報を確認しておこう。

物件の所在地は埼玉県某市。東京に近くアクセスの良いエリアだという。埼玉サラリーマン大家さんは20年前、20代前半で不動産投資を始め、1棟目、2棟目のアパートのローンを完済後、3棟目としてこの物件を購入した。物件は購入時築21年で、購入価格は2300万円。購入時点での満室家賃は310万円で、表面利回りは13.5%だったという。

埼玉サラリーマン大家さんが15年間保有しているというこの物件。保有期間が長いため、家賃収入や修繕コストの変化を追うことができる。埼玉サラリーマン大家さんは、「購入した物件の中で最も低スペックな物件」というが、15年間でどの程度の収益を上げることができたのだろうか。

今回は、この物件の15年分の収支をまるごと1枚の表にまとめた。以降では収支表を見ながら、収入や支出の項目を詳しくチェックしていきたい。

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