近年、不動産投資の一手法として注目を集めている「戸建投資」。一棟物件に比べて価格が安く、エリアによっては数百万円程度で購入できるという参入障壁の低さから、特に不動産投資の初心者を中心に人気が高まっている。
築古のいわゆる「ボロ戸建」を現金購入し、DIYリフォームでコストを浮かせ、高利回りを狙う手法も人気だ。戸建投資を「FIRE」の第一歩としている若い投資家も少なくない。
一方、そうした「ブーム」を背景に戸建物件の価格が高騰し、すでに投資妙味がなくなっている、と見る投資家もいる。実際のところ、戸建市場は過熱しているのだろうか。それとも、まだ参入の余地は残されているのだろうか。
本企画では全6回にわたり、「戸建投資」の現状を取り上げていく。第1回となる今回は、楽待に蓄積されたデータや、投資家アンケートの結果などを基に、戸建投資の現状を探っていきたい。
データで見る「戸建投資」の現状
1.表面利回り
まずは楽待内の掲載物件情報から、物件種別ごとの利回りの推移を確認してみよう。物件種別ごとに、表面利回りの平均値を算出している。
上図は、戸建、区分マンション、一棟アパート、一棟マンションそれぞれについて、表面利回りの推移をグラフにしたものだ。
戸建の表面利回りは11%を超えており、他の物件種別と比べて突出していることが分かる。2015年以降、緩やかに利回りが下降しており、2022年時点での表面利回りは11.8%となっている。ただし、新型コロナウイルス蔓延の影響などがあり、昨今は全物件種別で価格が上昇し、利回りも低下傾向にある。
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